前回からの変化
前回(2026-11-03付、2日の取引)との比較である。今回は3日(火)の取引を扱い、本土・香港とも開場した。
変わったこと(変化・新規)
- 上海総合指数は前回の3,638.03から3,608.10へ29.93ポイント(0.82%)下落し、前回回復した3,600の上でかろうじて踏みとどまった。深セン成分指数は11,010.68から10,876.99へ1.21%下落した(OANDA ラボ: 中国株サマリー)。VOA中文は上海総合の下落率を0.89%と伝えており、出典により数字が異なる
- 香港は前回の23,393.32から23,525.97へ0.57%上昇し、3日続伸した。H株指数(中国企業指数)は7,906.11から7,943.10へ0.47%上昇した。ハンセンテック指数は3,839.41から3,867.73へ0.74%上昇した(OANDA ラボ: 香港株サマリー)
- 前回は本土・香港とも上昇したが、今回は本土が反落し、香港が続伸する割れ方になった
- 前回、2日に発表された支援策の実施面が動いた。人民銀行は3日、証券・ファンド・保険会社の互換便利(SFISF)の3回目の操作を実施した(新浪財経)
昨日と同じこと(継続)
- 当局の資本市場支援への期待が、下げ幅を抑える要因として続いた。OANDAは、強化策への期待が相場の過度な売りを制限したと伝えた(OANDA ラボ: 中国株サマリー)
- 上海総合指数は、心理的な節目の3,600前後でのもみ合いが続いている
要因の連続性
- 継続要因: 当局の資本市場支援策への期待。前回は再貸付の金利引き下げ・恒久化が中心だったが、本日はSFISFの実際の操作が加わった
- 新規要因: AI投資の採算性への懸念が半導体などに売りを広げた(2日のNYでナスダックが続落した流れ)。香港では原油安と物価警戒の後退を背景に、内需関連株が買われた
- 解消した要因: 前回の上昇を支えた、米国とイランの交渉期待による米ハイテク株の買い戻しは、本日は半導体株売りに転じた。メディア・ゲーム株主導の上昇も続かなかった
市況サマリー
3日(火)は本土・香港とも開場した。
| 指数 | 終値 | 騰落率 | 前回の終値 |
|---|---|---|---|
| 上海総合指数 | 3,608.10(人民元建て) | 0.82%安 | 3,638.03 |
| 深セン成分指数 | 10,876.99 | 1.21%安 | 11,010.68 |
| ハンセン指数 | 23,525.97(香港ドル建て) | 0.57%高 | 23,393.32 |
| ハンセンテック指数 | 3,867.73 | 0.74%高 | 3,839.41 |
CSI300の終値は確認できなかった(未確認)。ナスダック・ゴールデンドラゴン中国指数(中国ADR)の3日の引け値も確認できなかった(未確認)(OANDA ラボ: 中国株サマリー、OANDA ラボ: 香港株サマリー)。
指数別動向
本土(上海・CSI300)
上海総合指数は、心理的な節目の3,600前後でもみ合ったあと、反落して終えた。AIインフラ投資の採算性への懸念が、半導体、電子部品、通信設備に売りを広げた。医療サービスや消費者向け電子機器も下落した。一方、保険、観光、美容医療、空運は上昇した(OANDA ラボ: 中国株サマリー)。VOA中文によると、創業板(ChiNext)指数は2.73%下落した(VOA中文)。
香港(ハンセン・ハンセンテック)
ハンセン指数は約2週間ぶりの高値水準で、3日続伸した。前日のNYで原油先物が下げ、物価への警戒が和らいだことから、中国の内需関連株への買いが先行した。生活必需品、一般消費財、公益が上昇し、ヘルスケアとエネルギーが下落した。個別では、海底撈国際と携程集団(トリップ・ドットコム)が6%超上昇した。半導体の中芯国際集成電路製造(SMIC)と華虹半導体は下落した(OANDA ラボ: 香港株サマリー)。
本土と香港の割れ方は、売られた中身の違いで説明できる。本土では半導体・電子部品が売られて下げ、香港では内需・消費関連が買われて上げた。なお、指数の構成業種の違いが影響した可能性は、本稿の推測であり出典では確認していない。ハンセンテックはAI開発企業が下げた一方、音楽配信やゲームが買われて上昇した(同上)。
