前回からの変化

前回(2026-11-05、前日)との比較である。前回は4日の動きを扱い、ドル円はNYで158円16銭付近で引けていた。今回は5日の動きを扱う。水準は日本時間6日朝の取得で、終値の確定値は確認できていない。

変わったこと(変化・新規)

  • 前回の注目だった英中銀(BOE)の政策金利発表は、市場予想どおり0.25%の利上げで4.00%になった。委員の票は8対1で、マン委員1名が0.50%の利上げを主張した(みんかぶFX: ポンド買い反応)
  • ドル円は前回のNY終盤の158円16銭付近から、5日は157円79銭〜158円50銭で推移し、NY終盤は157円93銭へ約0.2円(0.1%)の円高・ドル安になった(みんかぶFX: ドル円、160円手前)
  • NY株が5日に急落した。3時台の時点でダウ平均は1668ドル安、ナスダックは5.3%安だった。前回は4日にダウ平均が1568ドル高と反発していたので、一転してリスク回避の動きになった(みんかぶFX: NY各市場 3時台)
  • ユーロドルは前回の1.1213ドルから1.1238ドルへ、ポンドドルは1.3455ドルから1.3481ドルへ上昇した。ユーロ円は177円60銭から177円21銭へ下げた

昨日と同じこと(継続)

  • ドル円は10月以降の156円台後半〜158円台のレンジ内にあり、9月24日高値の159円04銭は超えていない
  • 4日の安値157円40銭は5日も割れず、下値の目安として働いた(みんかぶFX: ドル、円に対しては底堅く)
  • 為替介入や財務省・日銀の為替発言は、確認できた範囲では見当たらない

要因の連続性

  • 継続要因: 12月の日銀の追加利上げ観測と日米の金利差のせめぎ合い。米長期金利の高止まりがドルを下支えする構図も前回と同じである
  • 新規要因: 英中銀の利上げと追加利上げ示唆による英債利回りの上昇が米債利回りを押し上げ、一時ドル買いにつながった。NY株の急落が円買いに働いた。原油は前回の急落から89〜90ドル台へ反発した
  • 解消した要因: 前回の焦点だった米中間選挙の開票待ちと、米ADP雇用統計・ISM非製造業の結果待ちは通過した。4日に目立った原油安・米長期金利低下によるドル売りは、5日は原油の反発で一服した

為替サマリー

通貨ペア 5日の値幅・水準 終盤の水準 前回(4日)
ドル円 157円79銭〜158円50銭 157円93銭(NY) 158円16銭付近
ユーロドル 1.1225〜1.1268ドル(ロンドンまで) 1.1238ドル 1.1213ドル
ポンドドル 1.3450〜1.3501ドル 1.3481ドル 1.3455ドル
ユーロ円 水準のみ 177円21銭 177円60銭

値は日本時間6日2時前後に確認した5日のものである。ドル円とユーロドルの値幅の下限はロンドン時間までの値で、NY終盤にこれらを下回った可能性がある(みんかぶFX: ロンドン為替概況、みんかぶFX: ドル円、160円手前)。ドル指数と人民元、韓国ウォンは、信頼できる数値を確認できなかった。

ドル円の動き

東京時間は、原油安と米債利回りの低下を背景にドルが売られ、157円台へ下げた。ロンドン時間には買い戻しが優勢になり、158円台前半へ戻した。NY原油が86ドル台から88ドル台へ反発し、米10年債利回りも4.84%付近から4.88%付近へ上がって、欧州株の堅調と合わせてリスク選好が強まったためである(みんかぶFX: ドルが買い戻される)。

NY時間は、21時の英中銀の利上げ後に英債利回りが上昇し、それが米債利回りの上昇を後押ししてドル買いになった。ドル円は22時台に本日高値を更新し、158円50銭まで上げた(みんかぶFX: ドル円一時158.50レベル)。しかしその後、米株が急落した。3時台にダウ平均は1668ドル安の5万1687ドル、ナスダックは5.3%安で、シカゴ日経平均先物は5万8390円と大阪取引所の終値を4.3%下回った(みんかぶFX: NY各市場 3時台)。株安にともなう円買いが出て、ドル円は157円93銭まで戻された(みんかぶFX: ドル円、160円手前)。株の急落の理由は、今回確認できた出典には書かれていない。

