前回からの変化

変わったこと(変化・新規)

  • ゼットスケーラーについて、前回はJPモルガン(Overweight・215ドル)とスティーブンス(225ドルに引き上げ)の2社の反応のみを把握していた。本日確認したところ、ニーダムが180ドルから215ドルへ、TDコーウェンが180ドルから200ドルへ、ロバート・W・ベアードが220ドルから230ドルへとそれぞれ目標株価を引き上げ、カナコード・ジェニュイティ(210ドル)とロゼンブラット証券(200ドル)もBuy評価を再表明していたことが判明した。株価は金曜の通常取引で4%下落したにもかかわらず、証券各社の目線はむしろ強気方向で足並みがそろっていたことが新たに分かった。 出典: Defense World、The Cerbat Gem
  • ルルレモンについて、前回はJPモルガン・モルガン・スタンレー・スティフェル・バーンスタインの4社による目標株価引き下げを把握していた。本日、UBS(120ドル→106ドル、Neutral)、ウェルズ・ファーゴ(105ドル→95ドル、Equal Weight)、ドイツ銀行(127ドル→98ドル、Hold)、トゥルイスト(94ドル→82ドル、Sellへ格下げ)、バンク・オブ・アメリカ(140ドル→122ドル、Neutral)の追加5社が判明し、目標株価を引き下げた証券は合計9社に拡大した。ウェルズ・ファーゴは「現時点で信頼に足る強気材料が見当たらない」と説明しており、前回時点よりも弱気の広がりが確認された形である。 出典: Yahoo Finance、MarketBeat、SGB Media
  • シエナについて、前回はニーダム(引き下げ)・B.Riley(引き下げ)・レイモンド・ジェームズ(引き上げ)の3社を把握していた。本日、JPモルガン(635ドル→605ドル、Overweight維持)、UBS(508ドル→394ドル、Neutralで目標株価倍率をEV/EBITDA40倍から25倍に引き下げ)、バークレイズ(607ドル→475ドル、Overweight維持)、BofA(660ドル→550ドル、Buy維持)、ロゼンブラット証券(720ドル→525ドル、Buy維持)が追加で判明し、目標株価引き下げが5社に拡大した。一方でシティは「決算後の下落は押し目買いの好機」との見方を示しており、引き下げの理由は業績そのものではなく「光通信セクター全体のバリュエーション調整・倍率圧縮」であるとする声が複数社で共通していた。 出典: The Cerbat Gem、Investing.com(UBS)、Investing.com(BofA)、Benzinga

昨日と同じこと(継続)

  • 米国市場は土曜(9/5)・日曜(9/6)とも休場で、新規の決算発表・新規の株価反応は生じていない。前回に続き、9月3日発表のゼットスケーラー・シエナ・ルルレモンの3社を追いかける構成である。
  • ルルレモンの株価は前回報告した安値圏(100ドル台前半、金曜終値ベースで前日比-17%台)から大きくは動いておらず、下落一服の状態が続いている。
  • シエナの株価は前回報告した315〜329ドルのレンジ内、直近321ドル前後で推移しており、大きな方向感の変化はない。 出典: Investing.com

要因の連続性

  • 継続要因: シエナの受注残・AI関連光通信需要の強さは前回に続き各社共通の前提として扱われており、JPモルガン・BofA・バークレイズもこの需要自体は否定していない。ルルレモンの需要不振・新体制での立て直し途上という見立ても前回から継続している。
  • 新規要因: シエナでは、前回は粗利率懸念とバリュエーション調整が主因とされていたが、本日はUBS・BofAが明示的に「光通信セクター全体の倍率圧縮」を理由に挙げており、個社要因から業界全体のバリュエーション調整という、より広い文脈に位置づけが変わった。ルルレモンでは、UBS・ウェルズ・ファーゴらが「業績のさらなる下振れ余地」を新たに指摘し、下方修正の連鎖が広がっている。
  • 解消した要因: 特になし。前回挙げられていた要因はいずれも本日時点で継続または深掘りされている。

1. 本日のハイライト

本日(9月6日、日曜)は米国・日本ともに新規の主要決算発表はない。9月3日発表分(ゼットスケーラー、シエナ、ルルレモン)について、金曜(9月4日)にかけて出そろったアナリスト対応を追加でフォローする。

企業 決算内容(9/3発表) 目標株価引き上げ 目標株価引き下げ
ゼットスケーラー 非GAAP EPS1.19ドル(予想1.09ドル)、ARR前年比25%増 ニーダム180→215ドル、TDコーウェン180→200ドル、ベアード220→230ドル なし(把握範囲内)
シエナ 調整後EPS2.11ドル(予想1.73ドル)、売上高前年比37%増 レイモンド・ジェームズ530→600ドル JPモルガン635→605ドル、UBS508→394ドル、バークレイズ607→475ドル、BofA660→550ドル、ロゼンブラット720→525ドル
ルルレモン FY2026通期売上高ガイダンス引き下げ なし UBS120→106ドル、ウェルズ・ファーゴ105→95ドル、ドイツ銀行127→98ドル、トゥルイスト94→82ドル、BofA140→122ドル

