前回からの変化

変わったこと(変化・新規)

  • テスラが公道投入した無人型ロボタクシー「サイバーキャブ」(ハンドル・ペダルなし)について、NHTSA(米運輸当局)がオースティンでの稼働開始からわずか1日で連邦自動車安全基準への適合性を検証する調査(Audit Query)を開始した(TechCrunch)(新規)。
  • オープンAIが新モデル「GPT-6アストラ」を発表し、共同創業者のグレッグ・ブロックマン氏が「AGI(汎用人工知能)時代の到来」と宣言した(VentureBeat)。100万トークンあたり10〜50ドルという価格設定は、演算需要の押し上げ要因としてエヌビディアやマイクロソフトに追い風となる一方、アドビやセールスフォースなど業務ソフト各社への競合圧力になるとの見方が出ている(新規)。
  • 弱気派に新たな論者が加わった。ランス・ロバーツ氏(リアル・インベストメント・アドバイス)は来週の相場について防御的なポジションを推奨し、根拠として9月が過去100年で最も軟調な月であること、自社株買いが9月12日前後から禁止期間入りすること、MACDがシグナルラインを下回り値幅の広がりが悪化している点(11セクター中7セクターが下落)を挙げた(新規)。
  • 強気派にも新たな論者が加わった。ブラックロック・インベストメント・インスティテュートは9月も「リスクオン」の姿勢を維持し、電力・チップ・データセンターなどAI関連インフラの供給制約(希少性)が価値を生んでいるとして米国株を「オーバーウェイト」、強い企業利益が金利上昇観測を上回っているとの見方を示した(新規)。
  • 個人投資家心理(AAII調査)の強気・弱気スプレッドが、前週のマイナス11.5%からプラス2.1%へ1週間で大きく改善したことが判明した(ランス・ロバーツ氏の週間レポート)(新規)。
  • 前回「ルルレモンの急落」とだけ触れていた要因の内容が判明した。ルルレモンは通期売上高見通しを再度引き下げ、第2四半期売上高が前年比4%減、既存店売上高は9%減と発表し、株価は17〜18%急落した(The Motley Fool)(継続・具体化)。
  • 為替について、前回は「ドル円155円近辺」と概算で記載したが、正確には9月4日引け時点で155.65〜156.23円のレンジまでドル高・円安が進んでいたことが判明した(継続・具体化)。
  • アップルはiPhone17シリーズの需要が非常に強く、一部モデルで供給制約が生じるほどの記録的な機種変更数を記録したとティム・クックCEOが明らかにした(新規)。
  • エヌビディアの時価総額はおよそ5兆5,600億ドルで世界首位を独走しており、マグニフィセント7への資金集中というAI関連の構造的リスクを裏付ける具体的な数値が判明した(継続・具体化)。

昨日と同じこと(継続)

  • 主要3指数の水準は前回(9/4引け値の据え置き表示)からまったく変わっていない: S&P500は7,718.60ドル、ナスダック100は29,544.16ドル、NYダウは53,414.25ドル。9月5日(土)・6日(日)の週末に続き、9月7日(月)は予告どおりレイバーデーで株式・債券市場とも休場となった。
  • テクニカル配置も前回と同一で、NYダウのみ200日移動平均線を下回る形が継続。VIXは14.32前後、Fear & Greed指数は42前後(「恐怖」ゾーン)で、いずれも前回とほぼ同水準。
  • ホルムズ海峡を巡る地政学リスクと中東情勢の緊張は継続。
  • 強気派のトム・リー氏(ファンドストラト)、ダン・アイブス氏(ウェドブッシュ)、ライアン・デトリック氏(カーソン・グループ)、アジェン・オデン氏(JPモルガン・チェース・ウェルス・マネジメント)の楽観論、弱気派のジェイソン・ハンター氏・アンドリュー・タイラー氏(JPモルガン)、ポール・シアナ氏(バンク・オブ・アメリカ)、ウェルズ・ファーゴの警戒論はいずれも継続。
  • 8月雇用統計を受けた9月FOMCでの利上げ確率上昇(58%前後)という材料も継続して意識されている。FRBの沈黙期間(9月5日〜9月15・16日のFOMCまで)も継続中。

