前回からの変化
変わったこと(変化・新規)
- FOMC利上げ観測が一段と切り上がったことが新たに確認できた。centralbank.watchの集計では9月12日時点で85.5%に達し、前回レポートで伝えた9月11日時点の85%からさらにわずかに上振れている(centralbank.watch)。一方でYahoo Financeが伝えるCME集計の記事では「60%超」という異なる水準も報じられており、集計時点・元データの違いで数値に幅がある点は前回同様である(Yahoo Finance)。
- ホルムズ海峡協議の詳細が新たに判明した。CNNによれば、本日(9/14)にオマーンでイランと湾岸諸国が「米国抜きで」会談し、機雷除去や一時的な航路確保など短期的な海峡管理に続く、正規のタンカー航行再開に向けたオマーン提案の法的枠組みを協議する。イランのトール(通行料)徴収は依然広く拒否されているが、航行安全・環境保護の対価としての「自発的拠出」なら検討の余地があるとされる(新規、CNN、Al Jazeera)。前回レポートでは「会談の目的は相互理解の促進」という抽象的な説明にとどまっていたが、今回は協議の具体的な論点(通行料か自発的拠出か)まで踏み込んだ情報が得られた。
- 日本の10年国債利回りについて、kabukiso.comの集計で9月11日時点2.980%という、前回レポートが引用した数値(2.973%)よりもやや高い水準が新たに確認できた。直近5営業日では8.0ベーシスポイント上昇しており、9月9日につけた2.880%からの反発局面にあることが分かった(出所により数値差があるため、いずれも参考値として扱う。kabukiso.com)。
- 米10年債利回りについて、Trading Economicsの集計で9月11日時点4.98%という水準が新たに確認できた。前回レポートが引用した数値(4.95〜4.96%)とは近いがわずかに高く、集計元による差とみられる(Trading Economics)。
- BOE(9/17決定)について、7月30日会合で3.75%据え置き(6対3の僅差)だったことが新たに確認できた。据え置き予想が中心だが、4%への引き上げの可能性も残るとされる(新規、Cambridge Currencies)。前回レポートでは「利上げ確率2割程度」という観測のみだったが、直近会合が僅差の票決だった経緯が新たに判明した。
昨日と同じこと(継続)
- FOMC(9/15-16開催、結果発表は日本時間9/17未明3時)前のブラックアウト期間が続いており、FRB高官の新規発言は確認できない。
- 日銀は9月17・18日の会合で政策金利を1.00%から1.25%へ引き上げるとの観測が大勢を占めたままで、日本経済新聞も同様の見立てを改めて報じている(日本経済新聞)。
- ECBは9月10日理事会で決定した25bp利上げ(預金ファシリティ金利2.25%→2.5%)を消化する段階が続いており、新たな高官発言は確認できない。
- 米・イラン間の軍事的緊張とホルムズ海峡の航行制約という基本構図は変わっておらず、原油高の一因となっている。
要因の連続性
- 継続要因: FOMCブラックアウトによる材料の乏しさ、日銀利上げペース加速観測、中東情勢の緊張長期化に伴う原油高・インフレ懸念。
- 新規要因: ホルムズ海峡を巡るオマーン仲介案の具体化(自発的拠出案)、BOEの前回会合が僅差だった経緯の判明、日米の長期金利がいずれもやや上振れて再確認されたこと。
- 解消した要因: 特になし。
1. 金利サマリー
| 対象 | 水準(取得時点) | 前回比 | 主な変動要因 |
|---|---|---|---|
| 米2年債 | 4.56%前後(9/11終値) | 変化なし(前回と同水準) | FOMC利上げ観測の高止まり |
| 米10年債 | 4.98%前後(9/11、Trading Economics) | ほぼ変化なし(前回引用値4.95〜4.96%と近似) | 節目5%を意識した高止まり |
| JGB10年債 | 2.980%(9/11、kabukiso.com) | ほぼ変化なし(前回引用値2.973%と近似) | 日銀利上げ観測、直近安値からの反発 |
| 独10年債(Bund) | 3.51%(9/11、既報) | 変化なし | ECB利上げ後の高水準を維持 |
