前回からの変化

前回(2026-10-25、前日)との比較である。24〜25日は週末で市場が休場のため、新しい値動きは無く、週末に出た材料と今週の見通しの変化が中心になる。

変わったこと(変化・新規)

  • 前回は確認できなかったIMM通貨先物の最新値が分かった。10月20日集計で、円は6万9878枚の買い越しとなり、前週から1万9671枚増えた。ユーロは13万4524枚の売り越し、ポンドは8万420枚の売り越しで、いずれも売り越しは減少傾向である(みんかぶFX)
  • 前回は日足終値の出典がYahoo Financeで156円81銭だった。みんかぶFXの四本値では、23日のドル円は始値156円77銭・高値157円16銭・安値156円08銭・終値156円87銭で、出典により6銭の差がある(みんかぶFX)
  • 前回「提案した」と伝えたイランのホルムズ海峡再開をめぐる報道は、イランの革命防衛隊系のタスニム通信が25日に「新しい提案はパキスタンに送っていない」と否定した。一方で、駐パキスタン大使は「米国が海上封鎖を解くなら海峡を再開する用意がある」と述べたと伝えられており、イランの発信は食い違っている(The Tribune、Iran International)
  • 英大手銀のストラテジストが「円は主要通貨で最も強い通貨になる可能性がある」と指摘した。日本への資金流入の増加、日銀の利上げ、投機筋の円売りポジションの縮小を根拠に挙げている(みんかぶFX)
  • 日銀とECBの会合の事前予想が具体的になった。日銀は据え置き、ECBも据え置き見込みと整理されている(みんかぶFX、みんかぶFX)

昨日と同じこと(継続)

  • 中東情勢と原油高が為替の材料になっている構図は続いている。トランプ大統領が「もう一度、小さな作戦をやるか、合意するか」と述べ、攻撃の可能性を排除していない点も前回と同じである(The Tribune)
  • 為替介入の事実は、確認できた範囲では見当たらない。ドル円が200日移動平均線を下回る状態も、前回の整理から変わっていない

要因の連続性

  • 継続要因: 中東情勢と原油高によるリスク回避の円買いと、AI投資への警戒。前回に続き、ドル円の上値を抑える材料である
  • 新規要因: 投機筋の円の買い越しが1週間で約2万枚増えたこと。円を売る側のポジションが減っており、円高方向の需給を示す材料として前面に出た。あわせて日銀の物価見通し引き上げが、利上げ継続観測を支えるとの見方が加わった
  • 解消した要因: 前回挙げた「イランがホルムズ海峡の再開を提案した」という材料は、イラン側の否定と大使発言で確度が揺らいだ。円買い・円売りどちらの材料かは、まだ定まっていない

為替サマリー

通貨ペア 23日終値 23日の高値〜安値 備考
ドル円 156円87銭 157円16銭〜156円08銭 始値156円77銭
ユーロドル 1.1202ドル 1.1226ドル〜1.1185ドル 始値1.1216ドル
ユーロ円 175円72銭 176円22銭〜175円10銭 始値175円84銭

値はみんかぶFXの23日の四本値(NY時間の引けまで)である。週末は市場が休場で、26日朝の時点で週明けの値は確認できていない。ドル指数と人民元は、今回も信頼できる数値を確認できなかった。前日比は、前回のYahoo Financeの値との出典差があるため、ドル円はほぼ横ばい(終値の差は6銭以内)とだけ記す。

ドル円の動き

23日のドル円は、東京時間に全国CPIの発表と日米の株安で156円08銭まで下げたが、その後は買い戻され、NY時間には米PMIの上振れでドル買いが入った。一方で円高方向の圧力が上値を抑え、156円台後半で引けた(みんかぶFX)。24〜25日は週末で動きがない。

