前回からの変化

前回(2026-10-05、前日)のレポートとの比較である。

変わったこと(変化・新規)

  • 前回は、CFTCの規則案がホワイトハウスの審査に送られた段階(9月17日の出来事)と報じられていた。本日は、CFTCが10月5日に「Regulation CTX」と「Regulation CAM」の規則案を実際に公表し、意見を募る段階へ進んだ(The Block)
  • 前回のx402に続く特集として、本日は10月1日に稼働したステーブルコイン「Open USD」を取り上げる
  • ビットコインは前回の8万5,312ドル前後から、本日は8万5,790ドル前後へ小幅に上昇した。イーサリアムは前回の2,702ドル前後から2,713ドル前後へ小幅に上昇した

昨日と同じこと(継続)

  • 米国で議会の立法を待たず、各当局が規則を整える流れが続いている(前回のSEC・CFTCに続き、本日もCFTCとFRB)
  • ビットコインが8万2,000〜8万6,000ドル前後で推移する構図は継続している

要因の連続性

  • 継続要因: 市場構造法案(CLARITY法)が9月に上院で止まったため、当局が既存の権限で規則を整えるという流れが、前回に続いて働いている
  • 新規要因: CFTCの規則案が審査から公表・意見募集の段階に進んだこと、FRBがステーブルコイン発行者向けの規則案を出していたことが加わった
  • 解消した要因: なし

市況ひとこと

ビットコインは8万5,790ドル前後で、24時間では0.0パーセントの横ばいだった(CoinDesk: Bitcoin price today)。イーサリアムは2,713ドル前後で、24時間では0.3パーセント高である(CoinDesk: Ethereum price today)。取得は10月6日朝(日本時間)である。どちらも大きな変動ではない。

社会実装・インフラへの採用

Open USDが稼働

  • 誰が・何を: Stripe、Visa、Mastercard、Coinbase、Shopifyの5社が創設メンバーとなり、新会社Open Standardが運営するドル連動型のステーブルコイン「Open USD(OUSD)」が10月1日に稼働した。発行時点の時価総額は4億6,800万ドルと報じられている(Ledger Insights)
  • 段階: 本番運用。提携企業は200社超で、うち52社が銀行である。準備金はブラックロック、BNYメロン、リード・バンクが保管する
  • 技術: イーサリアム、ソラナなど複数のブロックチェーンで動くと報じられている(Unchained)。トークンそのものが決済に使われる点が特徴である
  • 詳細は下の特集で扱う

各国の法改正・規制

米国

  • CFTCの規則案: 米商品先物取引委員会(CFTC)は10月5日、レバレッジや証拠金を使う暗号資産の小売取引を対象とする規則案を公表した。新たに「暗号資産市場」という取引所の登録区分を設け、州ごとの免許に代わる連邦の単一の枠組みを選べるようにする内容である。一方で、議会の授権がなければ、暗号資産の取引をCFTC登録の取引所に限ることはできない。パブリックコメントを求める段階で、コメント期限は確認できなかった(The Block、PYMNTS)
  • FRBの規則案: 米連邦準備制度理事会(FRB)は9月24日、GENIUS法(ステーブルコイン法)を実施する2つの規則案を公表した。ステーブルコイン1ドルにつき1ドル以上の準備資産(短期米国債など)を求め、発行者に資本規制と、2営業日以内の償還を課す。資本が基準を下回れば、準備資産を全額清算して全コインを償還する。意見募集は官報掲載から60日間で、まだ確定した規則ではない(Crypto Times)

日本

  • 金融庁は2026年5月19日、外国の信託型ステーブルコインを電子決済手段として扱う内閣府令の改正を公布し、6月1日から施行した。日本と同等の法制度を持つ国で発行されたものが対象である(CoinPost)
  • 金融庁は8月7日付で組織を再編し、「暗号資産・ステーブルコイン課」を新設した。名称に暗号資産を冠した課が置かれるのは初めてである(ITmedia NEWS)。本日の前日〜実行時点には、新たな制度の動きは確認できなかったため、直近の動きを発表日付きで再掲した

特集: 新しいビジネスの形

準備金の運用益を分け合うステーブルコイン「Open USD」

直近2週間の特集(10月5日のx402を含む)とは別のテーマである。

  • 仕組み: ステーブルコインは、利用者から預かったドルで米国債などを持ち、それと同額のトークンを発行する。従来は、発行会社が準備金の運用益をほぼ独占していた。Open USDは運営会社Open Standardが「少額の管理手数料」を取ったうえで、準備金の運用益を提携企業に分配する設計だと報じられている(Ledger Insights)
  • 誰がどう稼ぐのか: 創設5社は、合計で10億ドル超を流動性づくりに投じる。決済や取引所の事業者は、自社の顧客にOpen USDを使わせて、分配を受け取れる。発行・償還の手数料の扱いは、確認できた資料に明記がなかった
  • 既存のやり方との違い: 単独の企業が支配する発行体ではなく、複数の企業が運営に関わる共同運営型である。各社が自前でステーブルコインを出すより、利用の窓口が1つにまとまる
  • 課題・リスク: 稼働直後の時価総額は4億6,800万ドルと、先行するステーブルコインに比べて小さい。創設メンバーのうちShopifyは、当初は流通面で参加しなかったと報じられた。運営の仕組みも6月の発表から変わっており、収益分配の詳細は流動的である。米国ではFRBの規則案にあるとおり、準備資産・償還・資本の規制が確定していない
  • 具体例: Stripe傘下の決済基盤会社が発行に関わるとされ、VisaとMastercardが加盟店・カード網での利用を支える

業界トピック

  • Bitgetの流出: 取引所Bitgetは9月25日、ホットウォレット(ネット接続中の資産管理口座)から3億5,160万ドル相当が流出したと報じられた。同社は出金を一時停止して調査し、保護基金で利用者に全額を補填するとしている。コールドウォレットは無事だった。2026年で最大のハッキングとされるが、出典は1媒体のみで、続報の確認が必要である(Coinpedia)