前回からの変化
前回(2026-10-30、前日)との比較である。前回は30日0時台のNY時間までを扱った。今回は30日の東京時間から、NY時間の引けまでを扱う。
変わったこと(変化・新規)
- 前回の「今夜の注目イベント」だった日銀会合が終わった。政策金利は1.25%で据え置きで、決定直後にドル円は157円51銭から157円11銭まで下げたが、その後157円62銭まで戻した(OANDA証券: 日銀は1.25%で据え置き)
- ドル円は前回の157円88銭(30日0時台)から、30日のNY時間の引けで157円64銭へ0.24円(0.2%)下げた。NY時間には156円96銭まで下げ、日足では4営業日ぶりに157円を割った(ザイFX: 10月30日のNY為替・原油概況、みんかぶFX: 円買いが優勢)
- ロンドン時間は、週末と月末を前にしたポジション調整とみられる円買いが出た。ニューヨーク序盤は、アマゾンとインテルの決算への失望でAI関連株が売られ、リスク回避の円買いが強まった(みんかぶFX: 円買いが優勢、みんかぶFX: 一時156円台に下落)
- その後、FRB高官が速やかな段階的利上げの必要性を指摘したとの報道と、フーシ派によるサウジアラビアへの攻撃を受けた原油高で、ドル買いが戻った(ザイFX: 10月30日のNY為替・原油概況)
昨日と同じこと(継続)
- ドル円は10月に入ってからの156円台後半〜158円台後半のレンジ内での推移が続く(前回レポートのレンジ認識を引き継ぐ)
- 為替介入や、財務省・日銀による為替発言は、確認できた範囲では見当たらない
- 12月の日銀の追加利上げ観測が円を支える一方、日米金利差(日米の金利水準の差)がドル円の下値を支える構図は、前回から変わらない
要因の連続性
- 継続要因: 12月の日銀利上げ観測と、米国の利上げ観測がせめぎ合う構図が続いた。米国の物価の高止まりも前回と同じ背景にある
- 新規要因: 日銀の「2%到達」認定、AI関連株安、原油高(フーシ派の攻撃)、ドイツの物価鈍化によるユーロ売りが新たに加わった
- 解消した要因: 日銀会合とECB、米GDP・PCEの結果待ちは通過した。12月の日銀利上げの織り込みは、前回報じられた約83%から、OANDA証券の報じる約75%(OIS)へやや低下した(出典が異なる点に注意)
為替サマリー
| 通貨ペア | 前回(30日0時台) | 30日NY時間 | 備考 |
|---|---|---|---|
| ドル円 | 157円88銭 | 157円64銭(引け) | 日銀据え置き後も小動き |
| ユーロドル | 1.1163ドル | 1.1136ドル | ドイツ物価の鈍化で下落 |
| ユーロ円 | 176円18銭〜25銭 | 175円95銭 | 安値175円07銭から回復 |
| ポンドドル | 未確認 | 1.3374ドル | 1.3430ドルから下落 |
水準は日本時間30日夜〜31日朝の報道時点の値で、ユーロドル・ユーロ円・ポンドドルはNY時間の値動きの終点として報じられたものである(ザイFX: 10月30日のNY為替・原油概況)。ドル指数と人民元は、今回も信頼できる数値を確認できなかった。
ドル円の動き
東京時間の朝は、日銀会合を前に157円60銭〜158円13銭の狭い範囲だった(みんかぶFX: 本日の見通し)。日銀は昼に1.25%の据え置きを決め、基調的な物価上昇率が2%目標とおおむね整合的な水準に達したと判断した。決定直後のドル円は157円51銭から157円11銭へ下げたが、その後は157円62銭まで戻し、日銀の決定だけでは大きな円高にならなかった(OANDA証券: 日銀は1.25%で据え置き)。植田総裁は会見で、2%の水準で安定させていくことが重要だと述べ、利上げは毎回の会合で検討するとした。12月の利上げを明確に示す発言はなかった(みんかぶFX: 植田日銀総裁 質疑応答)。
