前回からの変化
変わったこと(変化・新規)
- ドイツ10年債(Bund)利回り3.502%とフランス10年債利回り4.502%の差(スプレッド)が100bpに拡大し、2012年7月以来の最大水準となったことが新たに判明した。フランスの財政赤字とそれに伴う予算審議の難航、少数与党という政治的な不安定さが背景として指摘されている(新規、みんかぶ FX/為替)。
- CME集計の10月FOMCでの追加利上げ織り込み確率について、前回レポート(9/19)時点の53.1%から、週末にかけての集計では40.1%まで後退したとする集計がある一方、なお57.6%前後との集計も見られ、集計元・取得時点によるばらつきが一段と大きくなっていることが新たに判明した(新規・観測、KuCoin、Bitget News)。
- 原油はサウジアラビアの東西パイプライン復旧見通しを受けて3営業日連続で下落し、WTIは100.04ドル(前日比-1.84%)、ブレントは102.41ドル(同-2.30%)となったことが新たに確認できた。なお高水準ではあるものの、インフレ観測の後退につながっているとみられる(新規、詳細は
commodityカテゴリ参照)。 - 金は1トロイオンス4,380.01ドル(前日比+0.77%、週間+0.73%)、銀は66.35ドル(同+1.41%)まで上昇したことが新たに判明した(新規、同上)。
- ドルインデックス(DXY)は週間+1.1%の100.215、ユーロドルは週間-1.01%の1.1483、ドル円は週間-2.15%の156.85円と、いずれも週間ベースでの変化幅が新たに確認できた(新規、同上)。
- 日本は9月19日(土)から23日(水)まで「シルバーウィーク」の5連休(敬老の日・国民の休日・秋分の日)に入り、東京証券取引所およびJGB市場は期間中休場となることが確定した。11年ぶりとなる大型連休で、流動性の低下による値動きの振れやすさが指摘されている(新規、祝日カレンダー)。
昨日と同じこと(継続)
- 米10年債利回りは5%近辺(9/18時点で5.00〜5.02%程度)での高止まりが続いており、2007年以来の高水準圏を維持している状況は前回から変わっていない。
- FRBが年内さらに1回の追加利上げを示唆しているという構図(ドットプロット)、およびウォーシュ議長のジャクソンホール講演以来のタカ派姿勢は前回に続き変わっていない。
- 為替介入について、財務省・日銀による実弾介入の新たな確認情報は本日時点でも無い(継続)。
- 米・日ともに国債の新規入札・オペの発表は週末のため無く、水準は9/18終値を引き継いでいる(継続)。
要因の連続性
- 継続要因: FRBの年内追加利上げ観測とウォーシュ議長のタカ派姿勢、米長期金利の高止まり(財政・国債増発観測)。
- 新規要因: フランスの財政・政治リスクを背景とした独仏スプレッドの拡大(2012年以来の水準)、原油の3営業日続落(WTI100ドル台)によるインフレ懸念の後退。
- 解消した要因: 前回新規に急上昇した10月FOMC利上げ確率(44%→53.1%)は、週末にかけて集計元によっては40%台まで後退し、急上昇の勢いはいったん一服した。
1. 金利サマリー
| 対象 | 水準(取得時点) | 前回比 | 主な変動要因 |
|---|---|---|---|
| 米2年債 | 4.743%(9/18終値、週末変動なし) | 前回と同水準 | 週末のため9/18終値を維持 |
| 米10年債 | 5.00〜5.02%程度(9/18終値) | 前回(9/18、5.004%)からほぼ横ばい | 財政・国債増発観測、FRBの追加利上げ観測 |
| JGB10年債 | 2.985%(9/18終値、9/19〜23休場) | 前回と同水準 | シルバーウィーク入りで新規の値動きなし |
| 独10年債(Bund) | 3.502%(9/18) | 前回とほぼ横ばい | ECBの年内追加利上げ織り込み(およそ5割) |
| 仏10年債 | 4.502%(9/18) | 独仏差100bpへ拡大(新規把握) | 財政赤字・予算審議難航、少数与党の政治リスク |
米国債は財政・インフレ観測を映して5%近辺の高止まりが続く一方、日本国債はシルバーウィーク入りで取引自体が止まっている。欧州では独仏のスプレッド拡大という新しい論点が浮上した(みんかぶ FX/為替、Rio Times)。