一方、米10年債利回りは2時台に4.833%(前日比0.055ポイント低下)、米2年債利回りは4.494%(同0.087ポイント低下)と下がった。金は4100ドル台で1%前後上昇し、ビットコインは5%前後下げた。株安にともなう安全資産への資金移動(リスクオフ)の動きである(みんかぶFX: NY各市場 2時台)。

円安・円高の影響は両面ある。円安は輸出企業の業績や海外資産の円換算額を押し上げる一方、輸入物価を通じて家計の負担を重くする。円高はその逆に働く(筆者の整理)。

その他の主要通貨

当局の姿勢と介入

5日から6日朝の時点で、財務省・日銀による為替に関する発言や、介入の実施・認否は、確認できた範囲では見当たらない。前回までに触れた7月末の日米協調介入以降、新しい介入は確認できていない。

英中銀のベイリー総裁は「追加利上げを支持する論拠がある」と述べ、英国の消費者物価が2027年4〜6月期に4.9%でピークをつけるとの見通しを示した(みんかぶFX: 英中銀、タカ派)。ドル円への直接の言及ではないが、英債利回りを通じて米金利に波及した。

前回触れた植田日銀総裁の講演(6日)は、まだ結果を確認していない。12月の利上げに新たな示唆が出るかが関心事である。

ポジションと相場観

CFTCの建玉報告では、投機筋(ヘッジファンドなど短期売買の投資家)のユーロの売り越しが、前回の11.7%から23.8%へ拡大した。フランスの政治・財政不安が背景にあると伝えられた(みんかぶFX: ユーロのショート)。円のポジションは今回の出典では確認できていない。

相場観では、氏名付きの発言は確認できなかったが、報道の論調として次の二つが並んだ。

  • 米中間選挙後、ドル円が160円手前を中心とした安定推移を続けるのが「新常態」になるとの指摘がある。米金利への感応度が下がり、円安の安定が円建て資産の魅力や輸出企業の業績を支えるとの見方である。予想変動率(3か月)は8.1%と3年平均の8.8%を下回る(みんかぶFX: ドル円、160円手前)
  • 一方、日銀の利上げ観測と日本国債への需要を踏まえれば、ドル円はもっと円高水準にあってもおかしくないとの見方もある(みんかぶFX: ドル、円に対しては底堅く)

いずれも相場観で、売買の推奨ではない。

テクニカル分析(ドル円)

NY時間の高値158円50銭は、200日移動平均線(過去200日の平均値で、長期のトレンドを測る目安)の158円60銭付近に届かず、押し戻された。前回はこの線をわずかに上回ったので、5日は上抜けを維持できなかったことになる。ピボット(当日の値動きの基準になる価格)は158円25銭付近、前日安値は157円40銭と伝えられた(みんかぶFX: ドル、円に対しては底堅く)。上値の目安は9月24日高値の159円04銭である。6日の米雇用統計が弱ければ、157円40銭を下抜けるかが、ドル安の持続性を測る分かれ目になるとの見方が示された。25日・75日線とRSIの最新値は、今回の出典では確認できなかった。

今夜の注目イベント

6日(金)の日本時間の主な予定は次のとおり。時刻は前回レポートの出典にもとづき、公式カレンダーでは未確認である。

  • 米国の10月雇用統計(22時30分の予定)。弱い数字ならドル安の持続性、強い数字なら年内の米利上げ観測の行方が焦点になる(みんかぶFX: ドル、円に対しては底堅く)
  • 植田日銀総裁の講演(時間は未確認)
  • 5日に急落した米株の反応と、シカゴ日経平均先物の下落(5万8000円台)を受けた東京株式市場の動き