要因の連続性

  • 継続要因: 強い雇用統計を受けた利上げ観測の高まり、ホルムズ海峡の地政学リスク、マグニフィセント7への資金集中というAI関連の構造的リスク、FRBの沈黙期間はいずれも継続。
  • 新規要因: (1) テスラ「サイバーキャブ」への安全調査開始、(2) オープンAI「GPT-6アストラ」発表とAI関連株への評価分岐、(3) ランス・ロバーツ氏による季節性・自社株買い禁止期間・テクニカル悪化を根拠とした弱気論、(4) ブラックロックによるAIインフラの「希少性」を根拠とした強気論、(5) AAII個人投資家心理の急改善。
  • 解消した要因: 特になし。休場のため相場を直接動かす新規のファンダメンタルズ材料(取引自体)は発生していないが、材料面では上記の新規要因が積み上がった。

1. 市況サマリー

指数 終値 前日比 騰落率
S&P500 7,718.60ドル 0.00ドル(休場) 0.0%(変化なし)
ナスダック100 29,544.16ドル 0.00ドル(休場) 0.0%(変化なし)
NYダウ 53,414.25ドル 0.00ドル(休場) 0.0%(変化なし)

(取得時点: 2026-09-04(金)米国市場引け値を継続表示。9/5(土)・9/6(日)は週末、9/7(月)はレイバーデーで米国株式・債券市場とも休場のため新規の取引はない。次回取引は9/8(火)から。 なお直近の実取引日である9/4(金)は、強い雇用統計を受けた長期金利上昇により3指数そろって下落しており、NYダウが271.86ポイント(0.51%)安と下げが最大、S&P500は0.38%安だった。 出典: The Motley Fool)

2. 指数別動向

S&P500

7,718.60ドルのまま休場入り。直近の実取引日(9/4)は0.38%安。リアル・インベストメント・アドバイスによれば、終値は過去最高値(7,796ドル前後)からおよそ1%低い水準にあり、上昇トレンド自体は保たれているものの、市場の値幅の広がり(11セクター中7セクターが下落)が悪化している点が弱気材料として指摘されている。

ナスダック100

29,544.16ドルで休場入り。同日のナスダック総合指数は0.29%安と小幅な下げにとどまったが、VentureBeatが報じたオープンAI「GPT-6アストラ」の発表は、演算需要を通じてエヌビディアなど半導体・AIインフラ関連銘柄への追い風として意識されており、マグニフィセント7への資金集中というナスダック指数全体の脆弱性は変わらず続いている。

NYダウ

53,414.25ドルで休場入り。直近の実取引日(9/4)は271.86ポイント(0.51%)安と3指数の中で最大の下げとなった。200日移動平均線割れの配置は変わらず継続しており、ルルレモンの通期見通し下方修正による17〜18%急落(The Motley Fool)など消費関連銘柄の弱さが引き続き重しとなっている。

3. 強気派 vs 弱気派

個人投資家心理を示すAAII調査の強気・弱気スプレッドは、前週のマイナス11.5%からプラス2.1%へ1週間でおよそ14ポイント改善しており、市場参加者の見方が振れやすい局面にあることがうかがえる(リアル・インベストメント・アドバイス)。

強気派(ブル)

  • ブラックロック・インベストメント・インスティテュート: 9月も「リスクオン」の姿勢を継続し、米国株を「オーバーウェイト」と表明。電力・チップ・データセンターなどAIインフラの供給制約(希少性)が価値を生んでおり、企業利益の強さが金利上昇観測を上回っていると指摘した(新規)(BlackRock)。
  • アジェン・オデン氏(JPモルガン・チェース・ウェルス・マネジメント)の「9月ジンクスや迷信は無視すべき」との見方は継続。
  • トム・リー氏(ファンドストラト)、ダン・アイブス氏(ウェドブッシュ)、ライアン・デトリック氏(カーソン・グループ)の楽観論も継続。

弱気派(ベア)

  • ランス・ロバーツ氏(リアル・インベストメント・アドバイス): 来週の相場に防御的なポジションを推奨。9月は過去100年で最もマイナスの多い月であること、自社株買いが9月12日前後から禁止期間入りすること、MACDがシグナルラインを下回り市場の値幅の広がりが悪化している点(11セクター中7セクターが下落)を根拠に挙げた(新規)(Real Investment Advice)。
  • ジェイソン・ハンター氏(JPモルガン)の「AI関連株の値動きはドットコムバブル崩壊前夜に似ている」との警告、ウェルズ・ファーゴのアナリストチームの慎重姿勢は継続。
  • アンドリュー・タイラー氏(JPモルガン・チェース)、ポール・シアナ氏(バンク・オブ・アメリカ)の警戒論も継続。

4. 経済ニュース

経済指標

  • 前回報告した8月雇用統計(非農業部門雇用者数16万2,000人増、市場予想の3倍近く)の内容に変わりはなく、市場は依然としてこれを消化中。
  • 来週の経済指標日程はあらためて確認された。TradingKeyによれば、9月10日(木)にPPI(卸売物価指数)、9月11日(金)にCPI(消費者物価指数)が発表される。

