前回からの変化

変わったこと(変化・新規)

  • FRBは9月5日(土)からFOMC(9月15〜16日)を控えたブラックアウト期間(要人の対外発言自粛期間)に入った。これにより、前回レポートで対照的だったウォーシュ議長(タカ派寄り)とウォラー理事(ハト派寄り)の発言合戦は、会合当日まで新たな材料が出ない状態になった。 出典: Kiplinger
  • 日銀の9月17〜18日会合での0.25%利上げ観測について、前回は「OIS市場で高水準のまま高止まり」という定性的な表現にとどまっていたが、9月4日付の報道で市場の織り込みが具体的に8割程度に達していることを確認した。数値として前回からの高止まりが裏付けられた形。 出典: ダイヤモンド・オンライン
  • 前回「確認できなかった」としていたハイイールド債(HY)のクレジットスプレッドについて、ICE BofA指数(オプション調整後スプレッド)が9月3日時点で2.65%であることを確認した。前年同期比では縮小方向で、信用不安を示す明確な兆候はない。 出典: govspending.org(FRED系列)
  • ECBの9月10日理事会について、前回は「25bp利上げ観測が優勢」との言及にとどまっていたが、プレビュー記事により到達水準(預金ファシリティ金利2.50%)が市場コンセンサスとして具体化していることを確認した。ラガルド総裁は先行きの追加利上げについて明言を避け、選択の余地を残す姿勢を維持するとの見方。 出典: FXStreet
  • 来週の重要日程がより具体化した: 9月8日に日本の4〜6月期GDP改定値発表と5年債入札、9月10日に米PPIとECB理事会、9月11日に米CPI、9月15〜16日にFOMC、9月17〜18日に日銀会合が控える。前回「来週は重要イベントが連続する」としていた内容の日程が明確になった。 出典: 外為どっとコム、Kiplinger

昨日と同じこと(継続)

  • 9月5日(土)・6日(日)は日米欧とも市場休場で新規の取引材料がなく、米10年債利回り(4.78%程度)、JGB10年債利回り(2.907%)、独10年債(3.36%程度)、ドル円(155.34円)は前回レポート時点(9月4日NY引け)の水準からの変化がない。
  • FRB内のタカ派(ウォーシュ議長)とハト派(ウォラー理事)の綱引き構図は継続。9月FOMCでの利上げ観測は前回同様、6割前後(集計により6割台後半)で推移しているとみられる。
  • 中東情勢の地政学リスクは引き続きくすぶっており、原油価格の下支え・インフレ圧力要因として意識され続けている。
  • BOE(次回会合9月17日予定)について、前回から変わる新たな発言・動きは本日も確認できなかった。

要因の連続性

  • 継続要因: 日銀の利上げペース加速観測(継続。中東情勢に伴う原油高からの物価上振れ懸念が背景)。FRB内のタカ派・ハト派の対立構図(継続)。中東情勢の地政学リスク(継続)。
  • 新規要因: FRBのFOMCブラックアウト期間入り(9月5日〜)が新たな材料難要因として加わった。ハイイールドスプレッドの具体的な水準(2.65%)が判明し、信用市場の落ち着きを裏付ける材料が新たに加わった。
  • 解消した要因: 週末で新規の取引材料が乏しく、特筆すべき「解消した要因」はなし。

1. 金利サマリー

年限・指標 水準 前日比 取得時点
米2年債利回り 4%台前半とみられる 休場のため変化なし 2026-09-04 NY市場引け
米10年債利回り 4.78%程度 休場のため変化なし 2026-09-04 NY市場引け
JGB10年債利回り 2.907% 休場のため変化なし 2026-09-04 東京市場引け
独10年債(Bund) 3.36%程度 休場のため変化なし 2026-09-04
ドル円 155.34円 休場のため変化なし 2026-09-04 NY市場引け

9月5日(土)・6日(日)は日米欧とも市場休場のため、上記は前回レポート(2026-09-05)と同じく9月4日NY引け時点の水準。米2年債の正確な前日比は前回同様に確認できていない。 出典: Trading Economics(JGB)、Bloomberg

2. 中央銀行の動き

FRB

  • 9月5日(土)からFOMC(9月15〜16日)前のブラックアウト期間(要人が金融政策について対外的な発言を控える慣例期間)に入った。会合まで新たな公式発言は出にくくなる。 出典: Kiplinger
  • 9月FOMCでの0.25%利上げ観測は、8月31日時点でCME FedWatchが66%程度を示すなど、前回報告した水準(6割前後)からおおむね横ばいで推移しているとみられる。 出典: Forbes
  • ウォーシュ議長(タカ派、インフレ抑制を最優先課題とする立場)とウォラー理事(ハト派、「ディスインフレにもう少し猶予を」との立場)の対立構図は前回から継続。ブラックアウト入りにより、次に発言が聞けるのは会合後になる。 出典: Semafor

