前回からの変化
前回(2026-10-28、前日)との比較である。
変わったこと(変化・新規)
- イスラエル総選挙は、前回の出口調査(首相陣営50議席、反首相陣営52〜53議席)から、実際の開票に移った。開票85.6%の時点で、首相陣営は53議席、アイゼンコット氏の陣営は48議席、アラブ系政党は19議席と伝えられた。出口調査では反首相陣営が上回っていたが、開票では首相陣営がやや上回る形に変わった。リクードは26議席で第1党、アイゼンコット氏の「ヤシャル」は21議席である(開票途中の数字。軍人票など約50万票の二重封筒票は28日夜に集計され、数字が動きうる。Ynetnews)
- アラブ系政党の共同リストは、議席増を使って「ネタニヤフ、ベングビール、スモトリッチ各氏の政権を倒す」意向を示した。トランプ大統領はベングビール氏の入閣に反対しているとの情報もある(報道ベース。Ynetnews)
- 米イラン協議について、前回は「トランプ氏が合意か攻撃かを近く判断する」と伝えた。今回は、トランプ氏が9月下旬にイランへ何も提示していないと述べ、協議は11月3日の中間選挙後まで止まるとの見方が出ている。米国は27日にサウジアラビア駐在の非緊急職員の退避を命じたとされる。イラン側は、封鎖が解かれれば4〜5日でホルムズ海峡を再開できるとの立場である(単独の情報サイトの報道で、確認は取れていない。House of Saud)
- 原油は、ブレント原油が28日のアジア時間に1バレル=114.68ドルと、前日の115.81ドルから0.98%下がった。危機前の約72ドルを6割ほど上回る水準である(Trading Economics、House of Saud)
昨日と同じこと(継続)
- 中国共産党の五中全会(26〜29日)は予定どおり進み、29日に閉幕する。閉幕時に新華社が会議の内容を伝える見通しである(Reuters(Internazionale))
- 茂木外相は30〜31日に米国のアトランタでG20外相会合に出席する予定で、日程に変更はない(NHK)
- ブラジル大統領選をめぐる敗者側の無効申し立てについて、本日確認できた新しい動きはない
要因の連続性
- 継続要因: ホルムズ海峡の供給不安と米軍の再攻撃の可能性。前回に続き、原油を高止まりさせる中心の要因である
- 新規要因: 米国が中間選挙(11月3日)までイランとの交渉を止めているとの見方と、湾岸の米職員の退避。イスラエルでは、どちらの陣営も過半数に届かず連立協議が長引く可能性が加わった
- 解消した要因: 「イスラエル総選挙の結果待ち」は、ほぼ開票が進み、過半数割れという形で一段落した(確定結果は11月4日ごろの見込み)
今日の要点
| 地域 | 出来事 | 日本への影響 | 段階 |
|---|---|---|---|
| 中東 | イスラエル総選挙、どの陣営も過半数に届かず | 原油・中東情勢 | 開票途中 |
| 中東 | 米イラン協議は停滞、ホルムズ海峡は混乱続く | 原油・LNG調達 | 報道ベース |
| アジア | 中国の五中全会が閉幕へ | 対中関係、日本企業 | 会議中 |
| 欧州 | EUが対ロシア第22弾制裁を準備 | 対ロ取引、企業 | 準備段階 |
米国
対イラン政策: トランプ大統領は9月下旬に「イランには何も提示していない」と述べ、外交は11月3日の中間選挙まで止まっているとの見方が出ている。選挙後は大統領の命令から96時間以内に攻撃できる態勢だとも伝えられた(単独の情報サイトの報道。House of Saud)。前回伝えた「合意か攻撃かを近く判断する」という発言との関係は、本日の出典では確認できなかった。
日本への影響: 攻撃が再開されれば原油とLNGの価格がさらに上がり、ガソリンや電気・ガス料金に響く。協議の停滞が長引けば、原油の高止まりが続く。
欧州
対ロシア制裁: EU(欧州連合)の第22弾制裁パッケージは、ウクライナ側の当局者が、早ければ10月中の採択もありうるが11月が現実的だとの見方を示した。輸出規制の強化や金融分野、新たな新興財閥(オリガルヒ)の追加が含まれうるとされる(報道ベース。Censor.net)。日本への影響: 日本も対ロ制裁で欧米と歩調を合わせており、新たな制裁の対象に日本企業の取引先が含まれるかが論点になりうる(筆者の整理)。
アジア・オセアニア
中国の五中全会: 中国共産党中央委員会の第5回総会(五中全会)は26〜29日に北京で開かれ、29日に閉幕する。党員約1億人の管理が主題とされ、習近平総書記の下で進む反腐敗運動により政治局員が21人に減ったことから、人事面の動きが注目されている(報道ベース。US News(Reuters)、Reuters(Internazionale))。日本への影響: 党の統制強化の方針は、中国の経済運営や対外姿勢を読む手がかりになる。日中関係の緊張が続くなか、閉幕後の対外発信が注目される(筆者の整理)。
中東・アフリカ・中南米
イスラエル総選挙: 28日の時点で開票85.6%、首相陣営(右派・宗教政党)は53議席、元軍参謀総長アイゼンコット氏の陣営は48議席、アラブ系政党は19議席で、どの陣営も61議席に届かない。ネタニヤフ首相は「シオニスト勢力の結集」を、アイゼンコット氏は「有権者が変化を選んだ」と述べた。首相の指名を受けた人物には組閣まで最長42日の猶予があり、失敗すれば再選挙となる。最終結果は11月4日ごろの見込みである(開票途中の数字。Ynetnews、Al Jazeera)。日本への影響: 組閣が長引けば、ガザとイランへの対応が定まらない期間が続き、原油価格と中東情勢を通じて日本のエネルギー調達に波及しうる。
イラン周辺: サウジアラビア主導のテヘランでの協議は26日に停戦も共同声明もなく終わったとされる。イランのアラグチ外相は、条件が満たされれば海峡は6日目に再開すると述べた。条件には、米国の海上封鎖の解除、制裁解除、凍結資産約240億ドルの解除などが含まれる(報道ベース。House of Saud)。日本への影響: 日本は原油の大半を中東に頼っており、海峡の通航と戦争保険料(船体価格の6〜10%とされる)の動きが調達コストに直結する。
国際機関・多国間の動きと、日本を名指しした動き
茂木敏充外相は、30〜31日に米国のアトランタで開かれるG20(主要20か国・地域)外相会合に出席し、日米豪印の枠組み「クアッド」の外相会合も開く。中東、ウクライナ、エネルギー安全保障が議題になる見通しである(NHK)。日本への影響: 日本が中東情勢とエネルギー供給で何を訴えるかが焦点になる。日本を名指しした海外の発言や措置は、確認できた範囲では見当たらない。
今後数日の注目日程
- 29日(木): ECB理事会、米PCE物価指数・米GDP速報値、五中全会の閉幕予定。イスラエルでは二重封筒票の集計が進む
- 30日(金): 日銀会合の結果。G20外相会合(31日まで)とクアッド外相会合
- 11月3日: 米中間選挙。イランへの対応が動くかが注目される
- 11月4日ごろ: イスラエル総選挙の最終結果の見込み
- 随時: EUの第22弾対ロ制裁の採択、米国のイランへの攻撃の有無、ホルムズ海峡の通航

