前回からの変化
前回(2026-10-23、22日の値)との比較である。今回の価格はTradingEconomicsの23日の表示値で、取得時刻と限月は確認できていない。確定終値でないものを含む。
変わったこと(変化・新規)
- 金は前回の4,024.21ドルから3,994.60ドルへ(29.61ドル安、0.74%安)下げ、4,000ドルの大台を割り込んだ。前回は「4,000ドルを試す」段階だったが、今回は割り込んで3か月ぶりの安値となった(TradingEconomics: Commodities、FXStreet)
- 銀は54.59ドルから53.88ドルへ(1.29%安)続落した。前回の5.8%安の急落からは下げ幅が縮んだ(TradingEconomics: Commodities)
- WTIは99.10ドルから103.46ドルへ(4.02%高)、ブレントは112.87ドルから116.88ドルへ(3.27%高)上げた。WTIは100ドルの大台を明確に上回った(同上)
- 12月の米利上げの織り込みは前回の約86%から、FXStreetでは78%、FinanceFeedsでは約80%へやや低下した。ただ、なお高い水準である(FXStreet、FinanceFeeds)
- 天然ガスは前回の2.7758ドルから2.6219ドルへ(6.23%安)下げた。前回は下げ止まりだったが、再び急落した(TradingEconomics: Commodities)
昨日と同じこと(継続)
- ホルムズ海峡周辺の緊張による原油高と、それに伴う米利上げ観測が貴金属の重しになる構図は続いている
- 小麦は625.00セントで0.04%高とほぼ横ばいで、前回の624.75セントから動いていない
要因の連続性
- 継続要因: 中東の供給不安による原油高と米利上げ観測。金の下落要因として前回に続いて働いた。株式市場のAI関連株の売りが貴金属の現金化売りを誘う構図も、前回に続いて指摘された(FinanceFeeds)
- 新規要因: 米国の景況指標の混在。消費者心理が5か月ぶりの低さに悪化した一方、製造業PMIは56.0に改善し、サービス業PMIは57.9に低下した(FXStreet)。また、欧州のガス在庫が過去最低の水準にあるとIEAが警告し、エネルギー供給への警戒が加わった(Al Jazeera)
- 解消した要因: 前回新規とされた米長期金利の低下は、今回の出典では確認できなかった。なお米国の天然ガスは、前回「下げ止まり」の要因とみられた材料が薄れ、下落が再開した
価格サマリー
| 商品 | 価格(2026年10月23日) | 騰落率(前日比) | 前回値(10月22日) |
|---|---|---|---|
| 金(スポット) | 1オンス3,994.60ドル | 0.75%安 | 4,024.21ドル |
| 銀 | 1オンス53.88ドル | 1.29%安 | 54.59ドル |
| WTI原油 | 1バレル103.46ドル | 4.02%高 | 99.10ドル |
| ブレント原油 | 1バレル116.88ドル | 3.27%高 | 112.87ドル |
| 天然ガス | 1MMBtu 2.6219ドル | 6.23%安 | 2.7758ドル |
小麦は1ブッシェル625.00セント(0.04%高)、トウモロコシは456.00セント(0.98%安)、大豆は1,257.50セント(0.36%高)、銅は1ポンド6.4654ドル(1.62%高)である。表示値はTradingEconomicsで、取得時刻と限月は確認できていない。ブレントはFinanceFeedsが「114ドル」、Al Jazeeraが10月中旬に114.47ドルと伝えており、取得時点や限月の違いで数字が異なる(TradingEconomics: Commodities、Al Jazeera)。
商品別動向
金・銀
FXStreetによると、金は週間で約3.9%下落し、一時3,975ドルまで下げて3か月ぶりの安値を付けた。FinanceFeedsはアジア時間の安値を3,986.74ドル、その後の戻りを約4,014ドルと伝えている。出典により安値の数字が異なるが、4,000ドルを割り込んだ点は共通する(FXStreet、FinanceFeeds)。
背景は、WTIが100ドルを超えたことによるインフレ懸念と、それに伴う米利上げ観測である。金は利息を生まない資産なので、金利が上がると保有の魅力が下がる。FinanceFeedsは、前日のAI関連株の売りで、損失の穴埋めや追加の担保のために流動性の高い金も売られたと説明している。銀は53.88ドルと、54ドルを割り込んだ。
原油
WTIは103.46ドルで4.02%高、ブレントは116.88ドルで3.27%高となった。中東の緊張が続き、Al Jazeeraは、イラン戦争が2月28日に始まる前の2月27日にブレントが72.48ドルだったのに対し、4月30日に126.41ドル、10月中旬に114.47ドルと伝えている。戦前に比べて高い水準が続いている(Al Jazeera)。
