前回からの変化
前回(2026-11-03付、2日の取引)との比較である。今回は3日(火)、米中間選挙の投票日の取引を扱う。本レポートの時点(日本時間4日6時)では取引終了の確定値は確認できず、日本時間5時27分時点(取引終了の約30分前)の値を使っている。
変わったこと(変化・新規)
- 指数の明暗が逆になった。NYダウは前回の51,983.98ドルから51,749.24ドルへ234.74ドル(0.45%)下落し、前回の反発が止まった。ナスダック総合は25,164.32から25,349.86へ185.50ポイント(0.74%)上昇した(みんかぶ: NY各市場 5時台)。なお、前回レポートの2日のダウ終値51,984.76ドルは、共同通信などの51,983.98ドルが正しい
- 前回弱かった半導体株が反発した。フィラデルフィア半導体株指数は取引序盤で2.7%高となり、エヌビディアは2.7〜3.0%上昇、AMDは約4%上昇した(Yahoo Finance: Stock market today、MarketScreener)
- 前回の注目だったアップルの決算が出た。売上高1,145億ドル(予想1,134億ドル)、1株利益2.10ドル(予想1.99ドル)と上回ったが、メモリー価格の上昇で10〜12月期の粗利益率の見通しが期待に届かず、株価は2%前後下げた(Stock Titan、日本経済新聞: NYダウ反落で始まる)
- 米10年債利回りは前回の4.9%前後から4.946%へ、前日比0.033ポイント上昇した。前回は低下してダウを支えたが、今回は上昇に転じた(みんかぶ: NY各市場 5時台)
昨日と同じこと(継続)
- 米中間選挙を前に、積極的に買い上がる動きが乏しい構図は続く。投票日の取引で、結果の判明は日本時間4日以降となる
- 前回に続き、ハイテク決算への失望(アップルの粗利益率、ショッピファイの売上高未達)がダウと一部のハイテク株の重しになっている
要因の連続性
- 継続要因: AI投資の収益化への警戒とハイテク決算への失望。欧州株もAI懸念で反落し、ASMLは一時3.5%下落した(ザイFX: 欧州主要株式指数、反落)
- 新規要因: 半導体株の自律反発(2日にフィラデルフィア半導体株指数が10月6日の高値から22%下落し弱気相場入りしたあとの戻り)。米9月JOLT求人件数の上振れによる米長期金利の上昇
- 解消した要因: 前回ダウを押し上げた「米イラン交渉期待による原油の急落」は一服した。WTIは96ドル台後半で推移し、前日の大幅安から小幅高となっている
市況サマリー
| 指数 | 取得時点の値 | 騰落率 | 前回終値 |
|---|---|---|---|
| S&P500 | 7,568.96 | 0.37%高 | 7,541.40 |
| NASDAQ総合 | 25,349.86 | 0.74%高 | 25,164.32 |
| NYダウ | 51,749.24ドル | 0.45%安 | 51,983.98ドル |
NASDAQ総合とNYダウは日本時間4日5時27分時点の値(みんかぶ: NY各市場 5時台)。S&P500は取引中の値で、取得時刻は確認できていない(Yahoo Finance)。前回終値は2日の取引終了時の確定値(ザイFX: NY市場動向(取引終了))。ナスダック100の値は確認できなかったため、ナスダック総合を記載する。取引終了後の確定値とは異なる可能性がある。
指数別動向
S&P500
S&P500は7,568.96(27.56ポイント、0.37%高)で推移した。半導体と記憶装置の銘柄が広く買われ、指数を押し上げた(Yahoo Finance)。セクター別の騰落率は確認できなかった。
ナスダック100
ナスダック総合は4時台に1%超の上昇まで上げ、5時台は0.74%高だった。エヌビディアは約3%高で、AMDは決算発表を前に4%近く上げた。一方でアップルは2%前後下げ、時価総額が約1,300億ドル減ったと伝えられた(Stock Titan、みんかぶ: NY各市場 4時台)。ナスダック100そのものの値は未確認。
