前回からの変化
変わったこと(変化・新規)
- SECがナスダック・テキサスのルール改正を承認、4銘柄をデジタルコモディティと明記(新規): 前回までCLARITY法案の進捗が規制面の中心話題だったが、本日は別の動きとして、SECがナスダック・テキサス取引所のルール5711(d)改正(SEC命令34-106268号)を9月5日付で承認したことが判明した。コモディティ担保型信託株式向けに「デジタルコモディティ」の定義を新設し、ビットコイン・イーサリアム・ソラナ・リップルの4銘柄を要件を満たす例として明記したほか、上場基準を満たさない資産をファンドの純資産の15%まで組み入れられる余地を認めた(CoinGape)。
- Zcashの急騰が一段と加速(変化): 前回は「1,029ドルまで急伸(+20%)」だったが、本日はさらに値を伸ばし一時1,200ドル前後まで上昇した(前回値1,029ドル→当日1,200ドル、約17%の追加上昇)。9か月ぶりの高値水準で、空売りの強制決済(踏み上げ)が引き続き主因とされる(CoinMarketCap)。
- イーサリアムが下げ止まり反発(変化): 前回は2,455〜2,479ドルのレンジで軟化基調だったが、本日は2,490ドルを上回る水準まで戻し、ETF需要とFRBの利上げ観測がやや後退したとの見方が支援材料に挙げられている(この「利上げ観測後退」という捉え方は、後述するビットコイン側の「利上げ確率上昇」という論調とは温度差があり、情報源によって解釈が分かれている点に留意)(Sunday Guardian Live)。
- リップル(XRP)が上限圏まで戻す(変化): 前回は1.34〜1.45ドルのレンジだったが、本日はレンジ上限に近い1.45ドル前後まで戻している(CoinGecko)。
昨日と同じこと(継続)
- ビットコイン現物ETFへの資金流入は前回の「直近3週間で38億ドル」から継続しており、直近1週間の流入額は987百万ドルとほぼ10億ドルに迫る規模を維持している(Hokanews)。
- CLARITY法案は9月15日のクローチャー(討論終結)採決に向けた日程そのものに変化はなく、本日新たな続報は確認できなかった。
- 全米保安官協会の中立化を受けた法案の追い風という論点についても、本日新たな進展の確認はできなかった。
- イーサリアム財務会社ビットマインによるETH買い増し(65週連続、保有量は供給の4.9%)について、本日新たな続報は確認できなかった。
- 日本の金融庁による暗号資産の金商法移行に向けた制度整備について、本日新たな進展の確認はできなかった。
- MassPay Collectによるステーブルコイン建てB2B入金サービスの商用運用、DTCC経由のトークン化株式・国債(10月商業化予定)について、本日新たな続報は確認できなかった。
要因の連続性
- 継続要因: 8月の米雇用統計上振れを受けたFRBの9月利上げ観測は前回に続き相場の重しとして働いており、CME FedWatchが示す利上げ確率はおよそ58%前後で高止まりしている(CoinStats AI)。
- 新規要因: SECによるナスダック・テキサスのルール改正(デジタルコモディティの定義新設)が、本日新たに規制面の追い風要因として加わった(CoinGape)。
- 解消した要因: 前回挙げた要因のうち明確に解消したものはない(Zcashの空売り踏み上げは一巡せずむしろ拡大している)。
価格サマリー
取得時点: 日本時間2026年9月7日未明(米国9月6日日曜の取引データに基づく。相場は24時間動いており、時点により数値差がある)。
| 銘柄 | 価格(ドル建て) | 24時間騰落率 |
|---|---|---|
| ビットコイン(BTC) | 7万9,700〜8万120ドルのレンジ | 24時間ではおよそ+0.25%、7日間ではおよそ+2%弱 |
| イーサリアム(ETH) | 2,490〜2,510ドル前後 | 24時間でおよそ+1.5〜2.2%の上昇 |
| Zcash(ZEC) | 一時1,200ドル前後まで急伸(9か月ぶり高値) | 前日からさらに+15%前後 |
| ソラナ(SOL) | およそ97ドル | 7日間ではおよそ+25.5%の上昇 |
| リップル(XRP) | およそ1.45ドル前後 | レンジ上限に近い水準まで戻す |