天然ガス
米国の天然ガス先物は2.6219ドルで6.23%安だった。この日の下落の理由を明示した出典は確認できなかった。前回は温暖な気象見通しが下落要因とされており、その流れが続いた可能性があるが、確認できていない憶測である(TradingEconomics: Commodities)。
農産物
小麦は625.00セントで横ばい、トウモロコシは0.98%安、大豆は0.36%高だった(同上)。
急変動の特集
原油が1日で4%高 天然ガスは6%安と明暗
- 何が起きたか: WTIは99.10ドルから103.46ドルへ4.02%上昇し、100ドルを超えた。一方、米国の天然ガスは2.7758ドルから2.6219ドルへ6.23%下落した。いずれも目安の3%を超えた(TradingEconomics: Commodities)
- なぜ動いたか: 原油は、ホルムズ海峡周辺の緊張と供給不安が続いていることが背景である。FXStreetは、WTIが100ドルを超えて中東の緊張が高まったと伝えている(FXStreet)。天然ガスの急落の理由は、出典で確認できなかった
- 生活・産業への波及: 原油高は、ガソリンや電気料金など日本の物価を押し上げる方向に働く(一般論)。IEAのファティ・ビロル事務局長は、欧州のガス在庫が貯蔵能力の約72%にとどまり、通常の約90%を下回ると警告した。ガス価格は2月以降に約140%上昇しており、アジアも中東のエネルギーへの依存度が欧州より高く、液化天然ガス(LNG)をめぐって欧州と競合しているという(Al Jazeera)。米国の天然ガスが下がる一方で、欧州やアジアの需給は逼迫している点が対照的である
- 先行きの見方: 原油は、27〜28日のFOMCと29日の米個人消費支出(PCE)物価指数で、インフレ観測がどう動くかが焦点になる
強気派 vs 弱気派
金(強気): FinanceFeedsによると、鉱山会社ニューモントの1オンスあたりの実現価格は4,317ドルで、生産コストの全体は1,454ドルにとどまる。この点から「売りは強制的な売りで、見方が変わったわけではない」との評価がある。金鉱会社の収益力が価格の下支えになるという根拠である。発言者の個人名は確認できなかった(FinanceFeeds)。
金(弱気): フランスの大手銀行ソシエテ・ジェネラルが、3,940〜3,960ドルの6月安値付近を下値の目安とみているとFinanceFeedsは伝えている。FXStreetのテクニカルな見方では、金は高値と安値を切り下げる構造にあるとされる(FinanceFeeds、FXStreet)。
原油・天然ガス・農産物: 今回の出典では、発言者と根拠を確認できる強気・弱気の見方は見つからなかった。調査は3サイトに届いていない。
地政学・物価関連ニュース
ホルムズ海峡では商船への攻撃が続いている。Al Jazeeraによると、イラン戦争は2月28日に始まり、戦前は世界の石油とLNGの約5分の1がホルムズ海峡を通っていた。ディーゼル価格は米国で倍増したという(Al Jazeera)。
欧州では、IEAのビロル氏が、ガス在庫が歴史的な平均を大きく下回ったまま冬に入ると警告した。EUのLNGの約10%はかつてホルムズ海峡を通っていたが、船舶への攻撃で輸入が大きく減ったという。ロシアの製油所への攻撃で、ディーゼルの供給も約3分の1減っている(Al Jazeera)。
物価への波及は、エネルギー価格の上昇が各国のインフレを押し上げ、FRBが追加利上げに傾くかどうかという形で金融政策につながっている。FXStreetによると、10月のFOMC(27〜28日)での利上げは見込まれておらず、12月の利上げ確率は78%である(FXStreet)。
テクニカル分析(金・銀・原油・天然ガス・農産物)
今回の出典で確認できたのは主に金のテクニカル指標である。銀・原油・天然ガス・農産物の移動平均線とRSIの当日値は確認できなかったため、数値は載せない。断定的な売買判断ではない。
金: FXStreetによると、下値の目安(サポート)は当日安値の3,975ドル、7月17日安値の3,959ドル、年初来安値の3,941ドルである。上値の目安(レジスタンス)は4,100ドル、4,200ドル、100日移動平均線の4,224ドル、50日移動平均線の4,302ドルとされる。価格は両方の移動平均線を下回っており、売りが優勢な位置にある。RSIは売られすぎの水準に近づいているとされ、短期的には反発しやすい面もあるが、高値と安値を切り下げる流れは続いている。FinanceFeedsは、4,065〜4,070ドルを上値の壁、4,120ドルを強気の目標、3,900ドルを弱気の目標としている(FXStreet、FinanceFeeds)。
銀・原油・天然ガス・農産物: 当日のテクニカル指標は確認できなかった。価格の位置としては、銀は前回の下値の目安だった55ドル台を割り込んで53ドル台、WTIは100ドルの節目を上回った。

