前回からの変化
前回(2026-11-03、前日)との比較である。前回は2日のNY引け(157円93銭)が水準だったため、今回は3日の値動きが加わる。3日は日本が文化の日で東京市場は休場だった。水準は日本時間4日午前の取得で、NY引けの確定値は確認できていない。
変わったこと(変化・新規)
- ドル円は157円93銭(2日NY引け)から、3日のNYで158円77銭まで上昇し、4時台は158円75銭前後で推移した。前回比でおよそ0.8円(0.5%)の円安・ドル高である(ザイFX: 11月3日のNY為替・原油概況、みんかぶFX: ドル円、200日線を試す動き)
- 前回の注目イベントだった米中間選挙は3日に投票が始まったが、結果は確認できていない。RBAは政策金利を4.85%へ引き上げた(MyForex: RBA、政策金利を4.85%に引き上げ)
- 米国とイランの交渉期待で前回下がっていた原油は、欧州時間に反発したあと、NY序盤は再び大きく下げて始まった。前回のドル売りの流れから、3日は米長期金利の上昇を伴うドル買いに変わった(ザイFX: 欧州外国為替市場概況・22時)
- ユーロドルは1.1190ドルから1.1175ドルへ、ポンドドルは1.3404ドルから1.3407ドルへほぼ横ばい。ユーロ円は176円65銭から177円60銭前後へ上昇した(財経新聞: 11月3日のNY為替概況)
昨日と同じこと(継続)
- ドル円は10月以降の156円台後半〜158円台のレンジの上限付近にあり、9月24日高値の159円04銭は超えていない
- 米中間選挙の結果を待つ姿勢が続き、材料のない円安が相場を押し上げているとの見方も出ている(みんかぶFX: ドル円、200日線を試す動き)
- 為替介入や財務省・日銀による為替発言は、確認できた範囲では見当たらない
要因の連続性
- 継続要因: 日米の金利差と、12月の日銀の追加利上げ観測のせめぎ合い、および米中間選挙待ちの姿勢は前回から続く
- 新規要因: 米9月JOLT求人件数の上振れによる米長期金利の上昇(ドル買い)。ドイツ連銀総裁の発言を受けたECBの12月利上げ観測の強まり(ユーロ買い)。RBAの利上げ
- 解消した要因: 前回のドル売り要因だった「米イラン交渉期待による原油安と米長期金利の低下」は、3日は金利上昇に変わり後退した
為替サマリー
| 通貨ペア | 3日NYの値幅 | 終盤の水準 | 前回(2日NY引け) |
|---|---|---|---|
| ドル円 | 157円98銭〜158円77銭 | 158円75銭前後(4時台) | 157円93銭 |
| ユーロドル | 1.1175〜1.1201ドル | 1.1175ドル | 1.1190ドル |
| ポンドドル | 1.3407〜1.3432ドル | 1.3407ドル | 1.3404ドル |
| ユーロ円 | 176円86銭〜177円69銭 | 177円60銭前後(4時台) | 176円65銭 |
| 豪ドル米ドル | 0.6968〜0.6998ドル | RBA後に下落 | 未確認 |
値は日本時間4日午前に確認した3日のNY時間のものである(ザイFX: 11月3日のNY為替・原油概況、財経新聞: 豪ドル続落)。ドル指数と人民元、韓国ウォンは、信頼できる数値を確認できなかった。
ドル円の動き
東京時間は日本が祝日で、8時時点は157円89銭でもみ合い、動きは限られた(ザイFX: 東京外国為替市場概況・8時)。
欧州時間は、前日に大幅に下げた原油が反発し、米長期金利が上昇したことでドルがやや買われた。22時時点は158円22銭で、158円30銭まで上げた(ザイFX: 欧州外国為替市場概況・22時)。
NY時間は、米9月JOLT求人件数(米国の求人の件数を示す統計で、労働市場の強さを測る)が752.3万件と、予想の716.4万件を上回り、8月の719万件から増えて5月以来の高さになった。年内の利上げを織り込む動きで米長期金利が上がり、ドル円は158円77銭まで上昇した(ザイFX: 11月3日のNY為替・原油概況)。みんかぶFXは、ドルが全面高ではなく円安がドル円を押し上げているようで、直接の材料は見当たらないと指摘した(みんかぶFX: ドル円、200日線を試す動き)。
