前回からの変化

変わったこと(変化・新規)

  • 9月FOMCの利上げ観測(織り込み確率)が、前回報告した水準より大きく下がっていたことが判明した。前回は「6割前後(集計により6割台後半)で推移」としていたが、9月3日のウォラー理事(ハト派、インフレ鈍化なら据え置き支持と表明)の発言を受けた市場の再評価は前回の想定より大きく、EBC Financial GroupによればCME FedWatchの25bp利上げ確率は9月4日に63.2%から49.8%へ1日で急落、据え置き確率が50.2%まで浮上した。予測市場PolymarketではCRYPTO TIMESによれば同じく63%程度から一時38%台まで下落する場面もあったと報じられている。
  • 金価格は、前回「強い雇用統計を受けた利上げ観測の再燃で下落」と報告した同じ9月4日のうちに、ウォラー発言を受けて上げに転じ、1トロイオンス4,470ドル台まで戻したとの報道がある(EBC Financial Group)。前回引用したBloombergのNY引け値(4,432.56ドル、前日比-0.92%)とは取得時点・出所が異なり、数値に幅があることに留意が必要。
  • ビットコインと金の90日相関係数について、KuCoinにより、9月第1週に0.86程度まで上昇し、2020年半ば以来(6年ぶり)の高水準に達したことが確認された。前回は「上昇しているとの分析がある」との言及にとどまっていたが、時期・水準が具体化した。
  • 今週の予定がより具体化した。9月7日(月)は日本の7月景気先行指数(CI)、9月8日(火)は日本の4〜6月期GDP改定値・毎月勤労統計と5年利付国債入札、9月9〜10日にECB理事会(結果発表は10日)、9月10日(木)に米PPI、9月11日(金)に日本の8月企業物価指数・米CPI・米ミシガン大学消費者態度指数が予定される(外為どっとコム、財務省)。
  • 前回「9月7日(月)は米国レイバーデーで米国市場が休場」としていた予告の当日を迎え、実際に米国の株式・債券市場が休場となった。

昨日と同じこと(継続)

  • 米10年債利回り(4.76〜4.78%程度)、JGB10年債利回り(2.907%)、独10年債(3.36%程度)、ドル円(155円台前半)は、週末の休場と本日の米国レイバーデー休場を挟み、9月4日NY・東京引け水準から更新がない。
  • 日銀の9月17〜18日会合での利上げ観測(8〜9割程度)は高止まりが継続。
  • FRBは9月5日から続くFOMC(9月15〜16日)前のブラックアウト期間中で、本日も新たな公式発言は確認できなかった。
  • 中東(イラン・ホルムズ海峡周辺)情勢に伴う地政学リスクは引き続きくすぶっており、原油供給不安・インフレ圧力要因として意識され続けている。
  • ハイイールド債(HY)のクレジットスプレッドは、前回報告した水準(ICE BofA指数で2.65%、9月3日時点)から本日時点で新たな更新は確認できていない。

要因の連続性

  • 継続要因: 日銀の利上げペース加速観測(継続)。FRB内のタカ派(ウォーシュ議長)・ハト派(ウォラー理事)の対立構図(継続)。中東情勢に伴う原油高・インフレ圧力(継続)。
  • 新規要因: ウォラー理事発言を受けたFOMC利上げ織り込みの急低下(63%程度→48〜50%程度、一部で38%台との報道も)が、市場の金利観を動かす新たな要因として明確化した。ビットコインと金の相関係数上昇(0.86程度、6年ぶり高水準)が、金利・金融政策見通しが暗号資産に波及する新たな経路として加わった。
  • 解消した要因: 前回懸念していた「強い雇用統計を受けた9月利上げ再燃による金の下落圧力」は、ウォラー発言による織り込み修正で後退したとみられる。

1. 金利サマリー

年限・指標 水準 前日比 取得時点
米2年債利回り 4.2%程度とみられる 米国休場のため更新なし 2026-09-04 NY市場引け前後
米10年債利回り 4.76〜4.78%程度 米国休場のため更新なし 2026-09-04 NY市場引け
JGB10年債利回り 2.907% 変化なし 2026-09-04 東京市場引け
独10年債(Bund) 3.36%程度 変化なし 2026-09-04
ドル円 155円台前半 変化なし 2026-09-04 NY市場引け

米2年債は正確な前日比を示す一次情報を確認できておらず、水準は複数の市場データの近似値である点に留意。米10年物価連動国債(TIPS)利回りとブレークイーブンインフレ率は、本日出典URLを伴う具体的な数値を確認できなかったため採用を見送った。 出典: Trading Economics(JGB)、Bloomberg