日銀

  • 9月17〜18日会合での0.25%利上げ(政策金利1.00%→1.25%)観測は、9月4日時点の報道でOIS市場の織り込みが8割程度に達していることを確認した。従来の利上げ間隔(平均半年弱)と比べ、実現すればペース加速となる。 出典: ダイヤモンド・オンライン
  • JGB10年債利回りは2.907%(9月4日)で、休場につき本日時点で変化なし。国内需給の底堅さが引き続き利回りの重しとなっている。 出典: Trading Economics

ECB / BOE

  • 9月10日の理事会で預金ファシリティ金利を25bp引き上げ2.50%とすることが市場コンセンサスとして固まりつつある。ユーロ圏インフレ(8月3.3%)と潜在成長率並みの景気を背景に、ECB自身も「判断は明快」との立場とされる。ラガルド総裁は追加利上げの経路について明言を避け、選択の余地を残す姿勢を維持するとの見方。 出典: FXStreet
  • BOE(次回会合9月17日予定)について、前回報告時点から変わる新たな発言・動きは本日も確認できなかった。

3. 経済指標

  • 週末のため新規の指標発表はなし。来週は9月10日に米PPI、9月11日に米CPI(9月FOMCの判断材料として重視される)、9月8日に日本の4〜6月期GDP改定値の発表が予定されている。 出典: Kiplinger
  • インフレのナウキャスト(統計モデルによる速報推計)では、9月4日時点で米CPI(総合)が前年比3.4%程度、コアCPIが前年比2.4%程度で推移すると見込まれている。市場予想・発表値ではなく推計値である点に留意が必要。 出典: Kiplinger

4. 為替

  • ドル円は9月4日のNY引け155.34円から、休場のため本日時点で変化なし。来週の予想レンジは、上値158.00円程度(25日・100日・200日移動平均線が集中する節目)、下値155.00〜155.20円程度(割り込めば154.00円が視野)とされている。 出典: 外為どっとコム
  • 来週の方向感は、日銀の利上げ加速観測を織り込む円買いと、FRBがブラックアウト期間で新規材料を出しにくいことの綱引きになるとの見方。日本国債の短中期金利(利上げ観測を反映)と超長期金利(財政懸念を反映)のどちらが主導するかも注目点とされる。為替介入に関する当局の新たな発言は本日も確認できなかった。 出典: 外為どっとコム

5. 債券需給

  • 週末のため新規の入札結果はなし。来週は9月8日に日本の5年債入札、週内に米国債の入札(3年・10年・30年、具体的日程は来週フォロー)が予定されている。 出典: 外為どっとコム
  • クレジット市場: ICE BofA米ハイイールド債指数のオプション調整後スプレッドは9月3日時点で2.65%(前年同期比縮小)。前回「確認できなかった」としていた具体的な水準が判明し、信用市場が落ち着いた状態にあることを裏付けた。 出典: govspending.org(FRED系列)

6. 他資産への波及

金は9月4日、強い雇用統計を受けた9月利上げ観測の再燃でNY市場引けが1トロイオンス4,432.56ドル(前日比-0.92%)まで下落し、金融緩和期待の後退が非利付き資産である金の重しとなる構図が続いている。ビットコインは週末の新規データを確認できなかったが、ここ最近では金との90日相関係数が0.86程度まで上昇し、6年ぶりの高水準に達しているとの分析がある。株式市場は前回報告の通り半導体関連中心に底堅さを維持しており、金利上昇にもかかわらず大きな崩れは見られていない。ブラックアウト期間入りで当面新規の金利材料が出にくいことから、他資産への波及も来週のCPI・ECB・FOMCまでは方向感を欠く展開が続く可能性がある。 出典: Trading Economics(Gold)、Bloomberg

7. 今夜の注目イベント

  • 9月6日(日)夜は経済指標発表・中銀高官講演・国債入札とも確認できず、日米欧市場は休場が続く。
  • 9月7日(月)は米国レイバーデーで米国市場が休場(日本市場は通常取引)。
  • 9月8日(火)に日本の4〜6月期GDP改定値発表と5年債入札、9月10日(木)に米PPIとECB理事会(25bp利上げ観測)、9月11日(金)に米CPI発表を予定。CPIは9月15〜16日のFOMCにおけるウォーシュ議長らの判断材料として特に重視されるとみられ、前回に続きこれらの結果を順次フォローする。 出典: Kiplinger、外為どっとコム