前回からの変化

前回(2026-11-04、前日)との比較である。前回は、3日の投票が終わり、結果が出る前の段階だった。今回は、開票結果が出そろった。

変わったこと(変化・新規)

  • 前回は「結果は未確定」だったが、民主党が上下両院を制した。上院ではサウスカロライナ州で約30年ぶりに民主党の議席が生まれ、テキサス州でも民主党のタラリコ氏が勝ったと報じられた(報道ベース。Al Jazeera: 中間選挙の勝者と敗者)。
  • トランプ大統領は、共和党の敗北の一因にイラン戦争があったと認めた(報道ベース。Al Jazeera: イラン戦争ライブ)。
  • ブレント原油は前回報告時点から変化し、4日に3.20ドル安の100.40ドル、WTI原油は3.01ドル安の93.08ドルとなった(Al Jazeera: 米市場)。前回は水準を特定できなかった。
  • イランのハメネイ師が、新たな攻撃への反撃は「ずっと広い規模」になると述べた。

昨日と同じこと(継続)

  • 米国とイランの対立と協議が並行する構図は続いている。イラン側は、新たな攻撃には「即座に反応する」としている。
  • ウクライナ協議は、アブダビで11月前半に開く方向で、まだ日程が確定していない。前回は10日から11日と報じられていたが、今回の調査では3者の共同確認は見つからなかった(Ukranews)。
  • ロシアとウクライナは、互いの電力施設などを攻撃し合う状態が続いている。

要因の連続性

  • 継続要因: 中東の軍事的な緊張が原油と各国の政治を揺らす構図は、前回と同じである。
  • 新規要因: 民主党が議会を握ったことで、政権の外交・通商・予算の運びに歯止めがかかる可能性が加わった。市場は、政治の不確実さが和らいだとして上昇した。
  • 解消した要因: 前回の「選挙結果が不明」という不確実さは解消した。

今日の要点

地域 出来事 日本への影響 段階
米国 民主党が上下両院で多数 通商・対イラン政策、円相場 開票結果(報道)
中東 ハメネイ師が反撃拡大を警告 原油・LNGの調達 発言
市場 ブレント原油が100.40ドルへ下落 ガソリンなど物価 4日の取引
欧州 ウクライナ協議は11月前半の見込み 対ロ制裁、エネルギー 日程未確定

米国

中間選挙の結果: 民主党が上下両院を制した。上院ではシューマー氏が多数党の院内総務になる見通しである。この結果、トランプ大統領は残りの任期で、民主党が握る議会から法案を止められ、政権の調査も受けうる(いずれも報道ベース。Al Jazeera: 中間選挙の勝者と敗者)。議席数は、調査した範囲で確認できなかった。

市場の反応: ダウ平均は1.8パーセント、エスアンドピー500は1.1パーセント上昇し、輸入に頼る小売株が買われた。市場では、政治の不確実さが和らいだとの見方が出ている一方、AI やテック分野の立法には障害が増えるとの警戒もある(各社の見方。Al Jazeera: 米市場)。

日本への影響: 議会が対立すると、関税などの通商政策を大統領だけで進めにくくなる可能性があり、日本の輸出企業の見通しに関わる(筆者の整理)。ただし、具体的な政策の変更はまだ示されていない。

欧州

ウクライナ: ロシアの報道官ペスコフ氏は、民主党の躍進後もトランプ氏が「和平の取り組みを続ける」ことへの期待を示した。ロシアの攻撃でウクライナ9州の電力施設が損傷し、キーウ周辺などで広く停電した。ロシア側は700発超のウクライナ軍ドローンを撃墜したと発表している(Al Jazeera: ベルゴロド州)。3者協議は、アブダビで11月前半の開催が見込まれている(Ukranews)。

日本への影響: 協議が進めば、対ロ制裁とエネルギー市場の見通しが変わりうる。攻撃が続けば、制裁は続き、欧州のエネルギー不安も残る。

アジア・オセアニア

中国・台湾・朝鮮半島、インド、東南アジア、豪州について、日本に直接影響する新たな動きは、今回の調査では確認できなかった。なお、米中の貿易休戦は2027年1月10日まで延長されており、トランプ氏と習近平国家主席は11月に深圳のAPEC首脳会議の場で会う予定と伝えられている(報道ベース。前回レポートの日程と同じ)。

中東・アフリカ・中南米

イラン: ハメネイ師は、米国とイスラエルによる新たな攻撃があれば、イランの対応は「ずっと広い規模」になると述べた。議会議長のガリバフ氏は、米中間選挙の結果を、米国民の戦争への「ノー」だと受け止める投稿をした(いずれも報道ベース。Al Jazeera: イラン戦争ライブ)。ホルムズ海峡の再開や協議の新しい進展は、今回の調査では確認できなかった。

日本への影響: 日本は原油とLNGの多くを中東に頼る。原油は下落したが、イランが反撃を警告している限り、海峡の通航と調達の不安は消えていない。

イエメン: 政府側の部隊が、北部ジャウフ州の山岳地帯の支配を主張した。前回は、フーシ派がアデン近くまで進んだと報じられており、現地の情勢は流動的である(Al Jazeera: ジャウフ)。

日本への影響: 紅海周辺の航路が不安定な状態が長引くと、日本の海運や保険料に影響する可能性がある(筆者の整理)。

南アフリカ: 4日に地方選挙が行われ、与党ANCへの審判とされる(Al Jazeera)。日本への直接の影響は、現時点では小さいとみられる。

国際機関・多国間の動きと、日本を名指しした動き

日本への影響を書ける国際機関の新規の動きや、日本を名指しした海外の発言・措置は、今回の調査では確認できなかった。

今後数日の注目日程

  • 11月5日(木): BOEの政策金利発表(前回報告の日程)
  • 11月6日(金): 米国の10月雇用統計
  • 11月7日(土): ニュージーランドの総選挙
  • 11月8〜11日: ベトナムのトー・ラム書記長が来日(日本政府の発表による)
  • 11月前半: 米国・ロシア・ウクライナの協議がアブダビで開催の見込み(日程は未確定)
  • やや先の予定: 11月18〜19日にAPEC(深圳)、12月14〜15日にG20首脳会議(マイアミ)