前回からの変化
前回(2026-10-31)との比較である。前回は日銀の据え置きと東京都区部CPI、ユーロ圏GDPを扱い、「次の注目イベント」の先頭にBOEの決定を挙げていた。今回はその結果をフォローする。
変わったこと(変化・新規)
- 前回は結果未発表だったBOEの決定が出た。政策金利は3.75%から4.00%へ引き上げられ、2023年8月以来の利上げとなった。市場予想どおりである(CNBC: Bank of England hikes interest rate、FXStreet: BoE raises interest rate to 4%)
- 前回の日銀は「据え置き」だったが、今回のBOEは「利上げ」で、主要中央銀行の中でも対応が分かれた形になった。これは筆者の整理である
- 米雇用統計は前回の予告どおり本日(11月6日)22時30分の発表予定で、結果はまだ出ていない
昨日と同じこと(継続)
- 前回「物価の高止まり」として整理した流れは、BOEでも続いている。前回のECB、日銀に続き、中東情勢を背景とした物価上振れへの警戒が政策判断の軸になっている
- 米FOMCの次の節目は12月8〜9日のままで、日銀の12月会合とあわせた「年末の金利判断」が焦点という構図も変わらない
要因の連続性
- 継続要因: 中東情勢によるエネルギー価格の上昇が物価を押し上げる点は、前回のユーロ圏(燃料高)と同じである
- 新規要因: 英国では新しい予算案を受けて物価見通しが上方修正され、ピークが2027年4〜6月期の4.9%とされた。追加の材料としてBOEが利上げに動いた
- 解消した要因: BOEの会合結果をめぐる不透明感は通過した
イベントサマリー
| 項目 | 結果 | 市場予想 | 前回値 |
|---|---|---|---|
| BOE 政策金利 | 4.00%に引き上げ(賛成8・0.50ポイント主張1) | 4.00%への利上げ | 3.75%(2025年12月に引き下げ) |
| 英CPI(BOE見通し・ピーク) | 2027年4〜6月期に4.9% | 発表なし | 現在3.5% |
数値はOANDA証券: BOE金融政策委員会とMPA: 投票の振り返りによる。なお、BOEの公式サイトの公表文そのものは今回確認できていない。
政策金利の決定
BOE(イングランド銀行)
BOEの金融政策委員会(MPC)は5日、政策金利(バンクレート)を0.25ポイント引き上げて4.00%とした。引き上げは2023年8月以来で、約3年ぶりである。市場も利上げを予想していた(CNBC: Bank of England hikes interest rate)。
投票は8対1だった。ベイリー総裁、ブリーデン、ディングラ、グリーン、ロンバルデリ、ピル、ラムズデン、テイラーの8人が0.25ポイントの利上げを支持し、外部委員のマン氏は0.50ポイント(4.25%)の利上げを主張した。全員が利上げ側に票を投じた形で、据え置きを求める委員はいなかった(MPA: 投票の振り返り)。
物価見通し(金融政策報告書)では、CPIは2027年4〜6月期に4.9%でピークとなり、2%の目標に戻るのは2028年とされた。7月時点の見通しより1年近く後ろ倒しになった。背景は、中東情勢によるエネルギー価格の上昇と、新しい予算案である(OANDA証券: BOE金融政策委員会、CNBC: Bank of England hikes interest rate)。ベイリー総裁は「エネルギー価格の上昇で、バンクレートの引き上げが正当化されるだけの物価圧力が出てきた」と説明した。一方で、今回を「避けられない長い一連の利上げの1回目」とみるべきではないとも述べ、会合ごとに判断するとした。中東情勢が改善しなければ、物価のリスクは上向きだとも述べている(FXStreet: Key takeaways from the BoE meeting)。
委員会内では、今回を新たな利上げ局面の始まりとみるタカ派(物価抑制を優先する立場)と、あと1回までとみるハト派(景気配慮を重視する立場)に見方が分かれたと伝えられている。これは解説記事の見方である(FXStreet: Key takeaways from the BoE meeting)。
市場の反応
発表後の反応を、報道ベースで示す。取得時点は出典に明記がない。
- 英国債: 10年債利回りは2ベーシスポイント(0.02ポイント)上昇して5.1546%、2年債利回りは4ベーシスポイント上昇して4.782%となった(CNBC: Bank of England hikes interest rate)
- ポンドドル: 公表直後は1.3482ドルまで上げたが、会見後は1.3459ドルまで上げ幅を縮めた(OANDA証券: BOE金融政策委員会)
- ポンド円: 213.55円から213.27円へ調整された(OANDA証券: BOE金融政策委員会)
利上げが予想どおりだったため、ポンドの反応は限られた。株価指数と米国債利回りの具体的な水準は、今回確認した出典では得られなかったため載せない。
次の注目イベント
- 米国の10月雇用統計(11月6日22時30分の予定): 非農業部門雇用者数と失業率が焦点で、12月のFOMCの判断材料になる。前回の9月分は雇用者数が2.9万人増にとどまり、市場予想の8.9万人増を下回った。ただし検索結果にもとづく情報で、公式の発表カレンダーは未確認である
- 日本の7〜9月期GDP(1次速報、11月中旬の予定): 日銀の12月会合の判断材料になる。日付は一次情報で未確認である
- BOEの次回会合(12月17日): 今回の利上げが1回で止まるか続くかが焦点になる(MPA: 投票の振り返り)。このほか、FOMC(12月8〜9日)と日銀の12月会合も控える

