前回からの変化

前回(2026-10-25、前日)との比較である。

変わったこと(変化・新規)

  • 前回は「イランがパキスタン経由でホルムズ海峡の再開を提案した」とTASSの報道を伝えたが、今回、イランの革命防衛隊系のタスニム通信が25日に「新しい提案はパキスタンに送っていない。ホルムズ海峡と封鎖の交換という考え方は受け入れない」と否定した。一方、イランの駐パキスタン大使は「米国が封鎖を解くなら海峡を再開する用意があり、6月にパキスタンが仲介した暫定合意のもとで米国との協議に応じる」と述べたと伝えられ、イラン側の発信は食い違っている(The Tribune、Iran International)
  • 仲介の動きが広がった。パキスタンの軍トップ、アシム・ムニール氏がテヘランを訪れて交渉とサウジアラビアの防衛を協議し、ロシアのラブロフ外相もイラン側と接触したと伝えられている。争点は、60%に濃縮したウランの備蓄を国外へ移すかどうかで、イランは移送を拒んでいる(Iran International)
  • ブラジル大統領選の決選投票が25日に行われた。25日夜の最新の世論調査はフラビオ・ボルソナロ氏が48%、ルラ氏が47%で、第1回投票(10月4日)の得票率はフラビオ氏47.04%、ルラ氏45.15%だった。結果は日本時間26日午前に判明する見通しとされたが、26日朝の時点で確認できていない(時事通信、NHK)
  • ウクライナ情勢では、ISW(米国のシンクタンク)によると、ウクライナ南部ヘルソン州のロシア占領下の町オレシキで、27日から限定的な停戦を行うことで両国の認識が一致した。範囲などの条件は不明である。スペースXのスターリンクの無制限の利用が24日に再開したとも整理されている(ISWの評価。Kyiv Post)

昨日と同じこと(継続)

  • 米国とイランの公式な合意はなく、ホルムズ海峡の混乱と原油高が続いている。トランプ大統領は「素晴らしい合意になる可能性も、攻撃の可能性もある」と述べ、攻撃を排除していない(Iran International)
  • 前回挙げた日程(FOMC、ECB、日銀会合、米中間選挙)に変更はない

要因の連続性

  • 継続要因: 米国の軍事行動再開の示唆と、ホルムズ海峡の供給不安。前回に続いて中東リスクの中心にある
  • 新規要因: イランの発信の食い違い(大使は条件付きで再開、通信社は否定)と、パキスタン・ロシアを含む仲介の広がり。外交の見通しが立ちにくくなった点が新しい
  • 解消した要因: 前回の「ブラジルの決選投票は25日」は、投票が実施されたことで進んだ(ただし結果は未確認)

今日の要点

地域 出来事 日本への影響 段階
中東 イランの対米交渉の発信が食い違い 原油・LNG調達と円相場 発言段階
中南米 ブラジル大統領選の決選投票 資源・食料価格 開票結果待ち
アジア 中国の五中全会が開幕 対中関係、日本企業 会議開始
中東 27日にイスラエル総選挙 中東情勢・原油 投票日前

米国

対イラン政策: トランプ大統領は、イランとの交渉について「素晴らしい合意になる可能性も、また『小さな作戦』をやる可能性もある」と述べ、軍事行動を排除していない。米軍は、中間選挙(11月3日)の後に攻撃を行う選択肢を準備しているとも伝えられている(報道ベース。Iran International)。

日本への影響: 攻撃が行われれば、原油とLNGの価格がさらに上がり、日本のガソリンや電気・ガス料金に響く。交渉が進んでホルムズ海峡が再開すれば、供給不安が和らぐ可能性がある。円相場にも、原油高とリスク回避の両面で影響する(為替レポート参照)。

欧州

新しい動きは、今回確認できた出典では見当たらない。前回伝えたフランスの政情と国債利回りの上昇は、25日時点で追加の確認ができていない。

アジア・オセアニア

中国の五中全会: 中国共産党の重要会議「五中全会」(中央委員会第5回総会)が26日に開幕し、29日までの予定である。NHKは、党内の統治に関する問題が議題で、汚職などによる幹部の処分が相次ぐなか、引き締めを強めるためにどのような方針が示されるのかが焦点だと伝えている(NHK、みんかぶFX)。日本への影響: 党の方針は中国の経済運営や対外姿勢に影響する。中国に拠点を持つ日本企業にとって、規制や統制の方向を見る材料になる(筆者の整理)。

中東・アフリカ・中南米

イランと米国の交渉: 前述のとおり、イランの発信は食い違っている。革命防衛隊は引き続き海峡の掌握を主張し、合計450万バレルの原油を積んだ超大型タンカー2隻が機雷に触れたと主張した(イラン側の主張で、独立した確認は出ていない。The Tribune)。日本への影響: 日本は原油の大半を中東に頼っており、海峡の通航と保険料の動きが調達コストに直結する。日本関連船舶の被害は、今回の出典では確認できなかった。

イスラエル総選挙: 日本時間27日に実施される。NHKは、ネタニヤフ首相が3年前のハマスの奇襲攻撃を防げなかった責任を野党から追及され、苦戦していると伝えている。為替の週間展望は、与野党とも単独で過半数の61議席を取るのは難しい情勢としている(NHK、みんかぶFX)。日本への影響: 政権の枠組みはガザやイランへの対応に影響し、原油価格と中東情勢を通じて日本のエネルギー調達にも波及しうる。

ブラジル大統領選: 決選投票は親米右派のフラビオ・ボルソナロ氏(上院議員、前大統領の長男)と、左派のルラ大統領の大接戦だった。結果は26日朝の時点で確認できていない(時事通信)。日本への影響: 大豆・鉄鉱石・コーヒーなど、日本が輸入する資源や食料の価格と、レアル相場に波及しうる(筆者の整理)。

国際機関・多国間の動きと、日本を名指しした動き

国際機関・多国間の新しい決定は、今回確認できなかった。ウクライナでは、ISWによると、米国・ウクライナ・ロシアの協議がアブダビかスイスで開かれる見通しと報じられている(詳細は未確認。Kyiv Post)。日本への影響: 停戦が進めば欧州のエネルギー供給と穀物の流通への不安が和らぐ可能性があるが、現時点では限定的な動きにとどまる。日本を名指しした発言や措置は、確認できた範囲では見当たらない。

今後数日の注目日程

  • 26日(月): 中国の五中全会が開幕(29日まで)。ブラジル大統領選の決選投票の結果判明
  • 27日(火): イスラエルの総選挙。ウクライナ南部オレシキでの限定停戦の開始予定(ISWの整理)。月例経済報告(日本)
  • 28日(水): 米FOMCの結果(日本時間29日午前3時)、英国の秋季予算案
  • 29日(木): ECB理事会、米PCE物価指数・米GDP速報値
  • 30日(金): 日銀会合の結果
  • 11月3日: 米中間選挙
  • 随時: 米国のイランへの攻撃の有無、イランと米国の交渉の行方、ホルムズ海峡の通航