前回からの変化

前回(2026-10-23、前日)との比較である。

変わったこと(変化・新規)

  • 前回は、トランプ氏が「もう少しやるかもしれない」と述べて再攻撃を示唆し、革命防衛隊が米軍基地への報復を警告した段階だった。今回は、トランプ氏が再び「もう一度、小さな作戦をやるかもしれない」と述べ、米軍が「イランを徹底的に叩いた」と語った。さらに、フーシ派がサウジアラビアの首都リヤドへ弾道ミサイルを発射し、サウジ主導の連合軍が迎撃した(Al Jazeera)
  • 戦場が広がった。イスラエルのネタニヤフ首相は、ヘブロンでの銃撃戦を受けて、占領下のヨルダン川西岸に「全面封鎖」を敷き、「大規模作戦」に備えると述べた(Al Jazeera)
  • エネルギー面では、IEAが欧州のガス在庫の少なさを警告した。ガス価格は2月以降に約140%上昇したという(Al Jazeera)
  • 欧州議会が23日、米国の制裁を受けた国際刑事裁判所(ICC)にサハロフ賞を授与した(Rio Times)

昨日と同じこと(継続)

  • ホルムズ海峡の混乱と原油高は続いている。前回は111ドル超だったブレント原油は、10月中旬に114ドル台だったと伝えられる
  • 米・イランの公式な合意はなく、前回挙げた日程(ブラジル大統領選の決選投票25日、FOMC 27〜28日、日銀会合29〜30日、米中間選挙11月3日)に変更はない

要因の連続性

  • 継続要因: 米国の軍事行動再開の示唆と、ホルムズ海峡の供給不安。前回に続いて中東リスクの中心にある
  • 新規要因: 欧州のガス在庫の低さと、アジアを含むLNGの争奪。西岸地区での衝突の拡大も、中東の不安定要因に加わった
  • 解消した要因: なし。前回挙げられた仲介の動きについて、今回の出典では新しい進展は確認できなかった

今日の要点

地域 出来事 日本への影響 段階
中東 米大統領が再び新たな攻撃を示唆 原油・LNG調達と円相場 発言のみ
中東 フーシ派がリヤドへミサイル、迎撃 原油の供給不安 迎撃済み
欧州 ガス在庫が貯蔵能力の約72% LNGの調達競争と料金 IEAの警告
欧州 欧州議会がICCにサハロフ賞 国際司法への姿勢で影響 授与済み

米国

対イラン発言と国内の反応: トランプ大統領は、米国が「イランを徹底的に叩いた」と述べつつ、もう一度作戦を行うかもしれないと語った。民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員は、この戦争で米兵少なくとも23人が死亡し、450億ドルを超える税金が使われたと批判した。Al Jazeeraによると、トランプ氏の支持率は開戦前の40%から、10月は31%に下がっている。11月3日には中間選挙がある(Al Jazeera、Al Jazeera)。

対中投資規制案: 米財務省が、AI、スーパーコンピューター、バイオ技術などの分野で、中国、ロシア、北朝鮮への米国の投資を制限する案を示した(Just Security)。

日本への影響: 中東への軍事行動が再開されれば、原油とLNGの価格が上がり、日本のガソリンや電気・ガス料金に響く。対中投資規制案は、日本企業の対中事業やサプライチェーンの見直し論議に波及しうる(筆者の整理。具体的な日本への影響は出典に記載がない)。

欧州

ガス在庫の警告: IEAのファティ・ビロル事務局長は、欧州連合(EU)のガス在庫が貯蔵能力の約72%にとどまり、通常の約90%を下回ったまま冬に入ると述べた。「今年も来年も欧州の生活は楽ではない」と警告した。EUの液化天然ガス(LNG)の約10%はかつてホルムズ海峡を通っており、船舶への攻撃で輸入が減ったという。ロシアの製油所への攻撃で、ディーゼルの供給も約3分の1減っている(Al Jazeera)。

