前回からの変化
前回(2026-10-29、前日)との比較である。
変わったこと(変化・新規)
- イスラエル総選挙は、前回の「開票85.6%」から開票が完了し、首相陣営53議席、アイゼンコット氏の陣営48議席、アラブ系政党19議席で確定した。数字は前回の途中経過と同じで、どの陣営も61議席に届かない。アイゼンコット氏は元首相のベネット氏、民主党のゴラン党首と協議を始めたが、アラブ系政党との連携は否定している。リクード側は根拠の示されていない不正の主張を続けている。最終の認定は11月4日ごろの見込みである(Al Jazeera)
- イラン情勢では、イランが7日でのホルムズ海峡の再開案を示す一方、トランプ大統領は和平協議を否定したと伝えられた。前回の「4〜5日で再開」という説明から日数が変わっている。具体的な条件は本日の出典では確認できなかった(見出しとライブ記事の概要のみ。Al Jazeera)
- ブラジル大統領選の決選投票は、現職のルラ氏がフラビオ・ボルソナロ氏に400万票超の差で勝利した。前回は敗者側の無効申し立てを伝えたが、本日、ボルソナロ氏が米マイアミへ出国したと伝えられた(新規。Al Jazeera)
- 米連邦準備制度理事会は28日に政策金利を据え置いたが、2人の委員が利上げを主張して反対した(新規。Trading Economics)
昨日と同じこと(継続)
- ブレント原油は29日に1バレル=115.45ドル前後で、前回の114.68ドルからほぼ横ばいの高止まりが続く(Trading Economics)
- 茂木外相は30〜31日に米国のアトランタでG20外相会合に出席する予定で、日程に変更はない(NHK)
- EUの対ロシア第22弾制裁は準備が続き、採択は早ければ10月中、現実的には11月との見方が前回から変わっていない
要因の連続性
- 継続要因: ホルムズ海峡の供給不安とイラン情勢の停滞が、原油を高止まりさせる中心の要因として続く。イエメンのフーシ派によるサウジアラビアへのミサイル攻撃の報もある
- 新規要因: イスラエルの連立協議の長期化の見通しと、ブラジル大統領選をめぐる米国の関与の報道が加わった。米国の利上げ観測も新たな材料である
- 解消した要因: 「イスラエル総選挙の結果待ち」は開票完了で一段落した。ただし連立協議という次の不確実性に移った
今日の要点
| 地域 | 出来事 | 日本への影響 | 段階 |
|---|---|---|---|
| 中東 | イスラエル総選挙が確定、どの陣営も過半数に届かず | 原油・中東情勢 | 開票完了、連立協議へ |
| 中東 | イランが海峡の再開案、米国は協議を否定 | 原油・LNG調達 | 報道ベース |
| 中南米 | ブラジル大統領選の敗者が米国へ出国 | 資源・食料の調達 | 報道ベース |
| 米国 | FRBが据え置き、2人が利上げを主張 | 円相場・金利 | 決定済み |
米国
FRBの据え置き: 28日の連邦公開市場委員会は政策金利を据え置いた。声明は景気を「強い」、物価を「高止まり」と表現し、2人の委員が25ベーシスポイント(0.25パーセントポイント)の利上げを主張して反対した。ウォーシュ議長は2027年から、金利を決める会合の回数を減らす方針を示した(決定済み。Trading Economics)。日本への影響: 米国の利上げ観測が強まれば、ドル高・円安の要因になり、輸入物価やガソリン、電気料金に響く。
ブラジル大統領選への発言: トランプ大統領は「どちらにも肩入れしていない」としつつ、選挙を「国民にとって大きな恥」と評した。米政権がボルソナロ氏の出国を助け、家族に永住権を与える計画だったとも伝えられた(報道ベース。Al Jazeera)。日本への影響: ブラジルは日本の鉄鉱石、大豆、コーヒー、とうもろこしの主要な調達先で、通貨の下落は現地の価格や調達コストに波及しうる(筆者の整理)。
欧州
対ロシア制裁: EUの第22弾制裁パッケージは、約1,570の法人・個人を制裁対象に加える内容とされ、10月中の採択を目指す報道と、11月が現実的とする見方が併存している(準備段階・報道ベース。TASS(Bloomberg))。日本への影響: 日本も対ロ制裁で欧米と歩調を合わせており、対象企業が日本企業の取引先に含まれるかが論点になりうる(筆者の整理)。
アジア・オセアニア
中国の五中全会: 中国共産党中央委員会の第5回総会は26日に始まり、29日が閉幕予定日だった。党の自己統治の決定が主題とされるが、閉幕時の公報の内容は、本日の出典では確認できなかった(会議の結果は未確認。前回の出典: Reuters(Internazionale))。日本への影響: 党の統制強化の方針は、中国の経済運営や対外姿勢を読む手がかりになり、日中関係と日本企業の中国事業に関わる。
中東・アフリカ・中南米
イスラエルの連立協議: 首相陣営は53議席、アイゼンコット氏の陣営は48議席、アラブ系政党は19議席で、過半数の61議席に届かない。イスラエルのヘルツォグ大統領が各党と協議し、指名を受けた人物には組閣まで42日の猶予がある。失敗すれば再選挙となる。ネタニヤフ首相はアラブ系政党との連携を「恥」と述べており(Al Jazeera: 28日の解説)、アイゼンコット氏も連携を否定している(開票完了、連立は未確定。Al Jazeera、Ynetnews)。日本への影響: 組閣が長引けば、ガザとイランへの対応が定まらない期間が続き、原油価格と中東情勢を通じて日本のエネルギー調達に波及しうる。
イラン周辺: イランが7日でのホルムズ海峡再開案を示し、トランプ大統領は和平協議を否定したと伝えられた。イエメンのフーシ派は、サウジアラビアの首都リヤドをねらうミサイルを発射し、サウジ主導の連合が2発を迎撃した。ブレント原油は29日に115ドル台で、欧州は今後3か月で4,200万バレルの備蓄を放出する計画とされる(報道ベース。Al Jazeera、Trading Economics)。日本への影響: 日本は原油の大半を中東に頼っており、海峡の通航と戦争保険料の動きが調達コストに直結する。
国際機関・多国間の動きと、日本を名指しした動き
茂木敏充外相は、30〜31日に米国のアトランタで開かれるG20(主要20か国・地域)外相会合に出席し、日米豪印の枠組み「クアッド」の外相会合も開く。中東、ウクライナ、エネルギー安全保障が議題になる見通しである(NHK)。日本への影響: 日本が中東情勢とエネルギー供給で何を訴えるかが焦点になる。日本を名指しした海外の発言や措置は、確認できた範囲では見当たらない。
今後数日の注目日程
- 30日(金): 日銀会合の結果発表。G20外相会合(31日まで)とクアッド外相会合
- 11月3日: 米中間選挙。イラン対応が動くかが注目される
- 11月4日ごろ: イスラエル総選挙の最終結果の認定の見込み
- 随時: EUの第22弾対ロ制裁の採択、中国の五中全会の公報、ホルムズ海峡の通航