| ドル円 | 152円台後半〜153円台前半で推移との見方(取引再開前) | 明確な実勢値なし(休場明け前) | 日米金融政策イベントを見極める展開 |
米2年・10年のスプレッドはプラス圏(順イールド)を維持しているとみられる。ドル円は市場休場明け前で確定した実勢値がなく、外為どっとコムは「日銀の利上げ加速観測による円買い」と「原油高・米インフレ懸念によるドル買い」が交錯する展開になるとみている(外為どっとコム)。
2. 中央銀行の動き
FRB
FOMC(9/15-16、日本時間9/17未明3時に結果発表、3時30分にウォーシュ議長会見)前のブラックアウト期間が続き、新規の高官発言は確認できない。利上げ観測はcentralbank.watchの集計で9/12時点85.5%まで上昇し、前回時点(9/11時点85%)からさらにわずかに切り上がった(centralbank.watch)。一方でYahoo Financeが伝える別集計では「60%超」という記事も見られ、集計元・時点による差が引き続き大きい。いずれも決定済みの事実ではなく、観測段階にとどまる。
日銀
9月17・18日会合での政策金利1.00%→1.25%への引き上げ観測が大勢を占める状況に変わりはない。日本経済新聞は改めて、原油高や円安に起因する物価の上振れリスクを抑える狙いがあると報じている(日本経済新聞)。植田和男総裁の記者会見は9/18午後(日本時間15時30分)に予定されている。
ECB・BOE・その他
ECBは9月10日の理事会で预金ファシリティ金利を2.25%から2.5%へ引き上げることを決定済み(既報)で、中東情勢に伴うインフレ圧力が2%目標超の状態を長引かせるとの見方を示した。BOE(9/17決定、日本時間20時)は7月30日の前回会合で3.75%据え置きを6対3の僅差で決めており、今回も据え置きが中心的な見方だが、4%への引き上げの可能性も排除されていない(新規、Cambridge Currencies)。
3. 経済指標
本日(9/14)は日曜明けの月曜で、日本時間今夜にかけて主要な経済指標の発表は予定されていない。来週は9/15に中国8月鉱工業生産・小売売上高、9/16(日本時間21時30分)に米8月小売売上高の発表が予定されており、FOMC直前の重要な材料として注目される(既報)。
4. 為替
ドル円は市場休場明け前で確定した実勢値がない。外為どっとコムは、来週の焦点はFOMCとBOJ双方の結果であり、「日銀が利上げ・追加利上げ姿勢を示しFRBが据え置きなら円高・ドル安、FRBが利上げ・強気姿勢を示し日銀が慎重ならドル高・円安」という構図になりやすいと整理している(外為どっとコム)。為替介入に関する新たな当局者発言・実弾介入の観測は本日時点でも確認できない。
5. 債券需給
本日時点で新規の入札・オペ実施に関する確度の高い情報は確認できなかった。前回レポートで触れた米財務省の次回長期債買戻しオペ(9/24予定)、日本国債の入札スケジュールに変更はないとみられる。ハイイールドスプレッドなどクレジット市場の指標について、本日時点で新たな数値は確認できなかった。
6. 他資産への波及
イラン・GCC・イラクによる本日のオマーン会談の結果次第で、原油相場を通じたインフレ観測・金利観に影響が及ぶ可能性がある。会談が航行再開に向けて前進すれば原油の地政学リスクプレミアムが後退し、株式・為替にとってはインフレ懸念の緩和材料になり得る。一方、FOMC・日銀会合双方で利上げが実現すれば、実質金利の上昇圧力が強まり、金(ゴールド)には上値を抑える方向に働きやすい。ドル円は日米の金利政策イベントの結果次第で振れが大きくなりやすく、暗号資産も金利観の変化に敏感な展開が続くとみられる(詳細はus_stock・commodity・crypto各カテゴリ参照)。
7. 今夜の注目イベント
本日(9/14)は月曜で、日本時間今夜にかけて米欧の主要な指標発表・国債入札は予定されていない。最大の注目は本日オマーンで開かれるイラン・GCC・イラクの外相会談で、ホルムズ海峡の航行管理を巡る協議の行方が原油相場を通じて金利観にも波及しうる。週後半にかけては9/15-16のFOMC(結果は日本時間9/17未明3時、ウォーシュ議長会見3時30分)、9/17-18の日銀会合(結果・植田総裁会見は9/18午後15時30分)、9/17のBOE政策金利発表(20時)が予定されている。FOMCブラックアウト期間(9/17まで)のため、週明け以降もFRB高官の新規発言は見込まれない。
