前回からの変化

前回(2026-10-30付、29日の取引)との比較である。今回は30日(金)の取引を扱う。31日(土)は米国市場は休場のため、30日の取引が直近の営業日となる。

変わったこと(変化・新規)

  • S&P500は7,720.39から7,580.07へ140.32ポイント(1.82%)下落、ナスダック総合は26,184.73から25,437.00へ747.73ポイント(2.86%)下落、NYダウは52,342.56ドルから51,770.31ドルへ572.25ドル(1.09%)下落した。前回の下げ(S&P500は0.30%安)から下げ幅が大きく拡大した(Yahoo Finance)
  • 前回、時間外で約17.6%安だったインテルは、本取引で約29%安となった。半導体株の指数は7.2%安、エヌビディアは4.2%安、AMDは10.9%安だった(Yahoo Finance)
  • 前回予告のアマゾン決算は、売上高・1株利益とも市場予想を下回り、株価は下落した。ただし終値の下落率は報道により1〜2%程度とばらつく(同上)
  • 米10年債利回りは4.989%から4.929%へ低下し、VIXは17.20から19.42へ上昇した(同上)

昨日と同じこと(継続)

  • 巨額のAI投資に対する収益化とキャッシュ流出への警戒は、前回に続いて相場の主因だった
  • 市場全体が崩れるなかでエネルギー株は堅調だった。エクソンモービルとシェブロンは一時、最高値を付けた

要因の連続性

  • 継続要因: AI投資のキャッシュ消費への懸念。前回はアルファベットのフリーキャッシュフロー赤字が発端で、本日はアマゾンとインテルの決算がそれを裏付けた形になった
  • 新規要因: インテルがPC需要の鈍さに言及して約29%安となったこと、原油高(12月限のWTIは102.90ドル)が新たに加わった。暗号資産取引所バイナンスで63億ドル規模のハッキングが報じられ、ビットコインが2%超下落したことも、センチメントの悪化要因とされる(Yahoo Finance)
  • 解消した要因: 前回の焦点だったアマゾン決算の結果待ちは、決算の発表で解消した

市況サマリー

指数 終値 騰落率 前回終値
S&P500 7,580.07 1.82%安 7,720.39
NASDAQ総合 25,437.00 2.86%安 26,184.73
NYダウ 51,770.31ドル 1.09%安 52,342.56ドル

取得時点は2026年10月30日(金)のNY市場引け値(共同通信、Yahoo Finance)。ナスダック100の終値は確認できなかった(未確認)ため、ナスダック総合を記載する。ナスダック総合の下落率は6月5日以来の大きさだった。10月の月間騰落率は、ナスダック総合が5.2%安、S&P500が1.2%安、NYダウが1.5%高だった。

指数別動向

S&P500

S&P500は1.82%安の7,580.07で、6月以来の大幅な下落となった。AI関連への警戒でテック株と半導体株が売られた一方、エネルギー株は堅調だった(Yahoo Finance)。セクター別の詳しい騰落率は確認できなかった。

ナスダック100

ナスダック総合は2.86%安の25,437.00と3指数で最も大きく下げた。ナスダックでは値下がり3,622銘柄に対し値上がり1,196銘柄と、売りが広がった。デルは10.8%安、HPは9.6%安だった(Yahoo Finance)。ナスダック100そのものの終値は未確認。

NYダウ

NYダウは572.25ドル安(1.09%安)の51,770.31ドルだった(共同通信)。構成銘柄ごとの寄与は確認できなかった(未確認)。

強気派 vs 弱気派

強気・建設的な見方:

  • ウェルスパイア・アドバイザーズ(Wealthspire Advisors)のオリバー・パーシェ上級副社長は、「期待に応えている企業は好調で、届かなかった企業が罰せられている」と述べた。選別は厳しいが、業績の良い企業は評価されているという見方である(Yahoo Finance)
  • エネルギー株は、中東情勢を背景とした精製マージンの拡大で堅調だった(Yahoo Financeのまとめ)

弱気・警戒の見方:

  • Yahoo Financeのまとめは、アマゾンとアルファベットの決算未達でAIインフラ投資への懸念が再燃し、ナスダックが6月以来の下げ幅になったと伝えた。テックは2025年3月以来、最悪の月になったという
  • 共同通信は、AI関連の巨額投資への懸念と原油高が投資家心理を冷やしたと伝えた(共同通信)

いずれも相場観であり、事実ではない。氏名が確認できる発言者はパーシェ氏のみで、強気派の見方は薄い。調査は主に2〜3サイトにとどまった。

経済ニュース

30日に発表された経済指標の結果と市場予想との差は、今回の出典では確認できなかった(前回予告の雇用コスト指数も未確認)。政権・議会の経済政策で相場に影響した材料も、確認できなかった。

個別では、インテルが約29%安となった。PC需要の鈍さに言及したことが嫌気された(Yahoo Finance)。アマゾンは7〜9月期の売上高が2,019億4,000万ドルで予想の2,023億1,000万ドルに届かず、1株利益も1.89ドルと予想の1.97ドルを下回った。エヌビディアは4.2%安、AMDは10.9%安だった。

金利・為替が株に効いた分

米10年債利回りは4.929%と、前回の4.989%から低下した(Yahoo Finance)。金利が下がっても株安は止まらず、利回りよりもAI投資の収益化への不安が株価を左右した。低下した金利の恩恵を受けやすいはずのグロース株も、決算への失望が上回って売られた(筆者の整理)。

為替では、ドル円は31日朝5時時点で157円53〜55銭と、前日比0.02円のドル高にとどまった(共同通信)。為替の詳細はfxを参照。ドル指数と多国籍企業業績への影響は、今回の出典では確認できなかった。

テクニカル分析(S&P500・ナスダック100・NYダウ)

50日・200日移動平均線、RSI、サポート・レジスタンスの値は、今回の出典では確認できなかった(未確認)。確認できる範囲では、VIX(恐怖指数)は19.42と前回の17.20から12.9%上昇し、警戒感は強まったが、極端な水準とはいえない。S&P500の7,580.07は、10月15日の高値7,744.06から約2.1%下に位置する。月間で見ると、ナスダック総合は5.2%安と、他の指数より下落が目立つ。断定的な売買推奨ではない。

今夜の注目イベント

31日(土)は米国市場は休場で、次の取引は11月2日(月)になる。注目日程として、3日の米中間選挙(基本シナリオは民主党が下院を奪還するねじれ議会とされる)、4日の米国債入札計画、6日の植田日銀総裁のIMF講演が挙げられている(OANDA ラボ)。来週の米企業決算と経済指標の個別日程は確認できなかった(未確認)。