前回からの変化
前回(2026-11-02、前日)との比較である。前回は30日のNY終値(157円64銭)が水準だったため、今回は週明け2日の値動きが初めて加わる。
変わったこと(変化・新規)
- ドル円は157円64銭(30日NY引け)から157円93銭(2日NY引け)へ0.29円(0.2%)上昇した。ただし2日の日中は157円60銭台まで下げる場面があり、引けにかけて戻した(ザイFX: 11月2日のNY為替・原油概況)
- 前回のドル買い材料だった原油高が反転した。トランプ大統領が対イラン攻撃の再開を急がず、交渉を見極める意向を示したと報じられ、イランの最高指導者が政府に交渉の権限を与えたと国営通信が伝えた。WTIは100ドルを割った(財経新聞: NY外為、みんかぶFX: NY原油)
- 前回の今夜の注目イベントだった米10月ISM製造業景況指数は55.5で、予想の54.7(報道により54.5〜54.7)を上回り、前回の54.5からも上昇した。ドル売りの後退につながった(みんかぶFX: ISM製造業景気指数)
- ユーロドルは1.1136ドルから1.1190ドルへ、ポンドドルは1.3374ドルから1.3404ドルへ戻した
昨日と同じこと(継続)
- ドル円は、10月以降の156円台後半〜158円台のレンジ内にとどまっている
- 3日の米中間選挙への警戒から、積極的に上値を追う動きが乏しい構図は前回から続く
- 為替介入や、財務省・日銀による為替発言は、確認できた範囲では見当たらない
要因の連続性
- 継続要因: 日米の金利差と、12月の日銀の追加利上げ観測のせめぎ合い。米中間選挙を待つ姿勢も前回から続く
- 新規要因: 米イランの外交的解決への期待による原油安と米長期金利の低下(ドル売り要因)と、予想を上回るISM製造業景況指数(ドル買い要因)が同じ日に加わった
- 解消した要因: 前回のドル買いを支えた原油100ドル超の水準は、2日にいったん解消した。フーシ派の製油所攻撃を受けた供給不安は、交渉期待で後退した
為替サマリー
| 通貨ペア | 2日NYの値幅 | 引け | 前回(30日NY引け) |
|---|---|---|---|
| ドル円 | 157円63銭〜157円93銭 | 157円93銭 | 157円64銭 |
| ユーロドル | 1.1190〜1.1229ドル | 1.1190ドル | 1.1136ドル |
| ポンドドル | 1.3404〜1.3431ドル | 1.3404ドル | 1.3374ドル |
| ユーロ円 | 176円65銭〜177円17銭 | 176円65銭 | 未確認 |
水準は2日のNY時間の値で、取得元はザイFXである。記事は引けの水準を、高値・安値の記述のあとに示している。ドル指数、人民元、韓国ウォンは、今回も信頼できる数値を確認できなかった。
ドル円の動き
東京時間は、前週末の157円60銭台から157円20銭台へ失速したと報じられた。主要中銀の政策決定を通過して米長期金利が低下し、米企業決算でAI関連投資への懸念が再燃して株価が下げたことが理由とされる(財経新聞: 欧米為替見通し)。
欧州時間は、WTIが100ドルを割り、米長期金利も低下したことで、157円76銭から157円60銭まで下げた(ザイFX: ドル・円は軟調)。
NY時間は、米イランの交渉期待による原油安でいったん157円63銭まで下げたが、10月ISM製造業景況指数が予想外に上昇してドル売りが後退し、157円93銭まで上げて引けた(ザイFX: 11月2日のNY為替・原油概況)。ISM製造業景況指数は、米国の製造業の景況感を示す月次の指標で、50を上回ると拡大を示す。
円安・円高の影響は両面ある。円安は輸出企業の業績や海外資産の円換算額を押し上げる一方、輸入物価を通じて家計の負担を重くする。円高はその逆に働く(筆者の整理)。
その他の主要通貨
- ユーロ: ユーロドルは1.1229ドルまで上げたあと1.1190ドルへ下げて引けた。ユーロ円は177円17銭から176円65銭へ下げた(ザイFX)
- ポンド: ポンドドルは1.3431ドルまで上げたあと1.3404ドルで引けた。5日のBOEの政策金利発表が次の焦点である
- スイスフラン: ドルスイスフランは0.8204フランから0.8179フランへ下げた(ドル安・フラン高)
- 豪ドル・アジア通貨: 3日にRBAが政策金利を発表する予定である。人民元と韓国ウォンは信頼できる数値を確認できなかった
当局の姿勢と介入
2日から3日朝の時点で、財務省・日銀による為替に関する発言や、介入の実施・認否は、確認できた範囲では見当たらない。確認されている最近の介入は、7月末の日米協調介入で、日米の財務相は8月3日に声明を出している(時事通信: 円安是正で協調介入 日米財務相が声明)。
6日には植田日銀総裁の講演が予定されている。12月の利上げについて新たな示唆が出るかが関心事である。
ポジションと相場観
外為どっとコムは、2日夜の予想レンジをドル円157円00銭〜158円50銭とし、157円付近の下値の堅さと、158円台半ばの上値の重さを指摘している。米中間選挙を控えて、積極的に買い上がる動きは乏しいとする(外為どっとコム: ドル/円、米中間選挙でどう動く)。
米指標が堅調で米金利が上がればドル円は158円台を試し、選挙を巡る不透明感や財政への警戒で米金利が下がればドル売り・円買いが強まる、との見方が示されている。売買の推奨ではない。IMM通貨先物の新しい数字は、次回の公表(6日の見込み)を待つ。
テクニカル分析(ドル円)
移動平均線やRSIの最新値は、今回の出典では確認できなかった。確認できたのは、157円付近が下値の支えとして意識され、158円台半ばでは上昇が鈍っているという外為どっとコムの見方と、156〜159円のレンジを注視する姿勢である。節目とは、売買が集まりやすい切りのよい水準を指す。
今夜の注目イベント
3日(火)以降の日本時間の主な予定は次のとおり(ザイFX: 注目材料スケジュール、みんかぶFX: 来週の主な予定)。
- 3日(火): 米中間選挙。日本は文化の日で東京市場は休場。RBA(豪準備銀行)の政策金利発表もある
- 4日(水): 米国債入札、ADP雇用統計、ISM非製造業景況指数
- 5日(木): BOEの政策金利発表
- 6日(金): 米国の10月雇用統計と、植田日銀総裁の講演