ICCにサハロフ賞: 欧州議会は23日、人権や思想の自由に貢献した個人や団体に贈るサハロフ賞を、国際刑事裁判所(ICC)に授与した。米国の制裁を受けた同裁判所への支持を示すものとされる。決定は、欧州の右派会派「欧州の愛国者」が棄権したことが決め手になった(Rio Times)。

フランスの抗議行動(単一の二次報道): 10 Thingsは、フランスで50万人を超える抗議行動があり、約2,700人が拘束され、国債利回りが5.14%に達したと伝えている。一次情報は確認できていない(10 Things)。

日本への影響: 日本もアジアでLNGを欧州と奪い合う立場にあり、冬の調達コストが上がる恐れがある(Al Jazeeraは、アジアが中東のエネルギーへの依存度で欧州より高く、LNGで競合すると伝えている。日本への言及は出典にないため、日本への当てはめは筆者の整理)。

アジア・オセアニア

朝鮮半島: 韓国が北朝鮮に対し、国境をめぐる軍事会談を提案した。米韓の当局者は、年内にトランプ氏と金正恩氏が会談する可能性は「小さい」とみている(Just Security)。日本への影響: 朝鮮半島の緊張緩和は、日本の安全保障環境や拉致問題をめぐる議論に関わるが、今回の出典には日本への直接の言及はない。

中東・アフリカ・中南米

イスラエルと西岸地区: ネタニヤフ首相は、ヘブロンの銃撃戦でパレスチナ人2人が死亡し、イスラエル兵2人が死亡、3人が負傷したのを受け、西岸地区を「全面封鎖」し、「大規模作戦」の準備ができていると述べた。10 Thingsによると、イスラエルでは10月27日に総選挙がある(後者は単一の二次報道)(Al Jazeera、10 Things)。

ホルムズ海峡: 10 Thingsは、10月に船舶への攻撃が28件あり、タンカーの運賃が1日数十万ドルに達したと伝えている(二次報道)。Al Jazeeraによると、イラン戦争は2月28日に始まり、戦前は世界の石油とLNGの約5分の1がホルムズ海峡を通っていた(Al Jazeera、10 Things)。

スーダン: BBCの調査によると、準軍事組織の即応支援部隊(RSF)が、エル・ファーシルの包囲の間に医療施設を組織的に破壊した。国連人権高等弁務官は、戦争犯罪にあたる可能性があるとして深刻な懸念を示した(Just Security)。

日本への影響: 中東の緊張は日本の原油・LNG調達コストと、航行する日本関連船舶の安全に関わる。ブレント原油は戦前の2月27日の72.48ドルから、10月中旬の114.47ドルに上がった水準が続いている(Al Jazeera)。

ブラジル: 25日(日)の大統領選の決選投票の勝者を各国が速やかに承認する手順が議論されている(Just Security)。

国際機関・多国間の動きと、日本を名指しした動き

ウクライナ和平協議: プーチン大統領は、和平は一時的な停戦ではなく「最終的な形」で、両国の安全の保証と欧州全体の安全保障の枠組みを議論すべきだと述べた。ゼレンスキー大統領は21日、前線の固定が停戦への第一歩になりうると認めた。EUは次の米国・ウクライナ・ロシアの協議を、欧州も加わる形にしたいと考えている(Just Security、Rio Times)。日本への影響: 停戦が実現すれば、ロシア産エネルギーや対ロ制裁の扱いをめぐる日本の判断に影響する可能性があるが、出典に日本への言及はない(筆者の整理)。

日本を名指しした発言や措置は、今回の出典では確認できなかった。

今後数日の注目日程

  • 25日(日): ブラジル大統領選の決選投票
  • 27日: イスラエルの総選挙(二次報道)。27〜28日は米FOMC
  • 29日: 米個人消費支出(PCE)物価指数。29〜30日は日銀会合
  • 11月3日: 米中間選挙
  • 随時: トランプ氏が示唆したイランへの新たな攻撃の有無と、ホルムズ海峡の通航