前回からの変化

前回(2026-10-17)との比較。本カテゴリは週次のため、比較対象は1週間前である。

変わったこと(変化・新規)

  • 日経平均は前週末の6万5324円から6万2693円へ2631円(4.0%)下落した。22日に1713円安で7月30日以来の安値となった(japan_stock 10/23、財経新聞)。
  • 米株は指数でまちまちになった。S&P500は7,659.44から7,623.68へ0.47%、ナスダック総合は26,140.03から25,955.34へ0.71%下落し、NYダウは52,002.41から52,215.16へ0.41%上昇した(us_stock 10/24)。
  • 主役はAI債務の話から、Meta決算後のAI投資懸念と中東・原油高に移った。22日にMetaが約7%下落し、半導体株指数は6.7%急落した(us_stock 10/23)。
  • 金は先週末の4,165.52ドルから23日に3,994.60ドルとなり、7月以来初めて4,000ドルを割り込んだ(commodity 10/24、FXStreet)。
  • 先週末に99.02ドルだったWTI原油は103.46ドルへ上昇し、ブレントは116.88ドルと6か月ぶりの高値圏になった。

昨日と同じこと(継続)

  • 半導体・AI関連株が相場の中心である構図は先週から続いた。
  • 12月の米利上げ観測と米長期金利の高止まりが、株と金の重しとして続いた(commodity 10/21〜10/24)。
  • ホルムズ海峡をめぐる緊張が続き、23日にはトランプ大統領が追加攻撃の可能性に言及した(world_affairs 10/23、10/24)。

要因の連続性

  • 継続要因: 中東情勢を背景にした原油高と、12月の米利上げ観測が先週から引き続き働いた。
  • 新規要因: Meta決算後のAI投資懸念、日本の全国CPIの2%超え、台風30号の先島諸島への接近が加わった。
  • 解消した要因: 先週の焦点だった米CPI・PPI、ウォーシュ議長の対談、EU首脳会議は通過した。

1. 今週の要点

出来事 関係カテゴリ 週内の推移
AI株売りと半導体株の急落 us_stock, japan_stock, china_stock 19日 ナスダック1.1%高 → 22日 Meta約7%安・半導体株指数6.7%安 → 日経平均1713円安
原油高と中東情勢の緊迫 commodity, world_affairs, fx ブレント109ドル台 → 22日 112.87ドル → 23日 116.88ドル。トランプ大統領は追加攻撃に言及
金の急落 commodity, fx 4,140ドル台 → 22日 4,024ドル → 23日 一時4,000ドル割れ。週間で約4%下落
日本の全国CPIと日銀 econ_indicators, fx 23日 コアCPI 2.1%(予想どおり) → 日銀は29〜30日に据え置きとの見方が多い
台風30号の先島諸島接近 disaster 19日 グアム通過 → 23日 航空便欠航・停電 → 24日 西日本へ向かう可能性

2. 今週の主要な出来事(横断)

AI関連株の売りと半導体株の急落

週の前半は戻りがあった。19日はナスダック総合が1.1%上昇し、20日は資金がAIから医療などの割安株へ移ってNYダウが1.05%上昇した(us_stock 10/20、10/21)。21日の引け後にMetaとTeslaが決算を出し、Metaは売上高が予想を上回ったが、22日の取引で約7%下落した。半導体株指数は6.7%安と6月23日以来の下げ幅になり、ナスダックは2.60%安だった(us_stock 10/23、earnings 10/22)。これを受けて東京では22日に日経平均が1713円安の6万2907円となり、7月30日以来およそ3か月ぶりの安値をつけた(japan_stock 10/23)。23日の日経平均は一時6万1462円まで下げたものの、買い戻しで214円安の6万2693円で終えた(japan_stock 10/24、財経新聞)。

原油高と中東情勢

ブレント原油は週初の109ドル台から、22日に112.87ドル、23日に116.88ドルへ上昇した(commodity 10/20〜10/24)。トランプ大統領は22日にイランへの追加攻撃を示唆し、イラン革命防衛隊は米軍基地を標的にすると警告した(world_affairs 10/23)。23日のNYダウは652ドル安で、航空株が4%超下落した(us_stock 10/24、Yahoo Finance)。IEAのビロル事務局長は、欧州のガス在庫が貯蔵能力の約72%にとどまったまま冬に入ると警告した(world_affairs 10/24、Al Jazeera)。

金の急落と利上げ観測

金は週を通じて下げ、22日に2.82%安の4,024ドル、23日には一時3,986ドル台まで下げた。FXStreetは週間で約3.9%の下落と伝えている(commodity 10/23、10/24)。12月の米利上げ観測は週半ばに約94%から約86%へ下がったが、金は米長期金利が下がる中でも売られた(commodity 10/23)。

日本の全国CPIと円相場

23日発表の9月の全国コアCPIは前年比2.1%上昇で予想どおり、9か月ぶりに日銀の物価目標2%を上回った。コアコアは2.4%で予想の2.3%を上回った(econ_indicators 10/24、NHK)。ドル円は22日に158円台前半から156円79銭へ下げ、23日は156円08銭まで下げたあと156円台後半に戻った(fx 10/23、10/24)。

台風30号

台風30号は18日未明にグアムの南を通過し、23日に先島諸島へ最接近した。23日には航空便203便が欠航し、24日の報告では約1万4千戸が停電し、西表島で10月の観測史上最大の暴風を観測した(disaster 10/19〜10/24)。台風は26日にかけて西日本へ近づく可能性がある。

