前回からの変化

変わったこと(変化・新規)

  • 米10年債利回りが9月18日終値の5.00〜5.02%程度から、9月21日には4.953%まで低下し、高止まりが一服した(前回値→当日値、みんかぶ FX/為替)。
  • 日銀の9月18日利上げ採決で審議委員2人が反対票を投じていたことが明らかになり、この分裂が円安圧力の一因になっているとの見方が伝えられた(新規、Yahoo!ニュース(共同通信))。
  • 植田総裁が会見で「政策の局面が変化した」と述べ、連続利上げや0.25%を超える利上げ幅も「排除しない」との考えを示した一方、急激な引き締めによる資産価格の大幅調整は避ける必要があるとも語ったことが判明した(新規、日本経済新聞、みんかぶ FX/為替)。
  • ドル円は前回の156.85円前後から157.41円前後へ、半日強でおよそ0.56円の円安が進んだ(前回値→当日値、信濃毎日新聞デジタル)。

昨日と同じこと(継続)

  • 10月FOMCでの追加利上げ織り込みは50%台前半(9月18日時点53.9%)にとどまり、前回のレンジ(40.1〜59.5%)内での推移で、方向感の大きな変化はない(Central Bank Watch)。
  • 独仏10年債スプレッドは100bp前後(9月18日時点)で、2012年以来の水準を維持しているとみられ、フランスの財政・政治リスクという背景も変わっていない。
  • 日本は9月19日から23日までのシルバーウィークが続き、22日も祝日法上の「国民の休日」に当たるため、東京証券取引所・JGB市場とも休場となる。
  • 米中は24日の首脳会談に向けた閣僚級協議の延長線上にあり、貿易休戦の扱い・AI安全性・重要鉱物が引き続き論点である。

要因の連続性

  • 継続要因: FRBの年内追加利上げ観測とウォーシュ議長のタカ派姿勢、フランスの財政・政治リスクを背景とした独仏スプレッドの高止まり、24日の米中首脳会談を控えた地政学的な思惑。
  • 新規要因: 日銀の利上げ採決における審議委員2人の反対票が円安圧力として新たに意識され始めたこと、中東情勢の緊張緩和観測(原油安)を受けたリスク選好の広がり。
  • 解消した要因: 特になし。前回からの継続要因に新規要因が上乗せされる形になっている。

1. 金利サマリー

対象 水準(取得時点) 前回比 主な変動要因
米2年債 4.718%(9/21 NY朝、日本時間21:27) 前回(9/18終値4.743%)比 -2.5bp 長期金利の低下に歩調を合わせた小幅低下
米10年債 4.953%(同上) 前回(9/18終値5.00〜5.02%程度)比 -5bp程度 株高・原油安によるリスク選好、高止まりの一服
JGB10年債 2.985%(9/18終値、休場継続で更新なし) 前回比変わらず シルバーウィーク+国民の休日で9/22も休場
独10年債(Bund) 3.502%(9/18時点、新規データなし) 前回比変わらず 仏財政不安を背景とした独仏スプレッド拡大が高止まり継続とみられる
ドル円 157.41〜157.42円(9/22 02:00頃、日本時間) 前回(156.85円前後)比 +0.56円の円安 日銀採決の反対2票による円安圧力、株高によるリスク選好

米国債は週明けの株高・リスク選好を受けて利回りがやや低下し、高止まりが一服した。日本国債(JGB)は「国民の休日」でこの日も取引が止まっている(みんかぶ FX/為替)。

2. 中央銀行の動き

FRB

9月15〜16日のFOMCで決定した0.25%利上げ(3.75〜4.00%)後の市場消化が続く。CME先物データをもとに集計するCentral Bank Watchによれば、10月28日のFOMCで追加25bp利上げが行われる確率は9月18日時点で53.9%となっており、前回レポート時点の40.1%(KuCoin集計)〜59.5%(Bitget集計)のレンジ内にとどまる。決定済みの事実ではなく、あくまで観測段階である点は変わらない(Central Bank Watch)。

