前回からの変化

前回レポートなし(比較対象なし)

今週の概観

過去1週間(前週火曜9月22日〜実行前日9月28日)は、米FDAで乳がん・腎細胞がん・希少疾患向けの新薬承認が相次いだ。ちょうど前週末の9月18日には、希少神経疾患のアタキシア・テランギエクタシア(A-T)向け新薬(レバセチルロイシン)が世界初の治療薬として承認されており、今週にかけて重要疾患領域での承認ラッシュが続いた形である。国内では季節性インフルエンザが例年より早いペースで流行が拡大している。

承認・審査の動き

FDA

  • イムルネストラント+アベマシクリブ(9月22日): Targeted Oncologyによると、FDAはESR1変異陽性の進行乳がんに対し、イムルネストラントとアベマシクリブの併用療法を承認した。臨床試験では、この併用によりESR1変異陽性の進行乳がん患者の無増悪生存期間(PFS)の中央値が従来治療の約2倍に延びたとされる。
  • ベルズチファン+レンバチニブ(9月25日): PD-1/PD-L1阻害薬による治療後に進行した淡明細胞型腎細胞がん(ccRCC)に対し、ベルズチファンとレンバチニブの併用療法が承認され、治療選択肢が広がった。
  • ジルルジセルチブ(商品名Atebrioz、9月25〜26日): BusinessWireによると、開発元のMirum Pharmaceuticals(Incyteからライセンス)による経口ALK2阻害薬が、進行性骨化性線維異形成症(FOP)の12歳以上の患者向けに承認された。FOP治療薬としては世界で3例目となる。
  • Galleri(GRAIL社、多癌種早期検出検査): 9月23日、FDAの医療機器諮問委員会(分子・臨床遺伝学パネル)が、50歳以上を対象とする多癌種スクリーニング用の次世代シーケンシング検査「Galleri」の販売前承認申請(PMA)について審議・採決を行った。最終承認の可否は今後の判断待ちである。
  • (参考・期間直前)レバセチルロイシン(AQNEURSA、9月18日): アタキシア・テランギエクタシア(A-T)の成人・小児患者向けとして、世界初の承認治療薬となった。対象週の直前の承認だが、重要性が高いため参考記載する。

EMA

今月14〜17日に開催されたCHMP(ヒト用医薬品委員会)会合では、血友病A・肺がん・重症筋無力症・卵巣がん・狂犬病・短腸症候群などを対象に12件の新薬(非希少疾病用医薬品7件、希少疾病用医薬品1件、バイオシミラー2件など)が承認勧告された。最終決定は欧州委員会の判断による。今回の会合は対象週間の直前(9月17日まで)だが、直近のCHMP会合として参考記載する。

PMDA・厚生労働省

今週の薬事審議会(部会)における新規承認の公表は、本レポート時点で確認できていない。

感染症・公衆衛生

季節性インフルエンザについて、国立健康危機管理研究機構(JIHS)の感染症発生動向調査によると、2026年は第34週(8月17〜23日)の時点で定点あたり報告数が1.11と、例年より早い時期に流行入りの目安(1.0)を超えた。第36週(8月31日〜9月6日)には定点あたり3.29(患者報告数1万2,299人)まで増加しており、H・CRISISによれば厚生労働省も9月18日付でこの早期流行入りに関する報道発表を行っている。本レポート時点で対象週(第38〜39週)の確定値は未公表のため、直近公表分の第36週データを参考値として扱う。新型コロナウイルス感染症・その他感染症について、対象週間中に特筆すべき新たな注意喚起は確認できていない。

臨床試験・研究の結果

対象週間(9月22〜28日)中に、主要学会発表またはNEJM・Lancet・JAMA・BMJ掲載の大規模無作為化比較試験の新規結果は確認できなかった。参考として、上記ジルルジセルチブの承認根拠となった第2相PROGRESS試験(無作為化二重盲検プラセボ対照試験)では、24週時点の全身CTによる新規異所性骨化(HO)量の変化が投与群でマイナス3.2立方センチメートル、プラセボ群でプラス24.6立方センチメートルとなった。ただし事前設定の主要評価項目(新規病変の発生率、投与群3.1%対プラセボ群16.7%、P値0.0986)は統計的有意差に届かず、副次評価項目のHO量・フレア(症状増悪)の減少は良好だったとされる。

政策・その他

薬価改定・診療報酬に関する対象週間中の新たな決定は、本レポート時点で確認できていない。

医療助言に関する注記: 本レポートは公的機関・企業の発表内容を要約したものであり、個別の受診・服薬・ワクチン接種の判断は医師にご相談ください。