2. 中央銀行の動き
FRB
9月16日に決定した0.25%利上げ(3.75〜4.00%)を受けた市場の消化が続いている。ウォーシュ議長は8月28日のジャクソンホール講演で「ディスインフレの進捗は十分でなく、成長・雇用が底堅く金融環境も緩い以上、金利を高めに維持し、必要ならさらに引き上げる」との趣旨を述べており、このタカ派姿勢が現在も市場の前提として引き継がれている(FRB)。10月FOMCでの追加利上げ織り込みは、前回レポート時点の53.1%から、週末の集計では40.1%まで後退したとする集計がある一方、57.6%前後とする集計もあり、決定済みの事実ではなく観測段階にとどまる(KuCoin、Bitget News)。
日銀
9月18日に決定した政策金利1.00%→1.25%への引き上げ後、週末は新たな高官発言・追加情報は確認できなかった。国内はシルバーウィーク入りしており、次回以降の動向は連休明けにフォローする。
ECB・BOE・その他
独10年債(Bund)利回りは3.502%、仏10年債利回りは4.502%となり、両者のスプレッドは100bpへ拡大して2012年7月以来の最大水準となった。フランスの財政赤字と予算審議の難航、少数与党という政治的な不安定さが背景として指摘されている(みんかぶ FX/為替)。ECBの政策金利は12月時点でおよそ2.9%弱と織り込まれており、年内追加利上げ確率はおよそ5割とする見方が前回に続き示されている。BOEについて、週末の新たな発言・決定は確認できなかった。
3. 経済指標
週末のため新規の大型指標発表はなかった。来週の経済指標日程(米PMI等)はweek_aheadカテゴリで扱う。
4. 為替
ドル円は週間ベースで2.15%円安となる156.85円で週を終えた。ドルインデックス(DXY)は週間+1.1%の100.215、ユーロドルは週間-1.01%の1.1483となり、FRBの利上げ・タカ派姿勢を背景としたドル全体の底堅さが続いている(Rio Times)。外為どっとコムは、来週(9/21週)のドル円について、日米の金融政策イベント通過後の余波を見極める展開になるとし、153.00〜158.00円のレンジを想定するとともに、日本のシルバーウィーク入りによる薄商いが想定以上の変動を招く可能性を指摘している(外為どっとコム)。為替介入に関する新たな当局者発言・実弾介入の観測は本日時点でも確認できない。
5. 債券需給
週末のため米国債・JGBとも新規の入札実施はなかった。日本国債(JGB)市場は9月19日(土)から23日(水)までのシルバーウィーク入りで休場となっており、連休明けの9月24日以降に取引が再開される(祝日カレンダー)。欧州では、フランスの財政不安を背景に仏国債への売り圧力が意識されており、独仏スプレッドの一段の拡大が続くかが次の焦点となる。ハイイールド・投資適格のクレジットスプレッドについて、週末の新規データは確認できなかったため、前回時点の水準(HYおよそ270〜280bp、IGおよそ80bp前後)から大きな変化はないとみられる。
6. 他資産への波及
米国株は9/18終値からの週末休場で値動きはないが、S&P500・ナスダック総合は堅調、ダウは週間で軟調という前回までの構図を引き継いでいる(詳細はus_stockカテゴリ参照)。金(4,380.01ドル)・銀(66.35ドル)はいずれも上昇し、独仏スプレッド拡大に伴う欧州政治リスクへの警戒や、原油安によるインフレ懸念の後退が安全資産・貴金属への資金流入を支えた可能性がある。原油(WTI 100.04ドル、ブレント102.41ドル)の3営業日続落は、インフレ観測を通じて金利観全般の重荷を和らげる方向に働く(詳細はcommodityカテゴリ参照)。暗号資産への直接的な波及は限定的とみられる(詳細はcryptoカテゴリ参照)。
7. 今夜の注目イベント
日本は9/21(月・敬老の日)から23(水・秋分の日)までシルバーウィークが続き、東京市場・JGB市場は休場となる。米国市場は月曜から通常取引に戻り、週明け以降のFRB高官発言・経済指標が10月FOMCの利上げ織り込みを左右する材料として注目される。なお、米財務長官ベッセント氏と中国の何立峰副首相らによる通商協議がニューヨークで週末に予定されており、9月24日の米中首脳会談を控えたリスク心理への影響はchina_stockカテゴリで詳しく扱う。