日銀

9月18日の金融政策決定会合で、無担保コール翌日物金利の誘導目標を1.00%程度から1.25%程度へ引き上げる決定が下された。採決では9人中7対2で、審議委員2人が利上げに反対したことが明らかになっている(Yahoo!ニュース(共同通信))。植田総裁は記者会見で「政策の局面が変化した」との認識を示し、基調的な物価上昇率が2%におおむね近づいたことを踏まえ、今後は物価の上振れリスクへの対応に軸足が移るとの考えを述べた(日本経済新聞)。連続利上げや0.25%を超える利上げ幅の可能性について「物価情勢次第で特定のやり方を排除せず」とタカ派的な含みを持たせる一方、「急激に利上げして資産価格の大幅な調整を招くのは避ける必要がある」とも語り、拙速な引き締めには慎重な姿勢もあわせて示した(みんかぶ FX/為替)。市場では、この採決の分裂(反対2票)がハト派的なシグナルと受け止められ、9月18日以降の円安圧力の一因になっているとの見方がある。

ECB・BOE・その他

独10年債(Bund)利回り3.502%、仏10年債利回り4.502%(ともに9月18日時点)で、スプレッドは100bp前後・2012年以来の水準を維持しているとみられるが、週明け以降の新規データは確認できなかった。フランスの財政赤字・予算審議の難航、少数与党という政治的な不安定さが背景である点は前回から変わっていない。ECBは9月10日の会合で中銀預金金利を0.25%引き上げ2.5%としており(既報)、中東情勢に伴うエネルギー価格の高騰を理由にインフレの長期化リスクを指摘している。BOEについて新たな発言・決定は確認できなかった。

3. 経済指標

9月19日から22日にかけて、米国・日本とも金利観を大きく動かす大型指標の新規発表は確認できなかった。日本はシルバーウィーク・国民の休日で統計公表・市場とも実質的に休止状態が続いている。米国の次の大型指標(PCEデフレーターなど)は今週後半以降の発表を待つ状況である。

4. 為替

ドル円は9月22日午前2時(日本時間)時点で157円41〜42銭となり、前日比0円07銭の円安ドル高となった。ユーロ円は180円56〜57銭(前日比0円31銭のユーロ高)(信濃毎日新聞デジタル)。前回レポート時点(9月21日朝、156.85円前後)と比べると、半日強でおよそ0.56円の円安が進んだ計算になる。背景には、9月18日の日銀利上げ採決で審議委員2人が反対したことがハト派的に受け止められている面と、後述する株高・リスク選好の広がりがある。為替介入に関する新たな当局者発言・実弾介入の観測は本日時点でも確認できない。

5. 債券需給

米財務省は9月22日(火)に2年債(690億ドル)の入札を予定しており、23日に5年債(700億ドル)と2年変動利付債(280億ドル)、24日に7年債(440億ドル)の入札が続く(みんかぶ FX/為替)。22日の入札結果は米国時間の取引終了後に判明するため、本レポート時点では未判明で、次回フォローする。日本国債(JGB)市場は9月23日まで祝日・休日が続き、22日も「国民の休日」で東京証券取引所・JGB市場とも休場となる。クレジット市場(ハイイールド・投資適格スプレッド)について新規データは確認できず、前回時点の水準(HYおよそ270〜280bp、IGおよそ80bp前後)から大きな変化はないとみられる。

6. 他資産への波及

米国株は9月21日朝の取引でダウ平均が前日比224.72ドル高(+0.43%)、ナスダック総合が同205.00ポイント高(+0.77%)と続伸し、長期金利の低下とAI関連株への買いが支えとなった(みんかぶ FX/為替)。暗号資産は、中東情勢の緊張緩和観測に伴う原油先物の下落と、24日の米中首脳会談への期待を受けてリスク選好が広がり、ビットコインは9月21日時点でおよそ8万7000ドルまで上昇(24時間で7.21%高)し、7カ月超ぶりの高値を付けた(CoinDesk)。金は1月につけた高値からの調整局面が続き、国内小売価格は2万円台での値固めとなっているとみられる。独仏スプレッド拡大に伴う欧州政治リスクへの警戒は、なお安全資産としての金需要を下支えする材料として意識されている。

7. 今夜の注目イベント

  • 米2年債入札(690億ドル、22日)の結果が判明する見込み(みんかぶ FX/為替)。
  • 23日: 米5年債(700億ドル)・2年変動利付債(280億ドル)の入札。日本は秋分の日で休場が継続する。
  • 24日: ワシントンでトランプ大統領と習近平国家主席による米中首脳会談、米7年債(440億ドル)の入札が予定される(Yahoo!ニュース(共同通信))。
  • 日本市場(東証・JGB)は23日まで休場が続き、24日の取引再開後の反応に注目が集まる。