出典: Defense World、Benzinga、Yahoo Finance

2. 個別フォロー

ゼットスケーラー(ZS)

金曜の通常取引で株価は170ドル台まで4%下落したが、証券各社の反応はおおむね強気だった。ニーダムは目標株価を180ドルから215ドルへ、TDコーウェンは180ドルから200ドルへ、ロバート・W・ベアードは220ドルから230ドルへとそれぞれ引き上げ、いずれもBuy/Outperform評価を継続した。カナコード・ジェニュイティ(目標株価210ドル)、ロゼンブラット証券(同200ドル)もBuy評価を再表明している。FY2027のARR成長率が16.6〜17.5%とFY2026の25%成長から減速する見通しであることが株価の重しになった一方、各社は同日発表された第4四半期のARRが前年比25%増の37億7,100万ドルとなり市場予想を上回った点を評価しており、成長鈍化懸念と決算の中身の評価が分かれる形になっている。 出典: Defense World(Needham)、The Cerbat Gem(Baird)

シエナ(CIEN)

株価は前回報告した急落後のレンジ(315〜329ドル)内で推移し、直近は321ドル前後。決算自体は調整後EPS2.11ドル(予想1.73ドル)、売上高が前年比37%増の16億7,000万ドルと予想を上回る内容だったが、アナリストの目標株価は総じて下方修正が優勢だった。JPモルガンは635ドルから605ドルへ(Overweight維持)、UBSは508ドルから394ドルへ(Neutral、目標株価倍率をEV/EBITDA40倍から25倍に圧縮)、バークレイズは607ドルから475ドルへ(Overweight維持)、BofAは660ドルから550ドルへ(Buy維持、光通信セクター全体のバリュエーション調整を理由に挙げた)、ロゼンブラット証券は720ドルから525ドルへ(Buy維持)とそれぞれ引き下げた。一方でレイモンド・ジェームズは530ドルから600ドルへ引き上げ、シティは決算後の下落を「押し目買いの好機」と評価しており、需要そのものへの評価は割れていないものの、目標株価の水準では引き下げが優勢という結果になった。 出典: The Cerbat Gem、Investing.com(UBS)、Investing.com(BofA)、Benzinga

ルルレモン(LULU)

株価は前回報告した安値圏(100ドル台前半、前日比-17%台)からほぼ変わらず推移している。決算後の目標株価引き下げは前回把握した4社(JPモルガン・モルガン・スタンレー・スティフェル・バーンスタイン)に加え、UBSが120ドルから106ドルへ(Neutral)、ウェルズ・ファーゴが105ドルから95ドルへ(Equal Weight)、ドイツ銀行が127ドルから98ドルへ(Hold)、トゥルイストが94ドルから82ドルへ引き下げたうえで格付けもSellへ格付け変更し、バンク・オブ・アメリカが140ドルから122ドルへ(Neutral)と続き、合計9社規模の引き下げに拡大した。ウェルズ・ファーゴは「現時点で信頼できる強気シナリオが見えない」と説明し、UBSは「営業レバレッジの悪化が続けば減益ペースがさらに加速しうる」と指摘している。同社が下方修正したFY2026通期見通し(売上高ガイダンス103億5,000万〜105億ドル、従来110億〜111億5,000万ドルから引き下げ)とEPSガイダンス(9.48〜9.73ドル)が、各社の評価下げの直接の根拠になっている。 出典: Yahoo Finance、MarketBeat、SGB Media

3. 業界トレンド

  • シエナで顕著なように、AI・データセンター向け光通信需要そのものへの評価はなお強気が大勢だが、需要を織り込み済みの高いバリュエーションに対する調整圧力が業界横断で強まっている。BofA・UBSは個社の業績ではなく「光通信セクター全体の倍率圧縮」を引き下げ理由に挙げており、決算内容が良くても目標株価が下がる例が広がっている。
  • ゼットスケーラーの事例は、好決算・強い受注指標(ARR)であっても成長率の減速幅そのものが株価の重しになるという、前回から続く傾向を裏付けている。ただしアナリストの目線は依然強気で、市場の短期反応とアナリストの中期評価にねじれが生じている。
  • ルルレモンでは、個別企業の需要不振を発端に9社規模の目標株価引き下げへと波及しており、裁量的消費(アパレル)セクターに対する警戒がAI関連インフラの強気トーンと対照的な形で広がっている。

4. 次の注目決算

  • オラクル(Oracle): 米国時間9月10日引け後(日本時間9月11日早朝)に2027年度第1四半期(2026年6〜8月)決算を発表予定。前回に続き、クラウドインフラ(OCI)向けAI関連需要の実勢と、それに伴う設備投資額・資金調達計画が焦点になる。 出典: StockTitan
  • アドビ(Adobe): 米国時間9月11日にオラクルと同日に2026年度第3四半期決算を発表予定。生成AI関連ツールの浸透度と、値上げによる増収効果が持続しているかが注目点になる。
  • なお9月7日(米国時間の月曜)はレイバーデーで米国市場が休場のため、週明けの主要決算発表は9月8日以降にずれ込む見通し。