前回からの変化

前回(2026-09-29)との比較である。前回は1週間前の火曜に作成されたレポートで、比較はその週との差になる。

変わったこと(変化・新規)

  • 承認の対象が、前回の乳がん・腎がん・希少骨疾患から、パーキンソン病・慢性リンパ性白血病・小児心疾患・小児用医療機器へ移った(新規)
  • インフルエンザの定点あたり報告数は、前回掲載の第36週3.29人から、第38週8.48人へ約2.6倍になった(新規データ)
  • WHOが公表するエボラ(ブンディブギョ株)のコンゴ民主共和国での流行が新たに加わった(新規)

前回と同じこと(継続)

  • 国内の季節性インフルエンザが例年より早いペースで拡大している状況は継続している
  • FDAによる希少疾患・がん領域での承認が続いている点も前回と同様である

要因の連続性

  • 継続要因: 例年より早いインフルエンザの流行入りが、前回に続き報告数の増加要因として働いている
  • 新規要因: 44都道府県で前週より患者数が増えるなど、流行が全国規模に広がったことが新たに加わった
  • 解消した要因: なし

今週の概観

過去1週間(前週火曜9月29日〜実行前日10月5日)は、FDAがパーキンソン病薬、白血病薬、小児心疾患の適応拡大、小児用心臓弁などを相次いで承認した。なお、パーキンソン病薬は9月28日の承認で、前回の集計期間の直後にあたるため、前回レポートには載っていない。国内ではインフルエンザの報告数が第38週に8.48人まで増え、海外ではコンゴ民主共和国のエボラ流行が続いている。

承認・審査の動き

FDA

  • タバパドン(商品名JUVMO、9月28日): AbbVie: U.S. FDA Approves AbbVie's JUVMO (tavapadon) for Parkinson's Diseaseによると、成人のパーキンソン病を対象に、選択的なD1/D5ドーパミン受容体作動薬として承認された。以下の数値は企業発表である。早期患者のTEMPO-1・2試験では、日常生活動作を測る指標(MDS-UPDRS Part II)が22〜23パーセント改善し、プラセボ群は12パーセント悪化した。進行期のTEMPO-3試験では、症状が抑えられた「オン」時間が1.7時間増え、プラセボ群は0.6時間だった。
  • ピルトブルチニブ(商品名Jaypirca、10月2日): FDA: FDA approves pirtobrutinib for previously untreated chronic lymphocytic leukemia or small lymphocytic lymphomaによると、17p欠失のない未治療の慢性リンパ性白血病・小リンパ球性リンパ腫の成人が対象で、適応拡大にあたる。根拠はBRUIN CLL-313試験(282人、ベンダムスチンとリツキシマブ併用との比較)である。ASCO Postは、非共有結合型BTK阻害薬として初の1次治療承認と伝えた。販売元はEli Lillyである。
  • マバカムテン(商品名Camzyos、9月30日): Guideline Centralの9月承認一覧によると、症状のある閉塞性肥大型心筋症について、12歳以上の小児へ適応が拡大された。
  • Autus Size-Adjustable Valve(10月1日): FDA: FDA Approves First Heart Valve Designed to Grow with Childrenによると、先天性の肺動脈弁疾患がある小児向けに、手術後に拡張できる初の心臓弁が承認された。最初の60人の6か月時点で血行動態は許容範囲で、血栓や脳卒中などの合併症はなかったとされる。

EMAと、PMDA・厚生労働省による新規承認は、本レポート時点で確認できていない。

感染症・公衆衛生

季節性インフルエンザについて、リセマムは、厚生労働省の発表として、全国の第38週(9月14〜20日)の定点あたり報告数が8.48人で、前週(第37週)の5.54人より増えたと伝えた。44都道府県で患者数が増え、減ったのは島根県・山口県・宮崎県の3県のみである。定点あたり報告数とは、全国の指定医療機関1か所あたりの平均報告人数を指す。報告総数は3万1,428人で、前年同期の3,073人を大きく上回った。

あわせて、インフルエンザを含む急性呼吸器感染症全体の第38週の定点当たり報告数は66.37人で、前週の55.87人から10.50人増え、5週連続で増加した(レスキューナウニュース)。

海外では、WHOの9月10日付の発表で、コンゴ民主共和国のブンディブギョ株エボラ流行が、確定症例6,757例、死亡3,267例(致死率48.3パーセント)、6州61保健区域に及んでいる。この流行は5月17日に国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)と認定されている。数値は9月上旬時点のもので、その後の最新値は本レポートでは確認していない。

臨床試験・研究の結果

対象週間中に、NEJM・Lancet・JAMA・BMJ掲載や主要学会発表の大規模試験で、本レポートが一次情報として確認できたものはなかった。参考として、上記ピルトブルチニブの承認根拠となったBRUIN CLL-313試験は、282人を1対1でピルトブルチニブ群とベンダムスチン・リツキシマブ群に割り付けた非盲検の比較試験である(ASCO Post)。効果量の数値は今回確認できていない。

政策・その他

薬価改定・診療報酬に関する対象週間中の新たな決定は、本レポート時点で確認できていない。

医療助言に関する注記: 本レポートは公的機関・企業の発表内容を要約したものであり、個別の受診・服薬・ワクチン接種の判断は医師にご相談ください。