前回からの変化
前回(2026-10-29付、28日の取引)との比較である。今回は29日(木)の取引を扱う。
変わったこと(変化・新規)
- S&P500は7,743.98から7,720.39へ0.30%下落、ナスダック総合は26,549.85から26,184.73へ1.38%下落、NYダウは52,475.10ドルから52,342.56ドルへ132.54ドル(0.25%)下落した。前回の3指数そろっての小幅高から一転して下落した(Yahoo Finance)
- 前回「下落(率は未確認)」だったアルファベットは、約12.6%安と過去最大級の下げになり、時価総額で約5,000億ドルが失われた(Stock Titan)
- 米10年債利回りは前回の5.05%から4.989%へ低下し、5%台から下がった。VIXは16.91から17.20へ上昇した(Yahoo Finance)
- 前回予告のアマゾン決算は、時間外で下落した。下落率は報道により約4%から約6.7%とばらつく(同上、Stock Titan)
昨日と同じこと(継続)
- 大手テック決算でAI投資の収益化が問われる構図は続き、マイクロソフトの好決算は相対的に堅調だった(前回の4%高に続く)
- 追加利上げへの警戒は続いた
要因の連続性
- 継続要因: AI投資の持続性への疑問と、利上げ警戒。前回もAI投資の対効果が弱気派の論点だった
- 新規要因: アルファベットのフリーキャッシュフロー91億ドルの赤字、7〜9月期GDPの年率3.4%成長、9月PCEの前年比3.6%がそれぞれ新たに加わった(Stock Titan)
- 解消した要因: 前回の様子見材料だったマイクロソフト・アルファベット決算とFOMCの結果待ちは解消した
市況サマリー
| 指数 | 終値 | 騰落率 | 前回終値 |
|---|---|---|---|
| S&P500 | 7,720.39 | 0.30%安 | 7,743.98 |
| NASDAQ総合 | 26,184.73 | 1.38%安 | 26,549.85 |
| NYダウ | 52,342.56ドル | 0.25%安 | 52,475.10 |
取得時点は2026年10月29日(木)のNY市場引け値(共同通信、Yahoo Finance)。ナスダック100の終値は確認できなかったため、ナスダック総合を記載する。ラッセル2000は1.01%高だった。
指数別動向
S&P500
S&P500は0.30%安の7,720.39で、3日続いた上昇が止まった。アルファベットの急落が重しとなり、ソフトウェア株の下落も響いた。一方、ヘルスケア、金融、不動産といった防御的なセクターには資金が流入した(Stock Titan)。
ナスダック100
ナスダック総合は1.38%安の26,184.73と3指数で最も大きく下げた。サービスナウが25%超、フォーティネットが約20%安など、ソフトウェア株の下落が目立った(Yahoo Finance)。ナスダック100そのものの終値は確認できなかった。
NYダウ
NYダウは132.54ドル安(0.25%安)の52,342.56ドルだった(共同通信)。構成銘柄の寄与の詳細は確認できなかった。
強気派 vs 弱気派
強気・建設的な見方:
- Yahoo Financeのまとめは、GDP成長率が年率3.4%に加速し消費も堅調なことを根拠に、景気の底堅さを強気材料に挙げた。ラッセル2000が1.01%高となり、大型テック以外に投資機会があるとの見方も示した(Yahoo Finance)
弱気・警戒の見方:
- 同じまとめは、大型テックの収益化の遅れが露呈してAI関連の懸念が再燃し、PCEの加速で利上げ期待が強まったと指摘した(同上)
- Stock Titanは、アルファベットの設備投資が事業の稼ぐ現金を上回りフリーキャッシュフローが赤字になった点を、下落の主因として伝えた(Stock Titan)
いずれも相場観であり、事実ではない。発言者の氏名・所属が確認できる主張は今回見つからなかった。調査は主に2サイトにとどまった。
経済ニュース
7〜9月期のGDPは年率3.4%と、4〜6月期の2.2%から加速した。9月のPCEは前年比3.6%となった(Stock Titan)。市場予想との差は確認できなかった。
個別では、アルファベットが売上高の予想未達と91億ドルのフリーキャッシュフロー赤字で約12.6%下落した。マイクロソフトは前日の好決算を受け堅調だった。アマゾンは設備投資2,200億ドルを維持した一方、直近12か月のフリーキャッシュフローが赤字となり時間外で下落した。インテルは10〜12月期の売上見通しが予想を下回り、時間外で約17.6%安となった。イーライリリーは売上高が39%増で通期見通しを引き上げ、6.4%高となった(Yahoo Finance、Stock Titan)。
金利・為替が株に効いた分
米10年債利回りは4.989%と前回の5.05%から低下した。ただしPCEの加速で利上げ期待は強まり、金利低下の恩恵よりもAI投資の収益化への不安が株価を左右した。高金利の下では、設備投資が重いテック株にフリーキャッシュフローの悪化が厳しく響いたとみられる(筆者の整理)。為替の動きは今回の出典では確認できなかった(詳細はfxを参照)。
テクニカル分析(S&P500・ナスダック100・NYダウ)
50日・200日移動平均線、RSI、サポート・レジスタンスの値は、今回の出典では確認できなかった(未確認)。確認できる範囲では、VIXは17.20と前回の16.91から小幅に上昇したものの、警戒感が急速に高まった水準とはいえない。S&P500は前回、15日の高値7,744.06に0.08ポイントまで迫ったが、29日は下落してこの高値を超えられなかった。この高値が引き続き上値の目安として意識されやすいとされる。断定的な売買推奨ではない。
今夜の注目イベント
30日(金)の米国市場では、エクソンモービルとアッヴィの決算発表と、雇用コスト指数の発表が予定されているとされる。アルファベット急落とインテルの時間外下落を受けた、テック株の反応が焦点になる。
