前回からの変化
前回(2026-10-28)との比較(週報のため、比較対象は1週間前)。
変わったこと(変化・新規)
- メタが四半期報告書で、ニューメキシコ州の250億ドルの制裁金に対する引当を計上したが金額は非開示、判決後の年15パーセントの利息(年間で約37億5000万ドル相当)と、控訴中に保証金を求められる可能性を開示した。前回は制裁金の命令そのものの報道が中心だった(新規、PPC Land)。
- メタの開示から、11月12日にFTCの同意命令をめぐる審理が予定されていることが分かった。前回は扱っていない日程である(新規、同上)。
- グーグル広告技術訴訟では、10月2日に米政府・17州・グーグルが提出した最終判決案が、実施期限や地理的範囲などで食い違うことが確認できた(新規情報。前回は「最終判決案の審理中」とのみ記載、AdExchanger)。
昨日と同じこと(継続)
- グーグル広告技術訴訟は、前回に続き判事が最終判決に署名した報道を確認できなかった(継続)。
- 日本の公正取引委員会は、スマホ新法関連で7月27日以降の新たな発表がない状態が続いている(継続、7週連続。公正取引委員会)。
- 前回挙げた、EUのクラウド分野のゲートキーパー指定判断が11月に出る見通しは、今回も変わらない(継続、The Next Web)。
要因の連続性
- 継続要因: 米国で巨大テック企業への追及が、州の消費者保護法と連邦の反トラスト訴訟の両面で進む流れ。
- 新規要因: 制裁金への利息と控訴保証金という、メタの財務への実際の負担が、決算書類で具体的に示された点。
- 解消した要因: なし。
今週の概観
今週(10月28日〜11月3日)は、新たな判決や制裁の確定は確認できなかった。動きがあったのは、メタが決算書類で250億ドルの制裁金への対応を示したことと、グーグル広告技術訴訟の最終判決案の食い違いが確認できたことである。EUではクラウド分野のDMA(デジタル市場法)の指定判断が11月に迫る。日本では新たな発表がなかった。なお、一部は報道や法律メディアの解説にもとづき、一次資料までは確認できていない。
EU
欧州委員会は2025年11月にAWSとAzureを対象にクラウド分野の市場調査を開始し、2026年6月25日に両サービスをゲートキーパー(DMAの規制対象とされる巨大事業者)に指定すべきだという予備的な見解を示した。DMAの市場調査は開始から12か月以内に終える必要があり、11月中の最終判断が見込まれる。指定されれば、事業者には6か月の対応期間が置かれる。今週は最終決定の発表を確認できなかった(段階: 予備的見解の通知後・最終判断待ち。The Next Web)。企業側の反応は、今回の調査では確認できなかった。
また、EUのAI法(人工知能規制法)の高リスクAIの義務は、「デジタル・オムニバス」と呼ばれる改正で延期されている。単独のAIシステムは2027年12月2日、製品に組み込まれるものは2028年8月2日から適用される(段階: 政治合意後、議会で採択済み。Sidley)。今週の新規の動きではなく、日程の確認である。
米国
メタのニューメキシコ州の制裁金について、メタの四半期報告書は次の点を開示した。州の不公正取引法の違反が約4390万件とされ、10月21日に250億ドルの民事制裁金が命じられた。メタは引当を計上したが金額は明らかにしていない。判決後は年15パーセントの利息が付き、年間で約37億5000万ドル相当になりうる。メタは控訴する方針で、控訴の間に保証金などの担保を求められる可能性があるとしている(段階: 州裁判所の命令・控訴の見通し。PPC Land)。メタの最高法務責任者は、控訴審で勝てると確信していると述べた(AP通信)。命令の経緯はSource NMにまとまっている。同じ開示によると、8月の複数州との10代のメンタルヘルスをめぐる和解は約185億9000万ドル規模で、11月12日にはFTCの同意命令をめぐる審理が予定されている。
グーグルの広告技術訴訟では、10月2日に米政府・17州・グーグルが約41ページの最終判決案を提出した。実施期限や地理的範囲などで双方の主張に食い違いが残り、判事の署名欄は空白だった。今週も署名の報道は確認できず、確定していない(段階: 最終判決案の審理中。AdExchanger)。
日本
公正取引委員会のスマホソフトウェア競争促進法関連の発表は、2026年は2月17日と7月27日の遵守報告書の公表のみで、今週も新たな発表は確認できなかった(段階: 該当なし。公正取引委員会)。AI推進法や個人情報保護委員会についても、今週の新規発表は見つからなかった。
その他の国・地域
英国、韓国、インド、中国について、今週の主要な新規動向は確認できなかった。
今後の予定
- 2026年11月12日: メタのFTC同意命令をめぐる審理(メタの四半期報告書による)
- 2026年11月20日: メタの新商用利用規約の適用開始(前回レポートによる。10月30日から延期)
- 2026年11月中: EUのクラウド分野のゲートキーパー指定判断の見通し
- 未定: ブリンケマ判事によるグーグル広告技術訴訟の最終判決(署名後に60日の実施期間)
- 未定: メタによるニューメキシコ州の命令への控訴