欧州時間の21時台には、週末と月末を前にしたポジション調整とみられる円買いが優勢となり、ドル円は4営業日ぶりに157円を割って156円96銭まで下げた(みんかぶFX: 円買いが優勢)。NY序盤は、アマゾンとインテルの決算を受けたAI関連株の売りで米株が下げ、一時156円台に下げた(みんかぶFX: 一時156円台に下落、時事通信: ダウ続落、187ドル安)。その後はFRB高官の発言と原油高でドルが買われ、157円64銭で引けた(ザイFX: 10月30日のNY為替・原油概況)。
円安・円高の影響は両面ある。円安は輸出企業の業績や海外資産の円換算額を押し上げる一方、輸入物価を通じて家計の負担を重くする。円高はその逆に働く(筆者の整理)。
その他の主要通貨
- ユーロ: ユーロドルは1.1197ドルから1.1136ドルへ下げた。ドイツの消費者物価の鈍化で、ユーロ売りが加速したと伝えられている。ユーロ円は175円07銭まで下げたあと、175円95銭まで戻した(ザイFX: 10月30日のNY為替・原油概況)
- ポンド・スイスフラン: ポンドドルは1.3430ドルから1.3374ドルへ、ドルスイスは0.8205フランから0.8256フランへ動いた。ドル高方向の動きである(ザイFX: 10月30日のNY為替・原油概況)
- 人民元・豪ドル・韓国ウォン: 信頼できる数値を確認できなかった
当局の姿勢と介入
30日は、財務省・日銀による為替に関する発言や、介入の実施・認否は、確認できた範囲では見当たらない。確認されている最近の介入は7月30日の夜で、政府・日銀が円買い・ドル売り介入を行い、ドル円が一時157円台まで下げた(熊本日日新聞: 政府、日銀が為替介入)。みんかぶFXは、介入への警戒が週末にかけてドル円の上値を抑えているとの見方を伝えている(みんかぶFX: これからの見通し)。
日銀の植田総裁は会見で、利上げの判断には地政学リスクやAI、為替の動きなどを見るとした(みんかぶFX: 植田日銀総裁 質疑応答)。
ポジションと相場観
円高側の見方: 日銀が基調的物価の2%到達を認め、高田委員が1.50%への利上げを提案したことから、12月の利上げは近いとの見方がある。OIS(翌日物金利スワップ)は12月の利上げを約75%織り込んでいると報じられている(OANDA証券: 日銀は1.25%で据え置き)。
円安・ドル高側の見方: FRB高官が速やかな段階的利上げの必要性を指摘したと報じられ、原油高もドルの支えになった。みんかぶFXは、日米の金利差が大きいことがドル買いを促すとみている(ザイFX: 10月30日のNY為替・原油概況、みんかぶFX: これからの見通し)。売買の推奨ではない。
IMM通貨先物(CFTCが毎週公表する、大口投機家の持ち高)の新しい値は確認できていない。
テクニカル分析(ドル円)
21時台のピボット(前日の高値・安値・終値から計算する目安の価格)は157円37銭。上値の目安は157円77銭、158円30銭、158円70銭、下値の目安は156円84銭、156円44銭、155円91銭である。この時点の日中のレンジは156円97銭〜157円90銭だった(みんかぶFX: ピボットは157.37円付近)。移動平均線(一定期間の平均値を結んだ線で、相場の方向感の目安)やRSIの最新値は、今回の出典では確認できなかった。
今夜の注目イベント
31日は土曜日で、主要な為替市場は休場である。重要な指標発表や中銀高官の講演は予定されていない。週明け以降の主な予定は次のとおり。
- 米中間選挙(11月3日): 結果次第で財政や通商政策への見方が変わり、為替が反応する可能性がある。前回レポートが「来週」として挙げていたイベントである
- BOEの政策金利の発表(11月5日21時の予定)と米国の10月雇用統計(11月6日22時30分の予定): いずれも日付は一次情報では未確認で、検索結果にもとづく
- 米株とAI関連株の動き: アマゾンとインテルの決算で高まったAI投資への懸念が続けば、米金利とドルの動きに影響しうる(時事通信: ダウ続落、187ドル安)

