前回からの変化

前回(2026-11-05付)との比較である。前回は4日の取引結果を扱い、今回は5日の取引結果が新たに加わった。

変わったこと(変化・新規)

  • 日経平均の終値は、前回の6万2188円63銭から6万1077円90銭へ、1110円73銭(1.79パーセント)下がり、4日続落となった。前回の5日の注目点では「半導体・AI株の戻りが続くか」が最大の焦点だったが、寄り付きは196円高で始まったものの、戻りは続かず前回の安値圏を割り込んだ(日本経済新聞: 東証大引け)
  • 指数の方向が分かれた。TOPIXは前回の約3,895から3,940.39へ45.01ポイント(1.16パーセント)上昇した一方、グロース市場250指数は前回の約769から約751へ約17ポイント下がり5日続落した(マネックス証券: まとめ、ロイター)
  • 前回予告した決算では、トヨタ自動車が営業利益見通しを3兆9000億円へ引き上げ、株価は16.7パーセント高の3,533円となった。エムスリーは純利益が12パーセント減ったが6.3パーセント高だった。東京精密は業績を上方修正したが15.3パーセント安と売られた(マネックス証券: まとめ)
  • 日経平均の値動きの激しさを示す日経VIは33.56と、前日から5.58ポイント上昇した(日経VI記事の表記による)

昨日と同じこと(継続)

要因の連続性

  • 継続要因: 米中間選挙後のAI規制強化とデータセンター建設への警戒、円安水準
  • 新規要因: 前日の米国で主要株価指数が上がる中でSOX指数だけが3パーセント超下落したことが、東京の半導体株売りの直接の引き金になった。原油安による米長期金利・日本の長期金利の低下も加わった
  • 解消した要因: 選挙結果の不確実性は消えたが、前回期待された「不確実性の一巡による戻り」は実現しなかった

市況サマリー

5日(木)の東京市場は、日経平均が4日続落した一方、TOPIXは上昇した。

指標 終値 前日比 備考
日経平均株価 61,077.90円 1,110.73円安(1.79パーセント安) 4日続落、5月20日以来の安値
TOPIX 3,940.39 45.01ポイント高(1.16パーセント高) 値がさ株以外が堅調
グロース市場250指数 約751 約17ポイント安 5日続落

東証プライム市場の売買高は約39億5,805万株、売買代金は約11兆7,850億円だった。業種別では輸送用機器、不動産業、ゴム製品など25業種が上昇し、非鉄金属、鉱業、海運業、電気機器など8業種が下落した(財経新聞: 東証プライム概況、財経新聞: クロージング)。

指数別動向

日経225

前日の米国では中間選挙を通過した安心感から主要株価指数が上昇したが、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は3.13パーセント下落した。日経平均は196円高の6万2384円で始まったものの、国内の半導体製造装置やAI関連株に売りが膨らんで下落に転じ、午前は800円超、午後は1000円超の下げとなった。終盤には6万1000円を下回る場面もあった(日本経済新聞: 東証大引け、日本経済新聞: 終値解説)。

指数を押し下げたのはアドバンテスト、東京エレクトロン、ソフトバンクグループ、イビデンなどで、ソフトバンクグループは6.8パーセント安の3,980円だった。一方でトヨタ自動車、ファーストリテイリング、コナミグループ、リクルートホールディングスなどが指数を支えた(財経新聞: クロージング、マネックス証券: まとめ)。

東証グロース市場

グロース市場250指数は約751で5日続落した。先物(752ポイント、11ポイント安)の記事では、米中間選挙で民主党が上下両院で多数派となりAIバブル崩壊への警戒感が再燃したこと、データセンター建設に反対する候補が当選したことがリスク選好を弱めたと伝えられた。市場固有の悪材料は限定的で、AI関連への懸念が広がったことが背景とされる。金利低下が支えとなる局面だが、リスク回避姿勢が上回った(財経新聞: グロース先物概況)。

強気派 vs 弱気派

強気・建設的な見方:

  • マネックス証券の吉野貴晶チーフ・マーケット・アナリストは、原油価格の下落でインフレ懸念が和らぐとの思惑から、内需株が見直されそうだと指摘した(ロイター)
  • 外為どっとコムの分析は、4日に下ヒゲの長いたくり足が出たこと、RSIが低い水準にあることから、自律反発に期待できるとの見方を示した(4日までのデータに基づく)(外為どっとコム)

弱気・慎重な見方:

  • SMBC信託銀行のストラテジスト(氏名は確認できず)は、投資姿勢の慎重さが強まっており、AI・半導体株の売りはしばらく続く可能性があると述べた。一方で中東情勢への懸念後退と原油安は相場の支えと位置づけた(日本経済新聞: 東証前引け)
  • 財経新聞のクロージング記事は、好決算株への物色は旺盛だが、AI不安が一定程度解消されるまで本格的な戻りは期待しにくいとの見方を示した(財経新聞: クロージング)

いずれも相場観であり、事実ではない。前回は強気側が「一時的な反応」という見方だったが、今回は強気側の論拠がAI・半導体の戻りから内需株の見直しへ移り、前回より限定的になった。

経済ニュース

前日に発表された国内の主要経済指標は、確認できた出典にはなかった(未確認)。海外では、米新規失業保険申請件数が57年ぶりの低水準になったと財経新聞の見出しで伝えられ、米7〜9月期の非農業部門労働生産性は予想を上回った。

個別銘柄では次の動きがあった(マネックス証券: まとめ、財経新聞: クロージング)。

  • トヨタ自動車は、営業利益の見通しを3兆9000億円に引き上げ、16.7パーセント高の3,533円
  • ARE Holdingsは、AI・データセンター向けのリサイクル需要の強さが評価され、22.8パーセント高の3,770円
  • 東京精密は、業績を上方修正したが15.3パーセント安の1万2,635円
  • イビデンは13パーセント超の下落

日銀・金利・為替

日銀の新たな決定や総裁の発言は、確認できた出典にはなかった。後場のポイント記事は、日銀会合の意見として「物価上振れの兆候が見えれば利上げペースを速めざるを得ない」との声があったと紹介している(財経新聞: 後場のポイント)。前回記載の植田総裁の講演予定は、今回の出典では確認できなかった(未確認)。

長期金利(新発10年債利回り)は5日、一時2.745%と約3カ月ぶりの水準まで低下し、昼のあとも2.755%と前日から0.060%下がった。原油安によるインフレ懸念の後退が背景と伝えられた(日本経済新聞: 債券12時50分)。

ドル円は、4日のNYで158円67銭まで上げた後に158円16銭へ下げ、158円46銭で終えた。5日の東京では157円85銭から158円43銭のレンジで推移し、米10年債利回りは4.84%台、WTI原油は87ドル台に下がった(財経新聞: 後場のポイント)。円安は輸出株に追い風だが、5日は為替より半導体株の需給が相場を左右した。為替の詳細はfxを参照。

テクニカル分析(日経225・グロース市場250指数)

日経平均の終値6万1077円90銭は、200日移動平均線(6万1936円67銭)を約860円下回って終えた。株価が長期の平均的なコストを下回ると、売りが出やすくなる局面とされる(株探: テクニカル・ポイント)。

4日時点の25日移動平均線は6万5814円、75日移動平均線は6万5632円で、いずれも終値より4千円以上高い位置にあり、株価が平均から大きく下に離れていることを示す。RSI(9日)は4日に42.9パーセントから33.5パーセントへ低下した。RSIは買われすぎ・売られすぎを測る指標で、30パーセントに近づくほど売られすぎとされる。5日のRSIは確認できなかった(未確認)(外為どっとコム)。

下値の目安として、25日ボリンジャーバンドのマイナス2σ(5万9944円67銭)、7月29日安値(6万448円)、心理的節目の6万円が意識される。上値は25日ボリンジャーバンドのマイナス1σ(6万2791円46銭)が当面の抵抗線とされる。ストキャスティクスは短期のファストが35.54、スローが45.26といずれも低下し、勢いの弱まりを示す(株探: テクニカル・ポイント)。日経VIは33.56と上昇し、市場の警戒感が高まった。売買の推奨ではない。

グロース市場250指数は、先物の日足でパラボリックが陰転し、売り圧力が強まったとされる。先物の値幅は751ポイントから778ポイントだった。指数本体の移動平均線やRSIは確認できなかった(未確認)(財経新聞: グロース先物概況)。

本日の注目点

6日(金)は、米国で10月の雇用統計が発表される。財経新聞の為替見通しは、雇用統計は前月から改善する見込みで、追加利上げ観測を通じてドル需要が下支えされる可能性を指摘している。国内では任天堂、村田製作所、ダイキン工業の決算発表が控え、相場の支えになるかが注目される(マネックス証券: まとめ)。米中間選挙後のAI・半導体株の下げが止まるか、200日移動平均線を回復できるかが最大の焦点である。