前回からの変化
変わったこと(変化・新規)
- 米銀行によるステーブルコインの実取引が新たに判明(社会実装・新規): 前回はインド・カナダのトークン化(RWA)実運用開始を伝えたが、本日新たに、米大手銀行U.S.バンクが自行発行のドル建てステーブルコイン「USBDC」をステラのパブリックブロックチェーン上で稼働させ、9月9日に北米・欧州間の実際の越境送金取引を完了させたことが判明した。発行・支払い・凍結・巻き戻し機能を含むテストを行ったが、あくまで内部パイロットで、顧客向けの提供開始時期は未定という(新規、PYMNTS.com、DailyCoin)。
- CLARITY法の成立確率が持ち直したことが新規判明: 前回はカルシ22%・Polymarket18%という低水準を伝えたが、本日新たに、9月13日時点でカルシ・Polymarketともに25%まで回復していることが分かった。ただしPolymarketの同法成立確率は2月時点の82%からは依然として大きく落ち込んだ水準にとどまる。上院は15日午後2時15分(米東部時間)にクローチャー(討論終結)採決を予定しており、可決には共和党53票に加え民主党から最低7票の造反が必要という構図は変わっていない(新規・修正、Yahoo Finance)。
- ビットコインETFの流出規模がさらに拡大したことが判明: 前回は9/12単独の流出額1,329万ドルを伝えたが、本日新たに、9月8日から11日までの4営業日累計で4億6,273万ドルの流出となり、うち9月10日単独で2億8,270万ドルという週内最大の流出があったことが分かった(新規、AMBCrypto)。対照的にイーサリアムETFには9/11に2億1,600万ドルが流入し、ブラックロックのETHAが1億4,880万ドルと主要な流入源になったことも判明した。
- リップル社がXRPレジャーの新機能を発表: 9月12日、リップル社の製品責任者がXRPレジャー(XRPL)上の新たな貸付機能を紹介し、同社が発行するステーブルコイン「RLUSD」の規制上の位置づけについても説明したことが新たに判明した。機関投資家向けインフラの整備を進める狙いとみられる(新規、cryptonews.com)。
- FOMC利上げ確率がさらに上昇: usethebitcoin.comの9/13分析によれば、FRBの9月利上げ確率は87%まで上昇したとされる。前回報告したcentralbank.watchの85%からさらにわずかに切り上がった形だが、集計元による差は引き続き大きい(新規、usethebitcoin.com)。
昨日と同じこと(継続)
- ビットコインは8万〜8万2,000ドル圏の上値抵抗を試せない展開が続いており、9月13日時点でも7万7,000ドル台前半で推移している。
- 日本のコインチェックが導入する新規送金先アドレスへの送金制限(9月15日から)は、金融庁・警察庁の要請に基づく措置であることが改めて確認できた。制限の内容・背景に新たな変化はない。
- ジーキャッシュ(ZEC)は9月11日の急落から一部持ち直したものの、9月13日時点でも1,100ドル近辺で不安定な値動きが続いている。
要因の連続性
- 継続要因: FOMC利上げ観測の高止まり、CLARITY法を巡る与野党の隔たり、ビットコインの上値抵抗(8万〜8万2,000ドル圏)。
- 新規要因: 米銀行によるステーブルコインの実運用進展、CLARITY法成立確率の反発(25%)、ビットコインからイーサリアムへのETF資金ローテーションの拡大。
- 解消した要因: 特になし。
価格サマリー
取得時点: 日本時間2026年9月14日朝(米国時間9/13時点の分析データに基づく。相場は24時間動いており、時点により数値差がある)。
| 銘柄 | 価格(ドル建て) | 動向 |
|---|---|---|
| ビットコイン(BTC) | およそ7万7,200ドル | 8万ドル台を試せず、7万7,000ドル台前半で下げ渋る展開 |
| イーサリアム(ETH) | およそ2,520ドル | CPI後の一時上昇から反落、2,500ドル台を維持 |
| ジーキャッシュ(ZEC) | およそ1,108ドル | 前日比-3%程度、1,100ドル近辺で不安定 |
| リップル(XRP) | 既報水準(1.35〜1.40ドル程度)からの大きな変化は確認できず | CLARITY法採決を控え様子見 |
出典: usethebitcoin.com(BTC)、usethebitcoin.com(ETH)、24/7 Wall St.(ZEC)
銘柄別動向
ビットコイン(BTC)
usethebitcoin.comの9/13分析によれば、ビットコインは8月CPIを受けたFOMC利上げ観測の高まり(利上げ確率87%との集計)を背景に、7万7,000ドル台前半で下げ渋る展開が続いている。8万ドルを回復できない状態が続いており、弱気シナリオでは7万5,000ドルを割り込むと下値模索が強まるとされる(usethebitcoin.com)。
