前回からの変化

変わったこと(変化・新規)

  • FRBの高官発言が禁じられる「沈黙期間」が9月5日(土)から始まった。9月15〜16日のFOMCまで続き、Kiplingerによれば来週木曜(9/10)にPPI(卸売物価指数)、金曜(9/11)にCPI(消費者物価指数)が発表される日程が明確になった。前回は「来週PPI・CPIの発表」とだけ触れていたが、日付と発表順序が確定した点が新規。
  • 弱気派の顔ぶれに新たな声が加わった。ブルームバーグによれば、ウェルズ・ファーゴのアナリストチームがJPモルガンのトレーダーに続き米国株全般に慎重姿勢へ転じたと報じられた(新規)。
  • 前回から続くJPモルガンのジェイソン・ハンター氏の警告について、TheStreetが「AI関連株の値動きの分岐は2000年のドットコムバブル崩壊前夜のパターンに似ている」との具体的な比較コメントを新たに報じた。マグニフィセント7がS&P500時価総額の3分の1近くを占める過去最高水準の集中度である点が懸念材料として明示された(新規・具体化)。
  • 強気派側にも新しい論者が加わった。JPモルガン・チェース・ウェルス・マネジメントのアジェン・オデン氏(グローバル投資ストラテジスト)が、「9月ジンクスや迷信は無視すべき」とし、「地政学・財政・金融政策の不確実性が重なり変動しやすい環境だが、変動性と季節性は運命ではない。荒れても長期方針に軸足を置くべき」と述べた(Chase)(新規)。
  • 9月5日(土)・6日(日)は週末休場、Yahoo Financeの確認どおり9月7日(月)はレイバーデーで株式・債券市場とも休場となることが改めて確認された。次回取引は9月8日(火)から。

昨日と同じこと(継続)

  • 主要3指数の水準は前回(9/4引け)からまったく変わっていない: S&P500は7,718.60ドル、ナスダック100は29,544.15ドル、NYダウは53,414.25ドル。
  • テクニカル配置も前回と同一で、NYダウのみ200日移動平均線を下回る形が継続。VIX(14.53前後)・Fear & Greed指数(40台前半、恐怖ゾーン)も前回とほぼ同水準。
  • ホルムズ海峡を巡る地政学リスクと原油高基調(ブレント原油はおよそ95ドル前後、週間ではおよそ8%高)は継続。米・イラン間の緊張も収まっていない。
  • 強気派のトム・リー氏(ファンドストラト)、ダン・アイブス氏(ウェドブッシュ)、ライアン・デトリック氏(カーソン・グループ)の楽観論、弱気派のアンドリュー・タイラー氏・ポール・シアナ氏(いずれもJPモルガン/バンク・オブ・アメリカ系)の警戒論はいずれも継続。
  • 8月雇用統計を受けた9月FOMCでの利上げ確率上昇(58.4%前後)という材料も継続して意識されている。

要因の連続性

  • 継続要因: 強い雇用統計を受けた利上げ観測の高まり、ホルムズ海峡の地政学リスクと原油高、マグニフィセント7への資金集中というAI関連の構造的リスクはいずれも継続。
  • 新規要因: (1) FRBの沈黙期間入り(9/5〜FOMCまで)、(2) ウェルズ・ファーゴの新たな慎重姿勢、(3) JPモルガン、ジェイソン・ハンター氏によるドットコムバブルとの具体的な比較、(4) JPモルガン・チェース・ウェルス・マネジメント、アジェン・オデン氏による「9月ジンクスを無視すべき」との逆張り強気論。
  • 解消した要因: 特になし。週末・レイバーデー休場のため相場を動かす新規のファンダメンタルズ材料は発生していない。

1. 市況サマリー

指数 終値 前日比 騰落率
S&P500 7,718.60ドル 0.00ドル(休場) 0.0%(変化なし)
ナスダック100 29,544.15ドル 0.00ドル(休場) 0.0%(変化なし)
NYダウ 53,414.25ドル 0.00ドル(休場) 0.0%(変化なし)

(取得時点: 2026-09-04 米国市場引け値を継続表示。9/5(土)・9/6(日)は週末、9/7(月)はレイバーデーで休場のため新規の取引はない。次回取引は9/8(火)。 出典: Yahoo Finance、Yahoo Finance(レイバーデー休場確認))

2. 指数別動向

S&P500

7,718.60ドルのまま休場入り。9月は1928年以降平均で-1.1%となる季節的な弱さで知られるが、チェースによれば2026年のように8月がプラスかつ年初来10〜17.5%の上昇という条件が揃うと、過去は9月が平均+1.0%となる傾向もあり、強気・弱気の見方が分かれている。

ナスダック100

29,544.15ドルで休場入り。マグニフィセント7がS&P500時価総額の3分の1近くを占める過去最高水準の集中度にあることから、TheStreetはAI関連株の集中リスクがナスダック指数全体の脆弱性につながりかねないと指摘している。

NYダウ

53,414.25ドルで休場入り。前回判明した200日移動平均線割れの配置は変わらず継続しており、消費関連銘柄の弱さ(ルルレモン・FICOの急落)が引き続き重しとなっている。

3. 強気派 vs 弱気派

強気派(ブル)