3. 大カテゴリ別の1週間

市場・金融

us_stockはナスダックが19日に反発したあと22日に急落し、23日はNYダウが1.23%安だった。chinaは上海総合指数が22日に1.48%安の3,658.03と約1年2か月ぶりの安値をつけ、23日は0.89%高の3,690.48と反発した(china_stock 10/23、10/24)。earningsは、GE・RTXが予想を上回り、ネットフリックス・メタ・テスラは決算後に株価が下げ、ロッキード・マーティンは通期見通しを2期連続で引き上げた(earnings 10/21〜10/23)。cryptoは、ビットコインが8万1千ドル台で推移し、23日にはマレーシアとタイの中央銀行が国境をまたぐデジタルマネーの枠組みBLOOMに参加した(MAS)。

日本の政策・制度

消費税減税法案は20日に衆院本会議で審議入りしたが、高市首相は財源の具体策と給付額を示さず、国民民主党は住民税の減税などを柱とする対案を出した(jp_gov_watch 10/21)。改正地域公共交通活性化再生法は16日に施行された(jp_law_watch 10/20)。

国際情勢

中東ではイランが米国に交渉の意思がないと批判し、ロシアのラブロフ外相がイランを訪れた。EUは対ロ制裁を維持する方針を確認した(world_affairs 10/20〜10/22)。中国の7〜9月期GDPは前年比4.5%増と予想を上回った(world_affairs 10/20)。

ビジネス・産業

trade_watchは、コンテナ運賃のWCIが15週ぶりの高値になり、中国が建設機械の輸出管理を11月18日から始めると伝えた。日本の9月の輸出は13か月連続で増えた(trade_watch 10/23)。

科学技術

ai_newsは、DeepSeekの推論基盤DeepInferの公開、GPT-6のGoogleクラウド提供、AnthropicのClaude Duetの研究プレビュー、24日のAnthropicによる公開ライブラリの安全性証明の発表を扱った(ai_news 10/21〜10/24)。health_watchはFDAの直腸がん薬の迅速承認などを伝えた(health_watch 10/20)。

社会・生活

台風30号が前述のとおり先島諸島に被害をもたらし、宮古島市では強風で転倒した70代の女性が骨折した(disaster 10/24)。

4. 市場の週間集計

指標 前週末(10/16) 今週末(10/23) 週間の動き
日経平均株価 65,324.29円 62,693.16円 -2,631.13円(-4.0%)
S&P500 7,659.44 7,623.68 -35.76(-0.47%)
NYダウ 52,002.41ドル 52,215.16ドル +212.75ドル(+0.41%)
NASDAQ総合 26,140.03 25,955.34 -184.69(-0.71%)
WTI原油 99.02ドル 103.46ドル +4.44ドル(+4.5%)
金 4,165.52ドル 3,994.60ドル -170.92ドル(-4.1%)
ビットコイン 81,570.40ドル 81,264.28ドル -306.12ドル(-0.4%)

日経平均は財経新聞、米株はYahoo Financeの23日のNY引け、原油・金はTradingEconomicsの表示値で、前週末値は先週の週報の掲載値である。金は一時4,000ドルを割り、終値ベースの週間下落率は出典により約3.9%とも伝えられている。ドル円は16日のNY終盤の158円05銭前後から23日の24日午前0時時点の156円78銭へ、約1円27銭の円高となった。TOPIXは23日に3,965.81で、先週末値は確認できなかった。上海総合指数は23日に3,690.48で、先週末値は確認できなかった。米10年債利回りの23日の終値は確認できなかった。週内の強気・弱気の主張は、「AI投資は過剰」と「割安株へ資金が回っているだけ」に分かれたが、評価は断定しない。

5. 先週の予定との答え合わせ

先週日曜(10/18)の今週の予定(week_ahead)で挙げられていた主な予定の結果は以下のとおり。

予定 結果
10/19 中国7〜9月期GDP 実施。前年比4.5%増と予想の4.4%を上回った
10/21 英9月CPI 実施。前年比3.5%で予想の3.4%を上回り、英中銀の11月利上げが97%織り込まれた
10/21〜22 メタ・テスラ決算 実施。メタは売上高が予想を上回ったが株価は約7%下落。テスラは営業利益が56%減
10/23 日本の9月全国CPI 実施。コア2.1%で予想どおり、9か月ぶりに2%超
10/23 米PMI速報値 実施。製造業が予想を上回りドル買いが戻った
10/22 トルコ中銀の政策金利、10/23 日銀の金融システムリポート 本稿では結果を確認できていない(未確認)

「山場」とされたメタ決算は、AI過剰投資の懸念を和らげるどころか、決算後の株価下落と半導体株の急落につながった。一方、予定表にない中東情勢と原油高が週後半の相場を大きく左右した。

6. 来週に持ち越す論点

  • 10月27〜28日のFOMC。据え置きとの見方が優勢だが、12月の利上げ観測が続くかが焦点である。米国債と原油の動きが手がかりになる
  • 29〜30日の日銀会合。全国コアCPIが2%を上回った中で、政策金利1.25%の据え置きが多数派の見方である
  • AI投資への懸念と半導体株の行方。22日の急落からの戻りが続くかが焦点である
  • イランをめぐる中東情勢とホルムズ海峡、原油の高止まり。欧州のガス在庫の不足も冬を前に残る
  • 25日のブラジル大統領選の決選投票、消費減税法案の国会審議と財源の具体策、26日にかけて西日本へ近づく可能性のある台風30号