前回からの変化

前回(2026-10-21付、20日の取引)との比較である。今回は21日(水)の取引を扱う。

変わったこと(変化・新規)

  • 前回は医療株が主役でナスダックは小幅安だったが、今回は半導体とAI関連が主役に戻った。ナスダック総合は26,421.84から26,702.86へ、S&P500は7,714.52から7,757.17へ、NYダウは52,513.98ドルから52,856.09ドルへ上昇した。フィラデルフィア半導体指数は約2%上昇し、構成30銘柄のうち29銘柄が上がった(TradingKey)
  • 前回は引け後の動きだったSpaceXの決算が、通常取引で約8%の上昇として確認された。AI関連の売上が全体の半分を超え、7〜9月期の売上高は前年同期比161%増と報じられている。Elon Musk氏はSpaceXとTeslaが合併を協議する特別委員会を設けたと明らかにした(Yahoo Finance)
  • 前回は時間外だったNetflixは、通常取引でも5%下落した。10〜12月期の売上高見通しが予想を下回り、広告収入の見通しも引き下げられた。AT&Tは決算後に6%下落し、Super Micro Computerは売上高見通しの引き上げで12%超上昇した(Yahoo Finance)
  • 前回「今夜の注目」だったMetaとTeslaが引け後に決算を発表した(後述)

昨日と同じこと(継続)

  • AI投資の収益性への関心が高く、決算が相場の中心である点は前回から変わらない
  • 米10年債利回りは5%台前半の高水準で、中東情勢を背景に原油も高い水準が続いた

要因の連続性

  • 継続要因: 高止まりする米長期金利と、中東情勢を受けた原油の高値圏。前回に続き、株価の上値を抑える材料として意識された
  • 新規要因: SpaceXの好決算とTeslaとの合併報道がAI・ハイテク株の買いを促した。前回の住宅指標の悪化のような金利低下の材料は、この日は出なかった
  • 解消した要因: 前回の相場を支えた医療株への資金移動と米イラン合意報道による原油安は、この日の主因ではなくなった

市況サマリー

指数 終値 騰落率 前回終値
S&P500 7,757.17 0.58%高 7,714.52
NASDAQ総合 26,702.86 1.05%高 26,421.84
NYダウ 52,856.09 0.69%高 52,513.98

取得時点は2026年10月21日(水)のNY市場引け値(TradingKey)。騰落率は出典の記載で、前回終値から単純計算した値とは小数第2位でわずかに異なる。ナスダック100とラッセル2000の終値は確認できなかったため、ナスダック総合を記載する。

指数別動向

S&P500

S&P500は0.58%高の7,757.17で引けた。半導体株とAI関連株が上昇を主導し、フィラデルフィア半導体指数は約2%高の11,505.56だった。NVIDIAがベルリンの会合でAIインフラ向けの新製品を発表したことも伝わった(TradingKey)。

ナスダック100

ナスダック総合は1.05%高の26,702.86と、3指数で最も上昇した。SpaceXとTeslaの上昇が指数を押し上げたとの指摘がある(TradingView)。ナスダック100そのものの終値は確認できなかった。

NYダウ

NYダウは0.69%高の52,856.09ドルで引けた。ナスダックほどの伸びではなく、ハイテク株中心の上昇だったことがうかがえる(Yahoo Finance)。

強気派 vs 弱気派

強気派・建設的な見方:

  • Needham: SpaceXの投資判断「買い」と目標株価250ドルを維持し、AI計算契約の大部分は2026年10月〜12月期から拡大すると見ている(報道は19日時点のもの。Nasdaq.com)

弱気派・警戒派:

  • ダニエル・ジョーンズ氏(Seeking Alpha): 「ナスダックの好調は、ごく少数の大手テクノロジー企業のおかげという面が大きい」と指摘し、TeslaとSpaceXの時価総額の大きさが指数を押し上げたと述べた(TradingView)

強気・弱気とも出典は限られ、3サイト以上の調査には至っていない。

経済ニュース

21日は米国の主要な経済指標の発表は特になかった(ザイFX!)。個別銘柄の動きは次のとおり。

SpaceXは7〜9月期の売上高が前年同期比161%増と報じられ、約8%上昇した。AI部門の売上が76億ドルで、StarlinkやロケットよりAI関連が大きいとされる(Yahoo Finance)。Netflixは5%、AT&Tは6%下落し、Super Micro Computerは12%超上昇した。

引け後の決算では、Metaの7〜9月期売上高が過去最高の640億ドルで、市場予想の633億ドルを上回った。一般会計原則ベースの1株利益は3.83ドルで、予想の3.56ドルを上回ったが、10代のメンタルヘルス訴訟の和解に関する約99億ドルの費用を含む。費用を除くと7.40ドルである。2026年の設備投資は1350億〜1450億ドルに絞り込まれ、1対2の株式分割(議決権のないクラスC株の配布)も発表された。株価は時間外で上昇した後、決算説明会での発言をきっかけに反落したとの報道もあり、動きは出典により異なる(Yahoo Finance、Deadline)。

Teslaの7〜9月期は、売上高が280億5000万ドルと予想の281億3000万ドルをわずかに下回った。調整後1株利益は0.48ドルで予想の0.44ドルを上回り、フリーキャッシュフローは15億3000万ドルの黒字、設備投資は47億3200万ドルと予想より少なかった。株価は時間外で上昇した(Yahoo Finance)。

金利・為替が株に効いた分

米10年債利回りは1ベーシスポイント上昇の5.13%、2年債は3ベーシスポイント上昇の4.82%、30年債は2ベーシスポイント低下の5.41%だった。長期金利が高水準のまま、AI・半導体株が上昇した(TradingView)。為替ではドル円が158円台前半の小動きで、株への目立った影響は見られなかった(詳細はfxを参照。ザイFX!)。原油は米国務省の退避準備報道でWTIが97ドル台から98ドル台へ反発した(詳細はcommodityを参照)。

テクニカル分析(S&P500・ナスダック100・NYダウ)

移動平均線(50日・200日)とRSI、VIXの数値は今回の出典では確認できなかった(未確認)。確認できる範囲では、S&P500の終値7,757.17は、前回挙げた15日の終値7,744.06を約13ポイント上回り、戻りの目安(レジスタンス)を超えた。ナスダック総合は26,702.86で、12日の27,245.90にはまだ約2%届かない。ただし少数の大型株が牽引した上昇であり、1日の動きだけで流れが変わったとは判断できない(筆者の整理)。断定的な売買推奨ではない。

今夜の注目イベント

  • 22日(木): 米新規失業保険申請件数の発表。MetaとTeslaの決算を受けた株価の反応も焦点となる
  • 22日(木): プロクター・アンド・ギャンブル、ロッキード・マーティンなどが決算を発表する予定(前回レポートの予告)。SpaceXの約13億株のロックアップ解除(売却制限の解除)も予定されている(Yahoo Finance)
  • 米イラン関連と中東情勢の報道は、原油と金利を通じて株式にも影響するため、引き続き注視される