前回からの変化
前回(2026-11-01、前日)との比較である。1日は日曜日で、主要市場は休場だった。2日の取引は始まったばかりで、月曜の値動きは、この時点の出典では確認できていない。そのため、水準は前回と同じ30日のNY終値である。今回は、30日の値動きの内訳と、今週の予定を詳しく扱う。
変わったこと(変化・新規)
- 前回は引け値だけだった30日のNYの動きに、時間帯ごとの理由が加わった。ドル円は日銀の12月利上げ観測で156円96銭まで下げたが、原油高とFRB高官の発言を受けて157円64銭へ戻した(ザイFX: 10月30日のNY為替・原油概況)
- 原油高の背景として、イエメンの親イラン武装組織フーシ派が、サウジアラビアのラス・タヌラ製油所などへの攻撃を強めたことが挙げられている(同上)
- ユーロドルは1.1197ドルから1.1136ドルへ、ポンドドルは1.3430ドルから1.3374ドルへ下げた。ドイツの消費者物価の伸びが鈍く、ユーロ売りが加速したという(同上)
- 今週の予定が整理された。3日はRBA(豪準備銀行)の政策金利、4日は米国債入札、5日はBOEが焦点で、国債入札では20年債の廃止観測で米金利が急騰する可能性が指摘されている(OANDA証券: 週間為替展望、ザイFX: 注目材料スケジュール)
昨日と同じこと(継続)
- ドル円は、10月に入ってからの156円台後半〜158円台後半のレンジ内で動いている(みんかぶFX: 為替相場まとめ)
- 為替介入や、財務省・日銀による為替発言は、確認できた範囲では見当たらない
- 12月の日銀の追加利上げ観測と、日米の金利差のせめぎ合いという構図は前回から変わらない
要因の連続性
- 継続要因: 12月の日銀利上げ観測が円を支える一方で、米国の物価の高止まりとFRB高官の利上げ発言がドルを支える構図が続く。中東情勢による原油高も、前回に続くドル買いの材料である
- 新規要因: フーシ派によるサウジの製油所への攻撃が強まり、原油高が加わった。米中間選挙の結果と、4日の米国債入札が新たな警戒材料に挙がった
- 解消した要因: 30日に通過した日銀会合の結果待ちは、すでに前回で解消している。今回新たに解消した要因は確認できていない
為替サマリー
| 通貨ペア | 30日NY(安値または高値→引け) | 備考 |
|---|---|---|
| ドル円 | 156円96銭 → 157円64銭 | 下げのあと戻した |
| ユーロドル | 1.1197ドル → 1.1136ドル | ドイツの物価の鈍化で下落 |
| ポンドドル | 1.3430ドル → 1.3374ドル | 英国の秋季予算案後の水準から反落 |
| ドルスイスフラン | 0.8205フラン → 0.8256フラン | ドルが上昇 |
水準は30日のNY時間の値で、取得元はザイFXである。ドル指数、人民元、韓国ウォンは、今回も信頼できる数値を確認できなかった。
ドル円の動き
30日のNY時間は、いったん円が買われた。日銀の12月の利上げを意識した動きで、ドル円は156円96銭まで下げた。その後は、フーシ派によるサウジの製油所への攻撃を受けて原油が上がったことと、FRB高官が速やかな段階的利上げの必要性を指摘したことで、ドルが買われ、157円64銭まで戻して引けた(ザイFX)。同日の米経済指標は、第3四半期の雇用コスト指数が前期比0.8%の上昇で予想どおり、シカゴ購買部協会景気指数は55.3で予想の56.0を下回った(同上)。
週間では、26〜30日にドル円は156円65銭〜158円35銭で推移し、157円70銭前後で終わった(みんかぶFX: 為替相場まとめ)。東京時間・欧州時間の動きは、週末をはさんだため新しい情報がない。月曜朝の取引は始まったばかりで、値動きは確認できていない。
円安・円高の影響は両面ある。円安は輸出企業の業績や海外資産の円換算額を押し上げる一方、輸入物価を通じて家計の負担を重くする。円高はその逆に働く(筆者の整理)。
その他の主要通貨
- ユーロ: ユーロドルは、ドイツの消費者物価の伸びが鈍かったことでユーロ売りが加速し、1.1136ドルまで下げた。ラガルドECB総裁が12月の利上げの可能性に触れたことで、週の中ではいったん1.12ドル台へ戻していた(ザイFX、みんかぶFX)
- ポンド: 英国の秋季予算案が堅実と受け止められて1.34ドル台まで買われたが、30日は1.3374ドルへ反落した。5日のBOEの政策金利発表が次の焦点である(ザイFX、みんかぶFX: 来週の主な予定)
- 豪ドル・アジア通貨: 3日にRBAが政策金利を発表する。人民元と韓国ウォンは、信頼できる数値を確認できなかった
当局の姿勢と介入
1日と2日朝の時点で、財務省・日銀による為替に関する発言や、介入の実施・認否は、確認できた範囲では見当たらない。確認されている最近の介入は、7月末の日米協調介入である。日米の財務相は8月3日に声明を出し、さらなる実施をちゅうちょしないとした(時事通信)。
植田日銀総裁は6日にIMFの会合で講演する予定である。12月の利上げについて、何か示唆が出るかが関心事になっている(OANDA証券)。
ポジションと相場観
IMM通貨先物(CFTCが毎週公表する、大口投機家の持ち高)では、27日時点の円は10万1591枚の買い越しで、前週から3万1713枚増えた(みんかぶFX: CFTC建玉報告)。次の公表は6日の見込みで、30日時点の数字になる。
OANDA証券は、3日の米中間選挙について3つの場合を想定している。共和党が議会で優位を保つ場合は政策推進への期待でドル買いになりうるが、可能性は低いとみる。上下院で多数党が分かれる「ねじれ議会」を主なシナリオとし、政策の停滞懸念でドルは上値が重いとする。民主党が優位に立つ場合は、トランプ政権の影響力が弱まるとの見方からドル売りが加速する可能性がある、としている(OANDA証券: 週間為替展望)。売買の推奨ではない。
テクニカル分析(ドル円)
今回の出典では、移動平均線やRSIの最新値は確認できなかった。確認できたのは、26〜30日の週のレンジ(156円65銭〜158円35銭)と、OANDA証券の予想レンジ(ドル円は155円00銭〜159円50銭、ユーロドルは1.1000〜1.1300ドル)である。予想レンジとは、1週間に相場が収まりそうだと予想される値の幅で、実際に超えることもある。
今夜の注目イベント
2日(月)の日本時間の主な予定は次のとおり(ザイFX: 注目材料スケジュール、みんかぶFX: 来週の主な予定)。
- 2日(月): 米ISM製造業景況指数(10月)と、アップルの決算。米国が冬時間に移ったため、米国の指標発表は日本時間で1時間遅くなり、ISMは3日0時になる(筆者の計算)
- 3日(火): 米中間選挙。日本は文化の日で東京市場は休場。RBAの政策金利発表もある
- 4日(水): 米国債入札、ADP雇用統計、ISM非製造業景況指数
- 5日(木): BOEの政策金利発表
- 6日(金): 米国の10月雇用統計と、植田日銀総裁の講演