NYダウ
NYダウは寄り付きから反落し、5時27分時点で234.74ドル安の51,749.24ドルだった。構成銘柄のアップルの下落が重しになった。選挙の結果が判明する前に持ち高を調整する売りが優勢だったと日本経済新聞は伝えた(日本経済新聞: NYダウ反落で始まる)。
強気派 vs 弱気派
強気・建設的な見方:
- Yahoo Financeは、半導体株が2日に弱気相場入りしたあと、3日は広く反発したと伝えた。半導体の決算では、売上高だけでなく先行きの見通しが重視されるとする(Yahoo Finance)。発言者の氏名は確認できなかった
- ザイFXは、9月JOLT求人件数は労働市場の底堅さを示すが、過剰なひっ迫は示さず、追加利上げの論拠は弱いと評価した。利上げ懸念の後退は株式に追い風になりうる(ザイFX: 米9月JOLT求人件数)
弱気・警戒の見方:
- 欧州株は、AIへの懸念で投資家心理が悪化し反落した。ASMLの一時的な3.5%安が象徴的だったとされる(ザイFX: 欧州主要株式指数、反落)
- アップルは、メモリー価格の上昇が続き、10〜12月期の粗利益率を圧迫するとの見通しを示した。決算は上回ったが、ハイテク大手が決算で期待に届かない流れが続くとの指摘がある(Stock Titan)
いずれも相場観であり、事実ではない。氏名付きで確認できた発言者はなく、媒体の論調の紹介にとどまる。
経済ニュース
9月のJOLT求人件数(米国の求人の件数を示す指標)は752.3万件で、予想の716.4万件を上回り、8月の719万件から増えて5月以来の高さになった(ザイFX: 米9月JOLT求人件数、ザイFX: 11月3日のNY為替・原油概況)。一方、Yahoo Financeは求人と採用は大きく変わらず、採用も解雇も少ない状況が続くと伝えた。
個別銘柄では、アップルが決算を受けて2%前後下落した。ショッピファイは売上高が2022年以来初めて予想を下回り、15%下落した。パランティアは予想を上回り通期見通しを引き上げたが、株価は下落した。ファイザーは通期の売上高見通しを引き上げた(Yahoo Finance、MarketScreener)。
政策面では、3日が米中間選挙の投票日で、薬価や住宅、AIインフラ関連の政策の行方を投資家が注視している(Yahoo Finance)。
金利・為替が株に効いた分
米10年債利回りは5時台に4.946%(前日比0.033ポイント上昇)、2年債利回りは4.614%(同0.021ポイント上昇)だった。金利の上昇は、将来の利益の価値を下げやすいグロース株には逆風だが、この日は半導体株への買いが上回った(筆者の整理)(みんかぶ: NY各市場 5時台)。
為替では、ドル円がNYで158円77銭まで上昇し、200日移動平均線の158円60銭付近を試した。詳細はfxを参照(ザイFX: 11月3日のNY為替・原油概況)。ドル指数と多国籍企業の業績への影響は、今回の出典では確認できなかった。WTI原油は96.71ドルだった。
テクニカル分析(S&P500・ナスダック100・NYダウ)
移動平均線やRSIの最新値は、今回の出典では確認できなかった。確認できたのは、フィラデルフィア半導体株指数が10月6日の高値から22%下落して2日に弱気相場入り(直近高値から20%以上の下落)し、3日に反発したことである(Yahoo Finance)。前回の分析では、S&P500は100日移動平均線を割り込み、下値の目安は7,530〜7,532とされていた。今回の7,568.96はその上にある。断定的な売買推奨ではなく、引け後の確定値で確認する必要がある。
今夜の注目イベント
- 米中間選挙の開票: 日本時間4日に結果が出始める。上下院で多数党が分かれるシナリオが主に想定されてきた
- AMDの7〜9月期決算: 3日の取引終了後に発表された。結果は確認できていない。AI需要の見通しが焦点になる
- 4日(水): ADP雇用報告とISM非製造業景況指数(日本時間5日0時、予想は52.0と報じられている)。6日(金)は10月の米雇用統計
