前回からの変化
前回(2026-10-27付、26日の取引)との比較である。今回は27日(火)の取引を扱う。
変わったこと(変化・新規)
- ナスダック総合は26,169.38から26,477.81へ(308.43ポイント、1.18%高)と、前回の0.82%高から上げ幅を広げた。S&P500は7,676.77から7,722.60へ(0.60%高)、NYダウは52,361.58から52,377.57へ(0.03%高)だった(Yahoo Finance)
- ボーイングは民間機部門の損失拡大と納入目標の引き下げが嫌気され、10.7%下落した。前回はなかった大型の悪材料で、ダウの上昇を抑えた(みんかぶ)
- VIXは18.39から17.52へ低下した(0.87ポイント低下、4.73%低下)(Yahoo Finance)
- 米10年債利回りは4.986%から4.993%へ、ほぼ横ばいだった(同上)
昨日と同じこと(継続)
- アンソロピックのIPO申請を手がかりにした半導体・AI関連株の買い戻しは、前回に続き相場を支えた。半導体株は3日続けて上昇した(Spokesman-Review)
- メタが株式調達でAI投資を賄う構図は続き、調達規模が最大950億ドルから975億ドルに増え、株価は1.6%下落した(同上、Yahoo Finance)
- 原油は高止まりしている。ブレントは110ドル超で推移した(財経新聞)
要因の連続性
- 継続要因: アンソロピックのIPOを起点とするAI関連株の買い戻しと、FOMCを前にした様子見姿勢。前回に続き意識されている
- 新規要因: 米9月耐久財受注、10月消費者信頼感指数、9月新築住宅販売件数が軒並み堅調で、長期金利の高止まりが意識された。ボーイングの決算も新たな個別材料となった(財経新聞)
- 解消した要因: 前回支えとなった原油安の勢いは一服した。サウジアラビアなどによるイランとの緊張緩和協議が伝わったが、ブレントは110ドル超にとどまった
市況サマリー
| 指数 | 終値 | 騰落率 | 前回終値 |
|---|---|---|---|
| S&P500 | 7,722.60 | 0.60%高 | 7,676.77 |
| NASDAQ総合 | 26,477.81 | 1.18%高 | 26,169.38 |
| NYダウ | 52,377.57ドル | 0.03%高 | 52,361.58 |
取得時点は2026年10月27日(火)のNY市場引け値(Yahoo Finance)。ナスダック100の終値は確認できなかったため、ナスダック総合を記載する。一部の通信社記事は別の水準を伝えているが、本稿は複数媒体で一致した値を採用した。
指数別動向
S&P500
S&P500は45.83ポイント高(0.60%高)の7,722.60で引けた。AI関連の半導体株が3日続けて上昇し、相場全体を押し上げた。決算を発表したUPSが5.8%上昇し、SoFi Technologiesは13.4%上昇した(Yahoo Finance)。
ナスダック100
ナスダック総合は308.43ポイント高(1.18%高)の26,477.81だった。半導体株の上昇を背景に、ブロードコムはおよそ4%上昇し、テスラも3.8%上昇した。アンソロピック向けのAI半導体開発に金融機関が資金を出すことが伝わったのが材料とされる(Spokesman-Review)。アップル、アマゾン、アルファベットは0.84%から1.61%の小幅高で、マイクロソフトは0.24%安だった(みんかぶ)。ナスダック100そのものの終値は確認できなかった。
NYダウ
NYダウは15.99ドル高(0.03%高)の52,377.57ドルで、ほぼ横ばいだった。ボーイングが10.7%下落し、指数の上値を抑えた。ボーイングのオートバーグCEOが、737の生産目標の達成は2027年初めにずれ込むとの見通しを示したことが嫌気された(Spokesman-Review)。
強気派 vs 弱気派
強気・建設的な見方:
- チャック・カールソン氏(ホライズン・インベストメント・サービシズCEO): 半導体株は直近で大きく売られており「反発してもおかしくなかった」と述べた。根拠は、直近の急落による値ごろ感とされる(Yahoo Finance)。S&P500構成企業の約半数が7〜9月期決算を発表し、83%が予想を上回ったことも、相場を支える材料として報じられた(同上)
弱気・警戒の見方:
- クリスティーナ・フーパー氏(マン・グループ、チーフ・マーケット・ストラテジスト): 相場は「非常に過熱感がある」と指摘した。この発言は24日付の報道に基づく(The Star)
- 27日の報道には、大手テックが決算を迎えるなか「爆発的な増収が、目を見張る損失と支出の約束と並んでいる」との匿名の論評があり、AI投資が持続可能かが争点になっている(Spokesman-Review)
いずれも相場観であり、事実ではない。前回は強気材料が優勢で弱気派の発言は確認できなかったが、今回は過熱感への警戒論を併記できた。
経済ニュース
指標は軒並み市場予想を上回った。9月の耐久財受注速報値は前月比1.8%増で4月以来の高い伸びとなり(予想は1.9%増)、輸送機器を除く値は0.5%増だった(予想は0.6%増)(財経新聞)。10月の消費者信頼感指数は91.7で、予想の81.0を上回った。9月の新築住宅販売件数は67.6万戸で、予想の65.1万戸を上回った(財経新聞)。
個別では、ボーイングが10.7%下落し、UPSが通期見通しの引き上げで5.8%上昇した。SoFi Technologiesは予想を上回る決算で13.4%上昇した(Yahoo Finance)。マイクロソフトは26日に、約6万人を対象とした希望退職の募集を明らかにした(財経新聞: マイクロソフト希望退職募集)。同社株は0.24%安だった。
金利・為替が株に効いた分
米10年債利回りは4.993%と高水準で、ほぼ横ばいだった(Yahoo Finance)。堅調な指標を受けて長期金利は上昇圧力を受けた時間帯があり、700億ドルの5年債入札は最高落札利回り4.845%で、やや精彩を欠く結果とされた(財経新聞)。それでも株式は、AI関連株の買い戻しが優先された。ドル円は157.67円から157.96円へドル高が進み、輸出企業の円換算収益には追い風になりうる(詳細はfxを参照)(財経新聞)。
FOMCは28日に結果が出る。9月に利上げした後で、10月は政策金利3.75〜4.00%の据え置きが有力で、CMEの指標では据え置き確率は90%とされる(財経新聞)。
テクニカル分析(S&P500・ナスダック100・NYダウ)
50日・200日移動平均線とRSI、サポート・レジスタンスの27日時点の値は、今回の出典では確認できなかった(未確認)。確認できる範囲では、VIXが17.52と低下し、市場の警戒感が一段和らいだことを示す。S&P500の終値7,722.60は、前回レポートで触れた15日の高値7,744.06にあと約21ポイントまで迫った水準にある。この高値は、突破できるかが意識されやすい節目とされる。ただし、短期の反発が続いているだけで、トレンド転換と判断するには材料が足りない(筆者の整理)。断定的な売買推奨ではない。
今夜の注目イベント
28日(水)の米国市場では、FOMCの結果発表と、アルファベットおよびマイクロソフトの7〜9月期決算(いずれも引け後)が焦点になる。アマゾンの決算は29日(木)に予定されている(Yahoo Finance)。市場は金利据え置きを見込み、利上げの再開は12月以降とみる向きがある。FRBの追加利上げ余地やPCE物価指数(前年同月比3.6%に加速との予想)が論点になる(財経新聞)。
