前回からの変化

前回(2026-10-07)との比較(週報のため、比較対象は1週間前)

変わったこと(変化・新規)

  • FTC対アマゾンの独占訴訟について、前回は「10月13日に公判開始予定」と記載したが、これは誤りだった。公判は2027年3月29日で、ジョン・チュン判事は10月9日、アマゾンが求めた2027年6月への延期を退けた(訂正・新規、MLex)。
  • グーグル広告技術訴訟で、判決案の対立点が整理された。前回の「AdXの開放期限」「適用範囲」「監視人の権限」に加え、データ提供の条件や監視人の候補選定権も争点として確認できた(進展、AdExchanger)。

昨日と同じこと(継続)

  • Google広告技術訴訟は、判事の最終判決が出ていない状態が続いている(継続)。
  • 日本では、テック企業を対象とした公正取引委員会の新規の勧告・命令は確認できなかった(継続、4週連続)。
  • EUのDMA・DSAの新規の制裁金決定や、英CMAの新たな決定は確認できなかった(継続)。

要因の連続性

  • 継続要因: 米国で巨大テック企業への反トラスト追及が並行して進む流れ(Google・Amazon)。
  • 新規要因: アマゾン訴訟の日程が確定し、司法の判断が2027年にずれ込む見通しになったこと。
  • 解消した要因: 前回挙げた「10月13日のアマゾン公判開始」は、そもそも誤りであり、前提として取り下げる。

今週の概観

今週(10月7日〜13日)は、EU・日本・英国で新規の制裁金決定や排除措置命令など確定的な動きは確認できなかった。目立ったのは米国の二つの反トラスト訴訟である。アマゾンの訴訟では延期要請が退けられ、日程が2027年3月29日で確定した。グーグルの広告技術訴訟では、最終判決案をめぐる司法省と同社の対立が続いている。なお一部の情報は二次的な報道にもとづくため、段階の記述は報道ベースである。

EU

今週、DMA(デジタル市場法)・DSA(デジタルサービス法)・GDPRについて、新規の制裁金決定や正式調査開始の一次情報は確認できなかった(段階: 該当なし、継続)。参考として、AI法の簡素化を図る「デジタル・オムニバス(AI)」は7月27日にすでに発効しており、今週の新たな動きではない。前回報じた子ども保護法案KIDS Actの意見募集についても、今週の新たな進展は確認できなかった。

米国

グーグルの広告技術訴訟では、9月2日にブリンケマ判事が広告取引所AdXの売却を退け、6年間の行為的救済と監視人の設置を命じた(PPC Land)。これを受けて司法省とグーグルが提出した最終判決案では、AdXと広告の仕組みPrebidをつなぐ期限が、司法省は6か月、グーグルは12か月と食い違っている。海外への適用も、司法省は即時、グーグルは追加で24か月を求める。データ提供の条件は、司法省が「乗り換えを検討中でも請求可」、グーグルが「乗り換えを決めた後のみ」とする。監視人の候補は、司法省が提案して同社が選ぶ形、グーグルがその逆を望む。判事がこれらを解決した後に命令が出て、60日の実施期間が置かれる。グーグルは今回の対立点について公の声明を出していない(段階: 判決案の提出・係争中。AdExchanger)。

FTCと各州によるアマゾンの独占訴訟では、ワシントン州西部地区連邦地裁のチュン判事が10月9日、アマゾンが求めた公判の2027年6月への延期を退けた。判事は「2027年3月29日の公判日に向けて準備してきた」とし、日程を変える理由はないとした。アマゾン側の公式声明は確認できていない(段階: 公判前・係争中。MLex)。

日本

公正取引委員会のスマホソフトウェア競争促進法関連の発表は、2026年は2月17日と7月27日の遵守報告書の公表のみで、9月以降の新たな発表は確認できなかった(段階: 該当なし。公正取引委員会)。個人情報保護委員会やAI推進法にもとづく施策についても、今週の新たな一次情報は確認できなかった。

その他の国・地域

英CMAのApple・Googleのモバイル基盤やMicrosoftに関する調査で、今週の新たな決定は確認できなかった。韓国・インド・中国についても、主要な新規動向は確認できなかった。

今後の予定

  • 2026年10月27日: 個人情報保護委員会の担当者が、2026年改正個人情報保護法の概要を説明するJIPDECのセミナー
  • 2026年11月3日: 欧州委員会の「技術が著作権に与える影響」に関する意見募集の回答期限(前回既報)
  • 未定: ブリンケマ判事によるGoogle広告技術訴訟の最終判決
  • 2027年3月29日: FTC対アマゾンの独占訴訟の公判開始予定