当局・政策の動き
2日に人民銀行、金融監督管理総局、証監会が開いた座談会の決定が、3日に実際の運用へ移った。決定済みの内容は次のとおり(新浪財経)。
- 互換便利(SFISF。保有する債券などと国債を交換して、株式購入資金を調達できる仕組み): 3回目の操作を3日に実施した。期間は1年で、延長もありうる。申請機関は31社に増え、申請額は1000億元を超えた。手数料率は初回の20ベーシスポイントから10ベーシスポイントに下がった
- 株式買い入れ・増持向け再貸付: 期限付きの措置から長期的な制度に改め、金利を1.25%から1%に下げた。902社が1110件の自社株買い計画を開示し、累計の枠は約4400億元である
- 証監会: 株価が下がったときに支える目的の自社株買い(護盤式回購)の見直し案を示した。株価が公募価格を割った場合を実施条件に加え、上場から6か月以上という制限を外す。信用取引のリスク管理指標も見直す。見直しは案の段階である
観測にとどまる情報もある。大紀元は、証監会がIPO(新規株式公開)を止め、大株主の大規模な売却を禁じたと、匿名の情報筋の話として伝えた。同紙は英フィナンシャル・タイムズなどの報道を引いているが、当局の公式発表は確認できず、窓口指導(非公式な行政指示)とされている。そのため事実としては扱わない(大紀元)。VOA中文は、国有系の運用会社に約1000億元ずつの追加の再貸付枠が付いたと伝えたが、公式の確認は得られていない(VOA中文)。LPR(最優遇貸出金利)や預金準備率の変更は、3日は確認できなかった。
経済指標
3日の中国の主要経済指標の発表は、今回の出典では確認できなかった(未確認)。10月の製造業PMIは前回レポートのとおり、公式が49.3、民間のRatingDog(旧財新)が52.0で、乖離が続く材料になっている。
米中関係と注目銘柄
米国の新たな対中規制は、3日は確認できなかった(未確認)。
注目銘柄は、香港で海底撈国際と携程集団が6%超上昇した。半導体では中芯国際集成電路製造と華虹半導体が下落した。聯想集団(レノボ)とバイオ大手のBeiGene(百済神州)も下落した(OANDA ラボ: 香港株サマリー)。
強気派 vs 弱気派
3サイト以上の調査には至らなかった。氏名付きの主張は次のとおり。
政策リスクの議論(弱気寄り):
- 香港の韋東証券(Wise East Securities)の林昌念氏は、支援策は力不足だと述べた。社会保障基金が数千億元を投入しない限り、短期の投機的な売買にとどまるとの見方を示した(VOA中文)。なお氏名の表記は出典の翻字による
- 淡江大学の蔡明芳氏は、長期的な見通しは一時的な資金供給ではなく経済のファンダメンタルズ次第だと述べた。内需の弱さと産業の過剰生産能力を根拠に挙げた(同上)
強気・建設的な見方(政策への期待):
- 市場関係者の試算として、今回の措置でA株に少なくとも3000億元が流入しうるとの見方が報じられた。発言者の氏名は出典で確認できなかった(VOA中文)
バリュエーション(割安感)を根拠にした氏名付きの強気論は、今回の出典では確認できなかった。いずれも相場観であり、事実ではない。
テクニカル分析(上海総合・ハンセン指数)
上海総合指数は3,608.10で、心理的な節目の3,600をかろうじて保った。3,600を割ると前週に付けた約1年3か月ぶりの安値を再び試す形になるため、売りが続くかの分かれ目とされる。ハンセン指数は約2週間ぶりの高値水準で、前回回復した2万3000の上に位置している。50日・200日移動平均線とRSIの数値、南向き資金(香港ストックコネクト経由の本土からの資金流入)、AH株プレミアム指数の最新値は取得できなかった(未確認)(OANDA ラボ: 中国株サマリー、OANDA ラボ: 香港株サマリー)。売買の推奨ではない。
本日の注目点
4日(水)は本土・香港とも通常どおり開場する見込みである。日本は休場明けとなり、米国では3日投開票の中間選挙の結果が判明する。注目点は、SFISFなど支援策の実施後も本土株が3,600を保てるか、半導体売りが続くか、そして米国の選挙結果に対する中国ADRと香港株の反応である。中国の個別の経済指標や決算の日程は、今回の出典では確認できなかった。