ビットコイン現物ETFは9月8日から11日までの4営業日で合計4億6,273万ドルの流出となり、9月10日単独では2億8,270万ドルと週内最大の流出を記録した(AMBCrypto)。
イーサリアム(ETH)
CPI発表後に一時2,600ドル近辺まで上昇したが、その後反落し、9月13日時点ではおよそ2,520ドルで推移している。2,600ドルを回復できるかが当面の焦点で、下値では2,400〜2,500ドル圏が支持帯とされる(usethebitcoin.com)。
イーサリアムETFには9月11日単独で2億1,600万ドルが流入し、ブラックロックのETHAが1億4,880万ドルと主要な流入源になった。ビットコインからイーサリアムへの資金ローテーションが続いている(AMBCrypto)。
その他アルトコイン
- ジーキャッシュ(ZEC): 9月11日に1,100ドルを割り込んだ後、9月13日時点でもおよそ1,108ドル(前日比-3%程度)と不安定な値動きが続く。2025年9月の41ドルから2,361%という急騰の反動が出やすい局面とされる(24/7 Wall St.)。
- リップル(XRP): 価格は既報の水準からの大きな変化は確認できないが、9月12日にリップル社の製品責任者がXRPレジャー上の新たな貸付機能とステーブルコイン「RLUSD」の規制上の位置づけを説明し、機関投資家向けインフラの整備を進めていることが新たに判明した(cryptonews.com)。
強気派 vs 弱気派
強気派
- 一部の市場分析(usethebitcoin.com)は、ビットコインが7万7,000ドル台で下げ渋っていること自体を、8月の大幅なETF流入(3.52億ドル規模)を経た調整局面と位置づけ、FOMC通過後の反発余地に言及している(usethebitcoin.com)。
弱気派
- 複数の分析は、ビットコインが7万7,000ドルを割り込み、とくに7万5,000ドルを下回った場合や、ビットコインの市場シェア(ドミナンス)が6割を超えて上昇した場合、ETFからの流出が続いた場合を弱気シグナルとして挙げている(usethebitcoin.com)。
- Polymarket・カルシの集計に基づけば、CLARITY法の成立に市場はなお懐疑的で、規制の不確実性が相場の重しになりうるとの見方もある(Yahoo Finance)。
社会実装ニュース
米大手銀行U.S.バンクは、自行発行のドル建てステーブルコイン「USBDC」を、パブリックブロックチェーンのステラ上で稼働させ、9月9日に北米と欧州の法人間での越境送金取引を実際に完了させたことが判明した。発行(ミント)、支払い決済、送金停止(フリーズ)、巻き戻し(クロウバック)といった機能を含めてテストしたとされ、既存の中核となる財務・リスク・コンプライアンス基盤との統合を維持した形での運用だという。ただし同行は「これはあくまで内部パイロットであり、顧客向けの提供開始時期は未定」と明言しており、商用化はまだ先の段階にある(PYMNTS.com、DailyCoin)。前回伝えたインド・カナダの事例が証券・預金分野の実運用だったのに対し、今回は米国の大手銀行自身がステーブルコインの越境送金という決済分野で実取引を完了させた点が特徴的である。
法改正・規制ニュース
米国
米上院は9月15日午後2時15分(米東部時間)、CLARITY法(暗号資産市場構造法)のクローチャー(討論終結)採決を予定している。共和党の53議席に加え、可決には民主党・無所属から最低7票の造反が必要という構図に変わりはない。カルシ・Polymarketともに成立確率はおよそ25%まで持ち直したが、2月時点の82%(Polymarket)からは依然として大きく低い水準にとどまる(Yahoo Finance)。
日本
コインチェックが導入する新規登録アドレスへの送金制限は、9月15日から予定どおり実施される見通しで、金融庁・警察庁の要請に基づく詐欺被害防止対策の一環であることに変わりはない(継続、既報)。
テクニカル分析
ビットコイン(BTC)
7万7,000ドル台前半での下げ渋りが続き、8万ドル台を回復できない状態が続いている。弱気シグナルとしては7万5,000ドル割れ、ビットコインドミナンスの6割超えなどが挙げられている(usethebitcoin.com)。
イーサリアム(ETH)
2,600ドルが当面のレジスタンス、2,400〜2,500ドル圏が支持帯という構図は前回から変わっていない。CPI後の反発が続くかどうかは、9月16日のFOMC結果に左右されるとみられる(usethebitcoin.com)。
業界トピック
- ビットコインからイーサリアムへの資金ローテーションが拡大: 4営業日累計でビットコインETFから4億6,273万ドルが流出する一方、イーサリアムETFには9/11単独で2億1,600万ドルが流入した(AMBCrypto)。
- 米銀行によるステーブルコイン実装が進展: U.S.バンクのUSBDCパイロットは、銀行本体がパブリックブロックチェーン上でステーブルコインを発行し実際の越境送金に用いた事例として、今後の商用化に向けた試金石になるとみられる(PYMNTS.com)。