出典: CoinStats AI、Sunday Guardian Live、CoinMarketCap
銘柄別動向
ビットコイン(BTC)
7万9,700〜8万120ドルのレンジで方向感を欠く展開が続いている。24時間の騰落率はおよそ+0.25%とほぼ横ばいだが、7日間ではおよそ2%弱の上昇となっており、8月からの反発基調自体は崩れていない。支えとなっているのは現物ETFへの資金流入で、直近1週間の流入額は987百万ドルとほぼ10億ドルに迫る規模を維持し、9月3日には1月以来最大となる単日731百万ドルの流入があった(このうちブラックロックのIBITが454百万ドルと6割強を占めた)。一方でCME FedWatchが示す9月FOMCでの利上げ確率はおよそ58%前後で高止まりしており、デリバティブ市場では前回一日で278百万ドル規模の強制決済が発生するなど、上値の重さと資金流入の強さが綱引きする構図は前回から継続している(CoinStats AI、Hokanews)。
イーサリアム(ETH)
前回の2,455〜2,479ドルのレンジから反発し、本日は2,490ドルを上回る水準まで値を戻した。現物ETFへの需要が支えになっているとの分析があるが、その背景として「FRBの利上げ観測がやや和らいだ」とする見方も示されており、ビットコイン側で語られる「利上げ確率上昇」という論調とは温度差がある。情報源による解釈の違いとして両論を併記しておく(Sunday Guardian Live)。イーサリアム財務会社ビットマインによるETH買い増し(65週連続、保有量は流通供給の4.9%)については、本日新たな続報は確認できなかった。
その他アルトコイン
- Zcash(ZEC): 前回の1,029ドルからさらに急伸し、一時1,200ドル前後まで上昇した(9か月ぶりの高値水準)。8月25日に上場したグレイスケールの現物ETF「ZCSH」への資金流入が続いており、運用資産は上場時の304百万ドルからおよそ10日間で400百万ドル超まで拡大した。空売りの強制決済(踏み上げ)は前回から一段と拡大しており、値動きの過熱を指摘する声も強い(CoinMarketCap)。
- ソラナ(SOL): およそ97ドル前後で推移し、7日間ではおよそ25.5%の大幅上昇となっている。前回言及したOpenSeaのソラナNFT取引対応再開などを受けた資金流入が背景にあるとみられる(CoinMarketCap)。
- リップル(XRP): 前回の1.34〜1.45ドルのレンジのうち上限に近い1.45ドル前後まで戻している(CoinGecko)。
強気派 vs 弱気派
強気派
- 現物ETFへの資金流入が直近1週間で987百万ドルとほぼ10億ドルに迫り、9月3日には1月以来最大の単日流入(731百万ドル)を記録したことについて、機関投資家需要の底堅さを示す証左だとの見方が引き続き示されている(Hokanews)。
- ビットワイズの最高投資責任者マット・ホーガン氏は、2026年サイクルにおける20万ドルの目標値を維持しており、現物ETFへの資金流入と企業による財務戦略としての買い増しが、月々の変動があっても長期的な需給を引き締め続けるとの見方を示している(FinanceFeeds)。
- SECがナスダック・テキサスのルール改正を承認し、ビットコイン・イーサリアム・ソラナ・リップルをデジタルコモディティの例として明記したことについて、暗号資産ETF商品の枠組みが拡大し、資産運用会社が商品設計の柔軟性を得られる規制上の前進だとの受け止めが示されている(CoinGape)。
出典: Hokanews、FinanceFeeds、CoinGape
弱気派
- CME FedWatchが示す9月FOMCでの利上げ確率がおよそ58%前後まで上昇していることについて、無リスク資産である国債の魅力が増し、暗号資産のような非金利資産を保有する説得力が下がるとの分析が引き続き示されている(CoinStats AI)。
- アナリストのベンジャミン・コーウェン氏は、2026年内に新安値をつける可能性を相応に見込んでおり、10月をサイクル底値形成の基本シナリオに据えている(FinanceFeeds)。
