前回からの変化

前回(2026-10-21)との比較(週報のため、比較対象は1週間前)。

変わったこと(変化・新規)

  • 米ニューメキシコ州の州裁判所が10月21日、メタに250億ドルの民事制裁金の支払いを命じた。前回は扱っていない新規の項目である(新規、Source NM)。
  • グーグル(10月16日付)とメタ(10月23日に適用開始を延期)のデータ利用規約の改定が、欧州と英国の当局への苦情に発展した(新規、PPC Land)。

昨日と同じこと(継続)

  • グーグル広告技術訴訟は、前回に続き最終判決が出ておらず、今回の調査でも判決確定の報道は見つからなかった(継続、Beinsure)。
  • グーグルのDMA制裁金8億9000万ユーロをめぐるEU一般裁判所での取消訴訟は、新たな動きを確認できなかった(継続)。
  • 日本の公正取引委員会は、スマホ新法関連で7月27日以降の新たな発表を出していない(継続、6週連続。公正取引委員会)。

要因の連続性

  • 継続要因: 米国で巨大テック企業への追及が、反トラスト訴訟と並行して進む流れ。
  • 新規要因: 州裁判所による巨額の制裁金。企業が利用規約を改定し、その内容自体が規制当局に持ち込まれる流れ。
  • 解消した要因: なし。

今週の概観

今週(10月21日〜27日)は、米国の州裁判所がメタに過去最大級の250億ドルの制裁金を命じた。欧州ではグーグルとメタのデータ規約の改定が、当局への苦情の対象になった。いずれも確定した執行ではなく、メタは控訴の方針で、欧州の苦情も調査の開始前である。日本では新たな発表がなかった。なお、一部の情報は報道や法律事務所の解説にもとづき、一次資料までは確認できていない。

EU

グーグルは10月16日付のプライバシーポリシーで、検索と連携したGmail、ドライブ、フォトの推測内容を広告に使えるようにした。メタは商用利用規約を10月30日から11月20日へ延期した。新規約は、メタの製品を使う事業者に関連するウェブサイトを、メタが巡回して情報収集することを認める内容である。出版社などが欧州委員会と英国の競争・市場庁に苦情を申し立て、欧州出版者評議会は調査が終わるまでの停止を求めた。法的には、GDPR(欧州の個人データ保護規則。制裁金は世界売上高の最大4パーセント)、DMA(デジタル市場法。同10パーセント、繰り返しで20パーセント)、競争法(同10パーセント)などが論点になりうる(段階: 苦情の申立て。正式な調査の開始は確認できていない。PPC Land)。

企業側の反応として、グーグルは該当機能は欧州経済領域では提供しないと説明している。メタは、関係者に変更を説明するため適用を延ばしたとし、巡回の拒否を示すrobots.txtの設定は尊重し続けるとしている(同上)。

また、法律事務所Garriguesの解説によると、クラウド分野でのゲートキーパー(DMAの規制対象とされる巨大事業者)の指定判断が11月までに出る見通しである(段階: 市場調査中。Garrigues)。

米国

ニューメキシコ州の州裁判所は10月21日、メタがフェイスブックの利用者に対してプライバシーと内容管理について欺瞞を行ったとして、250億ドルの民事制裁金の支払いを命じた。9月の陪審が、同州の不公正取引法の違反を4300万件超と認めており、1件あたりの上限は5000ドル(上限の合計は約2190億ドル)である。州は350億から400億ドルを求め、メタは15億3000万ドル以下を主張していた(段階: 州裁判所の命令。控訴の見通し。Source NM)。メタは控訴する方針で、法務責任者は、この判断により同州で事業を行うことはほぼ不可能になると述べた。Axiosは、メタが直近で科された制裁金や和解金が合計420億ドル規模に上ると伝えている(Axios)。

グーグルの広告技術訴訟では、9月2日にブリンケマ判事が広告取引所AdXの売却を退け、行為的救済(事業の分割ではなく、行動のルールを課す措置)を命じた。最終判決案の提出期限は10月2日で、判事の署名後に60日の実施期間が置かれる。今週は最終判決の署名を確認できず、司法省とグーグルの主張の違いも解消した報道は見当たらなかった(段階: 最終判決案の審理中。AdExchanger)。

日本

公正取引委員会のスマホソフトウェア競争促進法関連の発表は、2026年は2月17日と7月27日の遵守報告書の公表のみで、今週も新たな発表は確認できなかった(段階: 該当なし。公正取引委員会)。今週の動きとして確認できたのは、10月27日にJIPDECが、令和8年改正個人情報保護法の概要を説明するセミナーを開いたことで、法の運用は施行準備の段階にある。

その他の国・地域

英国競争・市場庁は、メタの新規約への苦情を受け付けた側の当局の一つだが、調査の開始は確認できていない(上記EUの項を参照)。そのほかの国・地域では、今週の主要な新規動向は確認できなかった。

今後の予定

  • 2026年11月20日: メタの新商用利用規約の適用開始(10月30日から延期)
  • 2026年11月: EUのクラウド分野でのゲートキーパー指定判断の見通し(Garriguesの解説による)
  • 未定: ブリンケマ判事によるグーグル広告技術訴訟の最終判決(署名後に60日の実施期間)
  • 未定: メタによるニューメキシコ州の命令への控訴
  • 2027年3月29日: FTC対アマゾンの独占訴訟の公判開始予定