前回からの変化
前回(2026-10-20付、19日の取引)との比較である。今回は20日(火)の取引を扱う。
変わったこと(変化・新規)
- 前回はナスダックが1.1%上昇して指数の方向が分かれたが、今回はナスダック総合が26,430.89から26,421.84へ9.05ポイント(0.03%)下落した。NYダウは51,966.03ドルから52,513.98ドルへ547.95ドル(1.05%)上昇し、S&P500は7,690.73から7,714.52へ23.79ポイント(0.31%)上昇した。主役がAI関連から医療・金融などに入れ替わった(Invezz、Finwire)
- 医療セクターは1.8%上昇して過去最高値を付け、金融は1%上昇した。前回はAIとハイテク以外の大半が下落していたため、構図が逆転した(Invezz)
- 前回は上昇していたWTI原油は、1%未満の下落に転じた。米イランの合意が近いとの報道が重しとなったが、後に否定されて下げ止まった(みんかぶ FX)
- 3Mが好決算で5%超上昇した。一方、韓国のAIデータセンター企業エリスが上場初日に約30%下落し、AIの採算への警戒が再燃した(Finwire)
昨日と同じこと(継続)
- AI投資の収益性への不安が続いた。ハイテク株は前日の反発から再び売られ、前回と同じく「AIとそれ以外」の分かれ方になっている
- 米10年債利回りは5%台の高水準が続いた。決算への注目が高いことも前回から変わらない
- 中東情勢を背景に、原油は高い水準が続いた
要因の連続性
- 継続要因: AI投資の収益性への警戒と、高止まりする米長期金利。前回に続き、ハイテク株の重しとなった
- 新規要因: 米9月の住宅着工件数と中古住宅販売成約指数の悪化で、米長期金利が低下した。米イラン合意報道による原油安、3Mなど好決算の企業への買いも加わった(ザイFX!)
- 解消した要因: 前回の買い材料だったエヌビディアやコアウィーブなどAI関連株の反発は、1日で一服した
市況サマリー
| 指数 | 終値 | 騰落率 | 前回終値 |
|---|---|---|---|
| S&P500 | 7,714.52 | 0.31%高 | 7,690.73 |
| NASDAQ総合 | 26,421.84 | 0.03%安 | 26,430.89 |
| NYダウ | 52,513.98 | 1.05%高 | 51,966.03 |
取得時点は2026年10月20日(火)のNY市場引け値(Invezz)。ナスダック100の終値は確認できなかったため、ナスダック総合を記載する。ラッセル2000(小型株指数)は、Yahoo Financeのライブ記事で1.65%高と報じられており、小型株が大型ハイテクを上回った(Yahoo Finance)。ただし引け前後の速報値のため、確定値は確認できなかった。
指数別動向
S&P500
S&P500は0.31%高の7,714.52で引けた。11の業種のうち医療が最も上昇し、過去最高値を付けた。イーライリリー、ユナイテッドヘルス、メルク、ジョンソン・エンド・ジョンソン、アムジェンが指数を押し上げ、モデルナは2022年以来の高値となった。不動産と公益事業などの守りの業種も堅調だった(Invezz)。
ナスダック100
ナスダック総合は0.03%安と小幅に下落した。前日の反発後、AI投資の収益化に対する懐疑が再び強まり、メタ、ネットフリックス、アルファベットなど通信サービス株が弱かった。ナスダック100そのものの終値は確認できなかった(Finwire)。
NYダウ
NYダウは547.95ドル(1.05%)高で、3指数で最も上昇した。医療株に加え、3Mが5%超、ノースロップ・グラマンが4%上昇した。3Mは、アマゾンのデータセンター向けの提携拡大と通期利益見通しの引き上げが好感された(Finwire)。
強気派 vs 弱気派
強気派・建設的な見方:
- ジョシュ・ブラウン氏(リソルツ・ウェルス・マネジメントCEO): AIからのローテーション(資金の入れ替え)で恩恵を受ける銘柄として、医療関連のサーモフィッシャーとウォーターズを挙げた(Invezz)
- 20日の相場そのものが、好決算と原油安を背景に、割安株や守りの業種へ資金が向かう動きを示した(事実。Reuters報道の要約)(Invezz)
弱気派・警戒派:
- ジム・ベアード氏(プランテ・モラン・ファイナンシャル・アドバイザーズ最高投資責任者): 「投資家はAI取引と、一部企業が投資を収益化できるかをまだ少し疑っている」と述べた(Finwire)
強気・弱気とも出典は2サイトにとどまり、3サイト以上の調査には至っていない。
経済ニュース
米9月の住宅着工件数は122.1万戸で、予想の130.5万戸、前回の128.8万戸を下回った。米9月の中古住宅販売成約指数は前月比7.3%低下し、予想の0.5%低下より大きく悪化した(みんかぶ FX)。
個別銘柄では、3Mが5%超、ノースロップ・グラマンが4%上昇し、エキファクスとハズブロは増益と見通し引き上げで上昇した。ゼネラル・モーターズはコスト増とトラック販売の減少への懸念で下落した一方、Yahoo Financeは同社が通期見通しを絞り込み、200億ドルの自社株買いを発表したと伝えた。エリス・グループは韓国での上場初日に約30%下落した(Finwire、Yahoo Finance)。
引け後の決算について、Yahoo Financeのライブ記事はSpaceXが設備投資の少なさと予想超えの決算で2%超上昇、ネットフリックスは7〜9月期は予想を上回ったが10〜12月期の売上高見通しが予想を下回り5%下落と伝えた。いずれも時間外の動きとみられ、終値ではない(Yahoo Finance)。
金利・為替が株に効いた分
米10年債利回りは前日の5.14%から約5.12%へ小幅に低下した。住宅指標の悪化で債券が買われた。金利低下は、金融と医療を中心とした上昇を後押しした一方、AIインフラ企業の資金調達コストへの警戒は残った(ザイFX!、Yahoo Finance)。ドル円は158円20銭前後で、前日から小幅に円高ドル安に振れた(詳細はfxを参照)。原油は米イラン合意報道で一時下げ、WTIは1バレル97.82ドルで0.73%安と報じられた。なお出典により水準の表記が異なり、Invezzは約103ドルと伝えている(詳細はcommodityを参照。みんかぶ FX)。
テクニカル分析(S&P500・ナスダック100・NYダウ)
移動平均線(50日・200日)とRSIの数値、VIXの20日終値は、今回の出典では確認できなかった(未確認)。確認できる範囲では次のとおり。
S&P500の終値7,714.52は、前回レポートに記載した15日の終値7,744.06を約30ポイント(0.4%)下回っており、この水準が当面の戻りの目安(レジスタンス)とみられる。ナスダック総合は26,421.84で、12日の27,245.90からは約3%低い。ナスダックが小幅安にとどまる一方でNYダウは大きく上昇しており、相場の中心がAI関連から出遅れていた業種へ移る局面とも読める(筆者の整理)。ただし、1日の動きだけでは流れが変わったとは判断できない。断定的な売買推奨ではない。
今夜の注目イベント
- 21日(水): メタ、テスラ、ラム・リサーチ、IBM、テキサス・インスツルメンツが決算を発表する予定。メタの7〜9月期は売上高638億ドル、調整後1株利益6.76ドルが市場予想とされる(前回報道)。AI投資の収益性が焦点(Yahoo Finance)
- 22日(木): プロクター・アンド・ギャンブル、ロッキード・マーティンなど。新規失業保険申請件数も発表される予定
- 米イラン協議の報道は、原油と金利を通じて株式にも影響するため、引き続き注視される(みんかぶ FX)