円安・円高の影響は両面ある。円高は輸入物価の低下で家計の負担を和らげ、原油が高い局面で円建ての燃料価格の上昇を抑える。一方で、輸出企業の業績や海外資産の円換算額は下押しされる。円安はその逆に働く(筆者の整理)。

その他の主要通貨

  • ユーロ: ユーロドルは23日に1.12ドル近辺で引けた。フランスの景気悪化が鮮明になったことが重しになっている(みんかぶFX)。ユーロ円は175円台で、前回と同じく昨年10月以来の安値圏にある
  • ポンド: 英国の購買担当者景気指数(PMI)が、イラン紛争開始以来の高水準になり、英国の中央銀行による利上げ観測が強まったと伝えられた(みんかぶFX)
  • 豪ドル・アジア通貨: 豪ドルについては、IMM通貨先物でレバレッジド・ファンド(ヘッジファンドなどの投機的な投資家)の買い越しが増えたと報じられた(みんかぶFX)。人民元・ウォンは、今回も信頼できる数値を確認できなかった

当局の姿勢と介入

25〜26日に、財務省・日銀による為替の発言や介入の実施・認否は、確認できた範囲では見当たらない。前回の財務相発言の報道も、一次情報では確認できていない。

英大手銀のストラテジストは、為替介入が「ようやく効果を発揮し始めた可能性がある」と指摘したが、これは民間の見方であり、当局が介入を認めたものではない(みんかぶFX)。財務省の月次「外国為替平衡操作の実施状況」は、10月30日前後に公表されるのが通例で、介入の有無の確認材料になる。

ポジションと相場観

IMM通貨先物の投機筋ポジション(CFTCが毎週公表する、大口投機家の持ち高)は、10月20日集計で円が6万9878枚の買い越し、1週間で1万9671枚の買い越し増だった。ICEドル指数は1万5044枚の買い越しで、買い越し幅が拡大している。レバレッジド・ファンドの円は2万5598枚の売り越しだが、売り越しは1万2222枚減った(みんかぶFX)。円を売る動きが弱まり、買い越しが積み上がっていることを示す。

円高側の見方: 英大手銀のストラテジストは、日本への資金流入の増加と、日銀が3か月に1回程度のペースで利上げを続け、政策金利が現在の1.25%からさらに0.75ポイント上がるとの予想を根拠に、円が主要通貨で最も強くなる可能性を指摘した(民間の見方であり、売買の推奨ではない)(みんかぶFX)。

円安・ドル高側の見方: 前回紹介した外為どっとコムの整理では、市場がFRBの12月利上げを8割程度織り込む一方、日銀の年内利上げ観測は6割程度で、日米金利差が縮みにくいとされた。今回の出典では、この織り込みの最新値は確認できなかった。

テクニカル分析(ドル円)

前回と同様、外為どっとコムは、200日移動平均線(長期の平均的な水準で、売買の目安として使われる線)が158円付近にあり上値の目安、直近の上昇に対する50%戻しの156円付近が下値の目安で、155円を割ると売りが強まりやすいとしていた。23日の安値156円08銭は、この156円付近で下げ止まった形である。RSIの最新値は今回も出典で確認できなかった。

今夜の注目イベント

26日(月)の定例の主な材料は、ドイツのIfo景況感指数(10月)と米2年債入札、中国の共産党中央委員会総会の開幕である。欧州の冬時間への移行で、欧州の指標の日本時間の発表は1時間遅くなる(みんかぶFX)。

  • 中東情勢: 米国による対イラン攻撃の有無、イランの発信の食い違い、ホルムズ海峡の通航が、原油とドル円の方向を左右しうる
  • 今週の山場: 27日のイスラエル総選挙、28日のFOMC(結果は日本時間29日午前3時)、29日のECB理事会と米GDP速報値・PCE物価指数、30日の日銀会合。日銀は据え置きの見方が多く、展望レポートの物価見通しの引き上げと、植田総裁の会見での12月利上げをめぐる表現が焦点である(みんかぶFX、みんかぶFX)