前回からの変化

前回(2026-10-24、前日)との比較である。

変わったこと(変化・新規)

  • 前回はトランプ氏が「もう一度、小さな作戦をやるかもしれない」と述べた段階だった。今回は、バラク大使が「今週末に攻撃があり得る」と示唆したが、トランプ氏は距離を置いた。一方、米紙WSJは、空母ジョージ・ワシントンの打撃群が弾薬の積み込みと航空機の準備をしていると報じた(The Tribune、Iran International)
  • 外交の動きが出た。イランがパキスタンを通じて、米国の港の封鎖解除と引き換えにホルムズ海峡の再開と交渉再開を提案したとTASSが伝えた。協議の議題には、ウラン濃縮、制裁の緩和、凍結資産の扱いが挙がり、カタールとパキスタンが関わるとされる(TASS、The Tribune)
  • 革命防衛隊は、ホルムズ海峡を完全に掌握していると主張し、合計450万バレル超を積んだ2隻の超大型タンカーが機雷に触れて爆発・火災を起こし、乗組員が退避したと述べた(革命防衛隊の主張で、独立した確認は出ていない)。イランの統合参謀本部議長は「米艦のペルシャ湾への進入を決して許さない」と語った(The Tribune)
  • 原油は上げ幅が拡大した。ブレント原油先物は22日に3.99%高の113.17ドル、23日に3.14%高の116.72ドルで引け、16日の109.86ドルから6.2%上昇した(Yahoo Finance)

昨日と同じこと(継続)

  • 米国とイランの公式な合意はなく、ホルムズ海峡の混乱と原油高が続いている。前回の日程(ブラジル大統領選の決選投票25日、FOMC 27〜28日、日銀会合29〜30日、米中間選挙11月3日)にも変更はない
  • 前回挙げたウクライナ和平協議、欧州のガス在庫、ICCへのサハロフ賞の新しい進展は、今回の出典では確認できなかった

要因の連続性

  • 継続要因: 米国の軍事行動再開の示唆と、ホルムズ海峡の供給不安。前回に続いて中東リスクの中心にある。フランスの政治・財政不安(前回の10 Thingsの二次報道)も続いている
  • 新規要因: イランからの交渉再開の提案と、機雷による船舶被害の主張(双方の主張で、確認は限定的)。外交と軍事の両面の動きが同時に出ている点が新しい
  • 解消した要因: 前回の「仲介の新しい進展は確認できなかった」という点は、今回パキスタン経由の提案が出たことで一部解消した(ただしイラン政府の公式な確認はない)

今日の要点

地域 出来事 日本への影響 段階
中東 米大使が週末の攻撃に言及、イランは再開を提案 原油・LNG調達と円相場 発言・提案段階
中東 革命防衛隊が機雷によるタンカー被害を主張 日本向け原油の海上輸送 主張(未確認)
欧州 フランスの10年債利回りが5%台 ユーロ安・円高圧力 市場の反応
中南米 ブラジル大統領選の決選投票(25日) 資源・食料価格 投票日

米国

対イラン攻撃の示唆と交渉: バラク大使は「今週末に攻撃があり得る」と示唆したが、トランプ大統領は発言を知らないと述べ、交渉が決裂すれば「もう一度、小さな作戦(Epic Fury)をやるかもしれない」と語った。ベッセント財務長官は、ペルシャ湾岸からの原油輸出は戦前の水準を超えたと述べた(米側の発言で、独立した確認は得ていない)(The Tribune)。

日本への影響: 攻撃が行われれば、原油とLNGの価格がさらに上がり、日本のガソリンや電気・ガス料金に響く。交渉が進んでホルムズ海峡が再開すれば、供給不安が和らぐ可能性がある。円相場にも、原油高とリスク回避の両面で影響する。

欧州

フランスの政情と国債: フランスでは17日に50万人超の抗議デモが起き、暴動に発展した。21日には10年国債の利回りが5%に達し、2002年7月以来の高水準になった。セバスチャン・ルコルニュ首相の少数与党政権は、2027年予算案を割れた国民議会で通すのに苦しんでいる。マクロン大統領は「秩序を取り戻す」と述べた(TimesLIVE、Political.org)。

日本への影響: ユーロ圏の景気と財政への不安は、ユーロ安を通じて円高圧力になりうる。為替では、ユーロ円が昨年10月以来の安値圏にある(為替レポート参照)。現地に拠点を持つ日本企業は、デモによる操業・物流への影響に注意が必要である(筆者の整理)。

スペイン: 検察が、2023年の元欧州議会議員アレホ・ビダル=クアドラス氏の暗殺未遂にイランが関与したとして、被告7人に最大27年の刑を求めた(Iran International)。日本への影響: 直接の言及は出典にない。

アジア・オセアニア

新しい動きは、今回確認できた出典では見当たらない。26日(月)から29日まで、中国で共産党の中央委員会総会が開かれる予定で、結果は来週に確認する(みんかぶFX)。

中東・アフリカ・中南米

ホルムズ海峡と周辺: 革命防衛隊は海峡の完全掌握を主張した。モスクワは、イランのブシェール原発の外交官の退避報道を否定した。イラクのクルド人地域では、クルド系の反体制派の拠点にドローン攻撃があったと伝えられた(Iran International)。日本への影響: 日本は原油の大半を中東に頼っており、海峡の通航と保険料の動きが調達コストに直結する。日本関連船舶の被害は、今回の出典では確認できなかった。

ブラジル: 25日(日)に大統領選の決選投票がある。Al Jazeeraが16日に伝えた世論調査では、ボルソナーロ氏がルラ大統領をやや上回っていたが、接戦で、結果は読めないとされる。結果は本稿の時点で未確認である(Al Jazeera)。日本への影響: 大豆・鉄鉱石・コーヒーなど、日本が輸入する資源や食料の価格と、レアル相場に波及しうる(筆者の整理)。

国際機関・多国間の動きと、日本を名指しした動き

国際機関・多国間の新しい決定は、今回確認できなかった。日本を名指しした発言や措置も、確認できた範囲では見当たらない。

今後数日の注目日程

  • 25日(日): ブラジル大統領選の決選投票
  • 26日(月): 中国の共産党中央委員会総会が始まる(29日まで)
  • 27日(火): イスラエルの総選挙。月例経済報告(日本)
  • 28日(水): 米FOMCの結果(日本時間29日午前3時)、英国の秋季予算案
  • 29日(木): ECB理事会、米PCE物価指数・米GDP速報値
  • 30日(金): 日銀会合の結果
  • 11月3日: 米中間選挙
  • 随時: 米国のイランへの攻撃の有無、イランの提案に対する米国の返答、ホルムズ海峡の通航