  • アジェン・オデン氏(JPモルガン・チェース・ウェルス・マネジメント、グローバル投資ストラテジスト): 「9月ジンクスや迷信は無視すべきだ」とし、「地政学・財政・金融政策の不確実性が重なる局面だが、変動性と季節性は運命ではない。荒れた展開になっても長期方針に軸足を置くべき」と述べた(新規)(Chase)。
  • トム・リー氏(ファンドストラト共同創業者)の「FRBが金利を据え置けば9月相場は非常に強いものになり得る」との見通しは継続。
  • ダン・アイブス氏(ウェドブッシュ)のAI関連への強気姿勢、ライアン・デトリック氏(カーソン・グループ)の「今年のような株高の条件下では9月は平均プラスになりやすい」との指摘も継続。

弱気派(ベア)

  • ウェルズ・ファーゴのアナリストチーム: JPモルガンのトレーダーに続き米国株全般に慎重姿勢を強めたと報じられた(新規)(Bloomberg)。
  • ジェイソン・ハンター氏(JPモルガン、テクニカルストラテジスト): 前回の「9月初旬が節目」との警告に続き、「AI関連株の値動きの分岐は2000年のドットコムバブル崩壊前夜のパターンに似ている」と具体的に比較し、マグニフィセント7の時価総額比率が過去最高水準にある点を最大の懸念として挙げた(継続・具体化)(TheStreet)。
  • アンドリュー・タイラー氏(JPモルガン・チェース)の戦術的弱気、ポール・シアナ氏(バンク・オブ・アメリカ)の「マクロの逆風が強まっている」との警戒は継続。

4. 経済ニュース

経済指標

  • 前回報告した8月雇用統計(非農業部門雇用者数16万2,000人増、予想の3倍近く)の内容に変わりはなく、市場は依然としてこれを消化中。
  • 来週の経済指標日程が明確になった。Kiplingerによれば、9月10日(木)にPPI(卸売物価指数)、9月11日(金)にCPI(消費者物価指数)が発表される。市場予想ではコアPPIが前月比+0.3%程度とされ、CPIのコア月次数値が9月利上げ確率を30%〜60%のレンジで大きく動かす分岐点になるとみられている。

政策

  • FRBの高官発言が禁じられる「沈黙期間」が9月5日(土)から始まり、9月15〜16日のFOMCまで続く。強い雇用統計を受けた利上げ観測(58.4%前後)は据え置かれたまま、来週のインフレ指標の結果が最終判断の材料になる見通し。 出典: Kiplinger

注目された個別銘柄・決算

  • 週末・レイバーデー休場のため、新規の決算発表や個別銘柄材料は確認できなかった。前回報告したルルレモン・FICO・テスラ・アップル・マイクロン/サンディスクを巡る材料はいずれも据え置き。

5. 金利・為替が株に効いた分

米長期金利(10年債利回り)は9月4日終値時点でおよそ4.76〜4.78%と、前回からほぼ横ばいで休場入りした。週半ばのウォラーFRB理事のハト派発言でいったん低下した後、強い雇用統計で切り返す展開が続いており、来週のPPI・CPI次第で再び動意づく可能性がある。ドル指数(DXY)・ドル円(155円近辺)も前回水準からの変化はなく、週末は取引材料そのものが乏しい状態。 出典: CNBC(米国債利回り)

6. テクニカル分析

S&P500

50日移動平均線(7,697.90前後)・200日移動平均線(7,674.57前後)をいずれも上回る配置を維持したまま休場入り。RSI(14日)は54.1の中立圏で変化なし。支持線7,710ドル近辺・レジスタンス7,722ドル近辺の目安も据え置き。 出典: Investing.com

ナスダック100

50日線(29,370.64前後)・200日線(29,275.86前後)をいずれも上回る配置を維持。RSI(14日)は58.6でやや買われ気味の水準のまま変化なし。支持線29,464ドル近辺・レジスタンス29,531ドル近辺も据え置き。 出典: Investing.com(ナスダック100)

NYダウ

50日線(53,302.88前後)は上回るものの200日線(53,560.57前後)を下回る配置のまま変化なし。RSI(14日)は52.2の中立圏。支持線53,384ドル近辺・レジスタンス53,439ドル近辺も据え置き。3指数のうちNYダウのみテクニカル面の弱さが残っている状態が続く。 出典: Investing.com

センチメント指標(補助)

  • VIX(恐怖指数): 14.53前後で前回からほぼ横ばい。落ち着いた水準を維持している。
  • Fear & Greed Index: 40台前半で「恐怖」ゾーンに変化なし。 出典: CNN

7. 今夜の注目イベント

  • 9月7日(月)はレイバーデーで米国株式・債券市場とも休場。次回取引は9月8日(火)から。
  • 来週最大の焦点は9月10日(木)のPPI、9月11日(金)のCPI。コアCPIの前月比次第で9月FOMC(9/15〜16)の利上げ確率(現在58.4%前後)が大きく振れるとみられている。 出典: WTOP、Kiplinger
  • FRBは9月5日から沈黙期間入りしており、FOMCまで高官発言は聞かれない見通し。
  • ホルムズ海峡情勢と原油高(ブレント原油およそ95ドル前後)は引き続き相場の変動要因として注目される。