円安・円高の影響は両面ある。円安は輸出企業の業績や海外資産の円換算額を押し上げる一方、輸入物価を通じて家計の負担を重くする。円高はその逆に働く(筆者の整理)。
その他の主要通貨
- ユーロ: ドイツ連銀のナーゲル総裁が、燃料コストの上昇は2次的な影響(物価上昇が賃金などに広がること)のリスクを高めるとして警戒を示し、12月の利上げの可能性に触れた。短期金融市場はECBの12月利上げを約90%織り込んだ。ユーロドルは1.1201ドルまで上げたあと1.1175ドルへ戻し、ユーロ円は10月22日以来の円安・ユーロ高水準の177円台まで上昇した(ザイFX: NY外為: ユーロ買い)
- ポンド: ポンドドルは1.3432ドルまで上げたあと1.3407ドルに下げた。5日のBOEの政策金利発表が次の焦点である(財経新聞: 11月3日のNY為替概況)
- スイスフラン: ドルスイスフランは0.8180フランから0.8217フランへ上昇した(ドル高・フラン安)(同上)
- 豪ドル: RBAが政策金利を0.25ポイント引き上げて4.85%とし、2008年11月以来の高さになった。市場予想どおりだが、採決は6対3で、3人が据え置きを支持した。総裁が追加の利上げを約束しなかったため、豪ドルは売りが続いた。豪ドル米ドルは0.6998ドルから0.6968ドルへ下げた(MyForex: RBA、政策金利を4.85%に引き上げ、財経新聞: 豪ドル続落)
- アジア通貨: 人民元と韓国ウォンは、信頼できる数値を確認できなかった
当局の姿勢と介入
3日から4日朝の時点で、財務省・日銀による為替に関する発言や、介入の実施・認否は、確認できた範囲では見当たらない。前回レポートで触れた7月末の日米協調介入以降、新しい介入は確認できていない。
6日には植田日銀総裁の講演が予定されており、12月の利上げについて新たな示唆が出るかが関心事である。
ポジションと相場観
外為どっとコムのDZHフィナンシャルリサーチの松井氏は、3日の見通しで、米中間選挙で民主党が上下両院を制する場合や議会がねじれる場合は、米株安のリスクオフでドル円の上値が重くなる可能性があるとした。一方、中間選挙後に中東情勢が緊張すれば、原油高と米金利上昇によるドル買いが優勢になるとの見方を示した(外為どっとコム: NY為替見通し)。
株探は4日の予想レンジをドル円156円50銭〜158円80銭とし、中間選挙の開票の速報を見ながらの展開になるとした(株探: 4日の為替相場見通し)。いずれも相場観で、売買の推奨ではない。IMM通貨先物の新しい数字は確認できていない。
テクニカル分析(ドル円)
ドル円は200日移動平均線(過去200日の平均値で、長期のトレンドを測る目安)の158円60銭付近を試している。この水準は9月下旬から上値を抑えてきたと、みんかぶFXは指摘している(みんかぶFX: ドル円、200日線を試す動き)。
欧州時間の時点で、近い上値の目安は10月28日高値の158円35銭、日足の一目均衡表の雲の上限158円44銭、200日線の158円60銭とされた(ザイFX: 欧州外国為替市場概況・22時)。その上は9月24日高値の159円04銭である。下値の目安は、外為どっとコムによると157円46銭〜157円52銭(日足の基準線や2日安値)である(外為どっとコム: NY為替見通し)。25日・75日線とRSIの最新値は、今回の出典では確認できなかった。
今夜の注目イベント
4日(水)以降の日本時間の主な予定は次のとおり(株探: 4日の為替相場見通し)。
- 4日(水): 米中間選挙の開票の速報が続く。夜には米ADP雇用報告が発表され、5日0時にはISM非製造業景況指数が発表される予定である(予想は52.0、前回は52.4と報じられている)
- 5日(木): BOEの政策金利発表
- 6日(金): 米国の10月雇用統計と、植田日銀総裁の講演

