前回からの変化

前回(2026-10-28付、27日の取引)との比較である。今回は28日(水)の取引を扱う。

変わったこと(変化・新規)

  • S&P500は7,722.60から7,743.98へ(21.38ポイント、0.28%高)、ナスダック総合は26,477.81から26,549.85へ(72.04ポイント、0.27%高)、NYダウは52,377.57ドルから52,475.10ドルへ(97.53ドル、0.19%高)と、3指数がそろって上昇した。前回は上げ幅の差が大きかったが、今回は小幅高でそろった(Yahoo Finance)
  • 前回予告したFOMCは、政策金利3.75〜4.00%の据え置きが10対2で決まった。クリーブランド連銀のハマック総裁とクック理事が利上げを主張して反対した(同上)
  • 米10年債利回りは4.993%から5.05%へ上昇した(同上)。VIXは17.52から16.91へ低下した(0.61ポイント、3.48%低下)(同上)
  • 引け後にマイクロソフトが決算で上昇、アルファベットが下落と明暗が分かれた(同上)

昨日と同じこと(継続)

  • 半導体株は3日続けて上昇し、AI関連の買い戻しが続いた(同上)
  • 前回据え置き有力としていた見方どおりに据え置きとなった。ただし追加利上げ警戒は続く
  • 大手テック決算でAI投資の持続性が問われる構図は継続した

要因の連続性

  • 継続要因: AI関連株への買い戻しと、AI向け資金調達の発表が相場を支える構図。長期金利の高止まりも前回に続く論点
  • 新規要因: FOMCで2人の反対票が出て、12月9日の会合での利上げ確率が約85%と織り込まれたこと。マイクロソフトの好決算とアルファベットの失望、オラクルの長期見通しが加わった(Yahoo Finance)
  • 解消した要因: FOMCとマイクロソフト・アルファベット決算を待つ様子見姿勢は、結果が出て解消した

市況サマリー

指数 終値 騰落率 前回終値
S&P500 7,743.98 0.28%高 7,722.60
NASDAQ総合 26,549.85 0.27%高 26,477.81
NYダウ 52,475.10ドル 0.19%高 52,377.57

取得時点は2026年10月28日(水)のNY市場引け値(Yahoo Finance)。ナスダック100の終値は確認できなかったため、ナスダック総合を記載する。

指数別動向

S&P500

S&P500は21.38ポイント高(0.28%高)の7,743.98で引けた。前回レポートで触れた15日の高値7,744.06に0.08ポイントまで迫った。半導体株の3日続伸が支えとなり、FOMC通過後に買いが入った(Yahoo Finance)。

ナスダック100

ナスダック総合は72.04ポイント高(0.27%高)の26,549.85だった。FOMCの前後で上下に振れる場面があり、方向感を欠いた。引け後の決算ではマイクロソフトが4%上昇し、アルファベットは下落した。ナスダック100そのものの終値は確認できなかった。

NYダウ

NYダウは97.53ドル高(0.19%高)の52,475.10ドルだった(Yahoo Finance)。前回はボーイングの急落で上値が重かったが、今回は小幅ながら上昇した。

強気派 vs 弱気派

強気・建設的な見方:

  • バイタル・ナレッジ(調査会社): 「ここ36時間に出たAI向け資金調達の発表を投資家は歓迎し続けている」と述べ、データセンター投資を支える資金がなお潤沢だと評価した(Yahoo Finance)

弱気・警戒の見方:

  • ジェイク・ビーハン氏(ダイレクションのキャピタル・マーケッツ責任者): AIの投資対効果への懐疑が強まるほど、現在の投資ペースの正当化は難しくなると指摘した。メタの設備投資が1四半期でおよそ340億ドルに達したことを例に、市場は投資の見返りを確認する必要があるとした(同上)

いずれも相場観であり、事実ではない。前回の過熱感への警戒論と同様、AI投資の持続性が引き続き争点である。

経済ニュース

FOMCは政策金利を3.75〜4.00%に据え置き、10対2で決めた。ハマック氏とクック氏が利上げを支持して反対した。ウォーシュ議長は、2027年の会合を1回減らし、年8回を政策決定、2回を金融政策の枠組み議論に充てると発表した(Yahoo Finance)。

引け後の決算では、マイクロソフトが1株利益4.89ドル、売上高922.8億ドルで予想の4.73ドル、906.3億ドルを上回り、クラウド売上高は639億ドルと予想の616.2億ドルを超えて株価は4%上昇した。アルファベットは1株利益2.12ドルで予想の2.99ドルを下回ったと報じられ、フリーキャッシュフローの赤字は90.6億ドルに拡大して株価は下落した(下落率は未確認)。オラクルは2030年度の売上高目標を2,250億ドル以上と示し、12%上昇した。SKハイニックスは過去最高の四半期売上高を発表し、プレマーケットで8%上昇した(同上)。

金利・為替が株に効いた分

米10年債利回りは5.05%(0.05ポイント上昇)と、5%の大台に乗せた。債券市場は12月9日の会合での利上げ確率を約85%と織り込み、2027年9月の政策金利は4.7%前後まで上昇する想定である(Yahoo Finance)。前回は据え置き確率が高いことが焦点だったが、今回は据え置き後の利上げ再開が意識された形である。それでも株式はAI関連株の買いが優先され、高金利が重しとなる成長株への逆風は限定的だった。為替の動きは今回の出典では確認できなかった(詳細はfxを参照)。

テクニカル分析(S&P500・ナスダック100・NYダウ)

50日・200日移動平均線とRSI、サポート・レジスタンスの28日時点の値は、今回の出典では確認できなかった(未確認)。確認できる範囲では、VIXが16.91へ低下し、市場の警戒感が一段和らいだことを示す。S&P500の終値7,743.98は、15日の高値7,744.06にわずか0.08ポイントの水準で、この高値を明確に上回るかが意識されやすい節目とされる。ただし、10年債利回りが5%台に乗せるなか、反発が続いているだけでトレンド転換と判断するには材料が足りない(筆者の整理)。断定的な売買推奨ではない。

今夜の注目イベント

29日(木)の米国市場では、前夜の決算を受けたマイクロソフト、アルファベット、オラクルの株価反応が焦点になる。アマゾンの決算が予定されているとされる(Yahoo Finance)。当日の経済指標の予定は今回の出典では確認できなかった。