2. 中央銀行の動き

FRB

  • 9月5日から続くFOMC(9月15〜16日)前のブラックアウト期間中であり、本日も公式な新規発言は確認できなかった。
  • 一方、9月3日のウォラー理事(ハト派、インフレ鈍化が続けば9月据え置きを支持すると表明)の発言を受けた市場の再評価が週末にかけて進行した。CME FedWatchの25bp利上げ確率は9月4日に63.2%から49.8%へ低下、据え置き確率が50.2%まで浮上した。 出典: EBC Financial Group
  • 予測市場Polymarketでも同様の下落が確認され、直近24時間の値動きで約50%から41%へ、一時は38%台まで下落する場面があったと報じられている。ウォーシュ議長(タカ派)側の新たな発言はブラックアウト入りにより確認できていない。 出典: CRYPTO TIMES

日銀

  • 9月17〜18日会合での0.25%利上げ(政策金利1.00%→1.25%)観測は、8割超で高止まりが継続しているとみられる。 出典: Bloomberg
  • JGB10年債利回りは2.907%(9月4日時点)で、本日時点の更新は確認できていない。9月8日には5年利付国債入札が予定されており、需給動向が今週の焦点の一つになる。 出典: 財務省

ECB / BOE

  • ECBは9月9〜10日に理事会を開催し、10日に結果発表が見込まれる。預金ファシリティ金利を25bp引き上げ2.50%とする観測が引き続き優勢。ラガルド総裁は先行きの追加利上げ経路について明言を避け、選択の余地を残す姿勢を維持するとの見方が継続している。 出典: FXStreet
  • BOE(次回会合9月17日予定)について、前回から変わる新たな発言・動きは本日も確認できなかった。

3. 経済指標

  • 本日9月7日(月)は日本の7月景気先行指数(CI)が予定されている。米国はレイバーデー休場のため経済指標の発表はない。 出典: 外為どっとコム
  • 今週は9月8日(火)に日本の4〜6月期GDP改定値・毎月勤労統計、9月10日(木)に米PPI、9月11日(金)に日本の8月企業物価指数・米CPI・米ミシガン大学消費者態度指数が控える。9月11日の米CPIは9月15〜16日のFOMCにおける会合前最後の主要インフレ材料として、いつも以上に市場の反応が大きくなる可能性がある。 出典: 外為どっとコム

4. 為替

  • ドル円は9月4日のNY引け155.34円から、米国休場のため本日時点で更新がない。今週(9月7〜11日)の予想レンジは153円台後半〜159円台前半とされ、上値158円程度(25日・100日・200日移動平均線が集中する節目)、下値155.00〜155.20円程度(割り込めば154円が視野)が意識されている。 出典: 外為どっとコム
  • 今週の方向感は、米CPI・PPIが市場予想を上回ればドル買い戻しで158〜159円台への反発、インフレ鈍化が確認されればFRBの利上げ観測後退でドル売りが進み155円割れの可能性がある、との見方。日本側もGDP改定値・賃金指標が日銀の追加利上げ観測を強めるかが注目される。為替介入に関する当局の新たな発言は本日も確認できなかった。 出典: 外為どっとコム

5. 債券需給

  • 米国市場がレイバーデーで休場のため、本日は新規の入札結果・材料はなし。今週は9月8日(火)に日本の5年利付国債入札が予定されている。米国債(3年・10年・30年)の入札日程は具体的な出典を確認できておらず、判明次第フォローする。 出典: 財務省
  • クレジット市場: ハイイールド債(HY)のクレジットスプレッドは、前回報告した水準(ICE BofA指数のオプション調整後スプレッドで2.65%、9月3日時点)から本日時点で新たな更新を確認できていない。信用不安を示す明確な兆候はない。

6. 他資産への波及

金価格は9月4日、強い雇用統計による利上げ観測の再燃で一時1トロイオンス4,432.56ドル(前日比-0.92%)まで下落した後、同日中のウォラー理事発言を受けた織り込み修正で上げに転じ、4,470ドル台まで戻したとの報道がある。FOMCの利上げ観測が週末にかけて大きく低下したことで、非利付き資産である金への逆風が和らいだ形。ビットコインは金との90日相関係数が0.86程度(6年ぶり高水準)まで上昇しており、機関投資家がビットコインをテクノロジー株の代替ではなく「金融緩和・通貨価値の目減りに対するヘッジ資産」として扱う動きが強まっているとの分析がある。株式市場は米国休場のため新規材料は乏しいが、金利の利上げ観測後退はリスク資産にとって支援材料になり得る一方、日銀の利上げ観測は高止まりしたままであり、日米の金融政策の方向性の違いが今週も株・為替・金の値動きを左右する構図が続く。 出典: EBC Financial Group、KuCoin

7. 今夜の注目イベント

  • 9月7日(月)夜(日本時間)は、米国がレイバーデーで株式・債券市場とも休場のため、米国発の新規材料は見込みにくい。
  • 日本では本日、7月景気先行指数(CI)の発表が予定されている。
  • 9月8日(火)に日本の4〜6月期GDP改定値・毎月勤労統計と5年利付国債入札、9月9〜10日にECB理事会(25bp利上げ観測、結果発表は10日)、9月10日(木)に米PPI、9月11日(金)に米CPIが控える。CPIは9月15〜16日のFOMCの判断材料として特に重視されるとみられ、引き続きこれらの結果を順次フォローする。 出典: 外為どっとコム、財務省