政策

  • FRBの高官発言が禁じられる「沈黙期間」(9月5日〜9月15・16日のFOMCまで)が継続中。強い雇用統計を受けた利上げ観測(58%前後)は据え置かれたまま、来週のインフレ指標の結果が最終判断の材料になる見通し。

注目された個別銘柄・決算

  • テスラ: 無人型ロボタクシー「サイバーキャブ」(ハンドル・ペダルなし、約1,000台)をオースティンで稼働開始した翌日、NHTSAが連邦自動車安全基準への適合性を検証する調査を開始した(TechCrunch)。
  • オープンAI(非上場、関連銘柄に波及): 新モデル「GPT-6アストラ」を発表し「AGI時代の到来」を宣言。100万トークンあたり10〜50ドルの価格設定は、エヌビディア・マイクロソフトへの演算需要押し上げ材料である一方、アドビ・セールスフォースなど業務ソフト各社への競合圧力になるとの見方が出ている(VentureBeat)。
  • ルルレモン: 通期売上高見通しを再度引き下げ、第2四半期売上高が前年比4%減・既存店売上高9%減となったことを受け株価は17〜18%急落した(The Motley Fool)。
  • エヌビディア: 時価総額がおよそ5兆5,600億ドルに達し、世界時価総額首位を独走。マグニフィセント7への資金集中という構造的リスクの大きさを裏付ける数値として引き続き注目されている。
  • アップル: ティム・クックCEOがiPhone17シリーズの機種変更数が記録的な水準に達し、一部モデルで供給制約が生じていると明らかにした。
  • 今週はオラクル、アドビの決算発表も予定されており、AIインフラ需要とソフトウェア各社への影響を見極める材料として注目される(TradingKey)。

5. 金利・為替が株に効いた分

米長期金利(10年債利回り)は9月4日終値時点でおよそ4.78%と、前回からほぼ横ばいで休場入りした。強い雇用統計を受けた金利上昇が続いており、来週のPPI・CPI次第で再び動意づく可能性がある。ドル円は9月4日に155.65〜156.23円のレンジで推移し、雇用統計後のドル高・円安がやや進行した(前回は155円近辺と概算で記載)。ドル高はグロース株の割高感やドル建て収益の目減りを通じて多国籍企業の業績見通しに影響しうる材料として意識されている。

6. テクニカル分析

S&P500

50日移動平均線(7,697.90前後)・200日移動平均線(7,674.57前後)をいずれも上回る配置を維持したまま休場入り。RSI(14日)は54.1の中立圏で変化なし。支持線7,710ドル前後・レジスタンス7,722ドル前後の目安も据え置き(Investing.com)。

ナスダック100

50日線(29,370.64前後)・200日線(29,275.86前後)をいずれも上回る配置を維持。RSI(14日)は58.6でやや買われ気味の水準のまま変化なし。支持線29,464ドル前後・レジスタンス29,531ドル前後も据え置き(Investing.com)。

NYダウ

50日線(53,302.88前後)は上回るものの200日線(53,560.57前後)を下回る配置のまま変化なし。RSI(14日)は52.2の中立圏。支持線53,384ドル前後・レジスタンス53,439ドル前後も据え置き。3指数のうちNYダウのみテクニカル面の弱さが残っている状態が続く(Investing.com)。

センチメント指標(補助)

  • VIX(恐怖指数): 14.32前後で前回からほぼ横ばい。落ち着いた水準を維持している。
  • Fear & Greed Index: 42前後で「恐怖」ゾーンに変化なし(CNN)。
  • AAII個人投資家心理: 強気・弱気スプレッドが前週のマイナス11.5%からプラス2.1%へ改善し、投資家心理が短期間で振れやすくなっている点は補助的な注目材料(Real Investment Advice)。

7. 今夜の注目イベント

  • 9月7日(月)はレイバーデーで米国株式・債券市場とも休場。経済指標の発表も予定されていない。次回取引は9月8日(火)から。
  • 来週最大の焦点は9月10日(木)のPPI、9月11日(金)のCPI。コアCPIの結果次第で9月FOMC(9/15〜16)の利上げ確率(現在58%前後)が大きく振れるとみられている(TradingKey)。
  • 今週はオラクル、アドビの決算発表も予定され、AIインフラ需要とソフトウェア企業への競合圧力という両面から注目される。
  • FRBは9月5日から沈黙期間入りしており、FOMCまで高官発言は聞かれない見通し。