- 9月は2013年以降平均で約3%下落するというアノマリーがあることに加え、オプション市場では行使価格7万3,000ドル近辺にプット偏重のポジションが積み上がっており(いわゆるmaxペイン水準)、上値を抑える要因になっているとの指摘がある(FinanceFeeds)。
社会実装ニュース
本日新たに確認できた実導入段階(本番運用)の社会実装ニュースは見当たらなかった。前回既報のMassPay Collect(法人向けステーブルコイン入金サービスの商用運用)、DTCC経由のトークン化株式・国債(10月に商業フル稼働予定のパイロット)、いずれについても本日新たな続報は確認できなかった。
規制面では、SECがナスダック・テキサス取引所のルール改正を承認し、ビットコイン・イーサリアム・ソラナ・リップルをコモディティ担保型信託株式の要件を満たす「デジタルコモディティ」の例として明記した。これは実利用そのものではないが、機関投資家向けの暗号資産商品の受け皿が制度面で広がったという点で、実装の土台整備として位置づけられる(CoinGape)。
法改正・規制ニュース
米国
SEC(証券取引委員会)は9月5日付で、ナスダック・テキサス取引所のルール5711(d)(コモディティ担保型信託株式)の改正を承認した(SEC命令34-106268号)。改正では「デジタルコモディティ」の定義が新設され、ビットコイン・イーサリアム・ソラナ・リップルの4銘柄が、この取引所の上場基準を満たす例として明記された。また、上場時点で厳格な基準を満たさない資産についても、ファンドの純資産価値(NAV)の15%を上限に組み入れを認める内容となっており、資産運用会社が複数銘柄型の暗号資産ファンドを設計しやすくなる。これは特定の銘柄を連邦法上「コモディティ」と恒久的に定義するものではなく、あくまで取引所の上場基準に関する解釈である点には留意が必要である(CoinGape)。
前回既報のCLARITY法案(暗号資産市場構造法案)は、上院で9月15日に討論終結(クローチャー)の手続き採決が予定されたまま日程に変化はなく、本日新たな続報は確認できなかった。
日本
前回既報の金融庁による暗号資産の金融商品取引法(金商法)移行に向けた制度整備について、本日新たな進展の確認はできなかった。
テクニカル分析
ビットコイン(BTC)
RSI(14日)はおよそ53と中立圏で推移しており、前回の「48・中立圏に転じた」からほぼ横ばいの水準にある。移動平均線は5日線(およそ7万9,870ドル)・50日線(およそ7万9,828ドル)を含め、短期から長期まで軒並み「買い」を示しており、集計上は12本の移動平均すべてが買いシグナルとされる「強い買い」の状態にある。もっとも価格自体は7万8,400〜7万8,600ドル圏の支持ラインと8万1,000〜8万2,000ドル圏の抵抗ラインの間で膠着しており、移動平均のシグナルが強気でも実際の値動きは方向感を欠いている点には注意が必要である。センチメントを示すFear & Greedインデックスは73と「グリード」圏を維持している(Investing.com、Alternative.me)。
イーサリアム(ETH)
直近のサポートは週足の重要な節目とされる2,438ドル(フィボナッチ0.618戻し水準)、レジスタンスは2,530ドル前後(週足50週移動平均が位置する2,542ドル近辺が上値の壁)とされる。2,438ドルを維持できれば9月中に2,920ドル前後(現在値からおよそ19%上)を目指す強気シナリオも見込めるとされる一方、この水準を割り込むと2,220ドル、さらに心理的節目の2,000ドルまで下押しリスクが高まるとの解説がある。RSIはおよそ64と中立圏にあり、買われすぎには至っていない(Sunday Guardian Live)。
業界トピック
- Zcashの急騰継続は本日も業界内の資金シフトを象徴する動きとなっており、グレイスケールの現物ETF「ZCSH」への資金流入と空売りの強制決済が相互に増幅し合う展開が続いている。詳細は上記「銘柄別動向」に記載した(CoinMarketCap)。
- 大きなハッキング・詐欺事件の新規発生は、本日確認できる範囲では見当たらなかった。
- SECによるナスダック・テキサスのルール改正は、暗号資産ETF業界にとって商品設計の自由度を広げる制度変更として、業界内で前向きに受け止められている(CoinGape)。

