前回からの変化

前回(2026-10-31付、30日の取引)との比較である。31日(土)と1日(日)は休場で、今回は2日(月)の取引を扱う。本土・香港とも開場した。

変わったこと(変化・新規)

  • 上海総合指数は前回の3,599.02から3,638.03へ39.01ポイント(1.08%)上昇し、3,600を回復した。深セン成分指数は10,833.78から11,010.68へ1.63%上昇した(OANDA ラボ: 中国株サマリー)
  • ハンセン指数は23,294.42から23,393.32へ98.90ポイント(0.42%)上昇し、H株指数は7,862.22から7,906.11へ0.56%上昇した。前回は本土が下落して香港が上昇する割れ方だったが、今回は両市場がそろって上昇した(OANDA ラボ: 香港株サマリー)
  • 前回「具体的な政策の発表は確認できていない」としていた支援策が、実際に動いた。人民銀行、金融監管総局、証監会が2日に座談会を開き、株式買い入れ・増持向け再貸付の金利を引き下げた(新華網)
  • 前回結果が未確認だった10月の製造業PMIが判明した。公式は49.3、民間のRatingDog(旧財新)は52.0で、割れた(中新網)

昨日と同じこと(継続)

  • 半導体・AI関連株の動向が市場を左右する構図は続く。ただし今回は売りが一服し、香港ではハンセンテック指数が大きく上げた
  • 白酒などの内需株が買われた前回と異なり、今回はメディア・ゲーム関連が買われたが、内需刺激策への期待で買いが入る点は前回から続く

要因の連続性

  • 継続要因: 景気対策・内需刺激策への期待。前回は具体策が未確認だったが、今回は資本市場の支援策として表れた
  • 新規要因: 株式買い入れ・増持向け再貸付の金利引き下げと恒久化、10月の公式PMIが50を割った景気の弱さ(追加対策への期待につながった)、米国とイランの交渉期待による米ハイテク株への買い戻し
  • 解消した要因: 前回の重しだった、週末の中国製造業PMIの発表前の様子見は通過した

市況サマリー

2日(月)は本土・香港とも開場した。

指数 終値 騰落率 前回の終値
上海総合指数 3,638.03(人民元建て) 1.08%高 3,599.02
深セン成分指数 11,010.68 1.63%高 10,833.78
ハンセン指数 23,393.32(香港ドル建て) 0.42%高 23,294.42
ハンセンテック指数 3,839.41 2.25%高 未確認

CSI300の終値は確認できなかった(未確認)。本土の売買代金は約1兆7,837億元だった(OANDA ラボ: 中国株サマリー)。

指数別動向

本土(上海・CSI300)

上海総合指数は、心理的な節目の3,600で寄り付き、早い時間にいったんマイナス圏に沈んだが、中盤以降に上げ幅を広げた。前週末に約1年3か月ぶりの安値を付けたあとで、買い戻しが入った。メディア、情報サービス、ゲーム、映画館運営が上昇し、ゲーム大手の巨人網絡集団はストップ高(値幅制限の上限)となった。一方、貴金属、銀行、石炭は売られた(OANDA ラボ、Fisco)。

香港(ハンセン・ハンセンテック)

ハンセン指数は0.42%高で引けた。情報技術と消費関連が上昇を主導し、テンセント、美団、アリババが指数を押し上げた。電池大手のCATLと小米集団も大きく上昇した。ハンセンテック指数は、自動運転とAI関連が買われて2.25%高だった。銀行株は売られ、中国銀行、中国建設銀行、HSBCが下落した(OANDA ラボ: 香港株サマリー)。

本土と香港はともに上昇した。ただし、本土では銀行・石炭が売られてメディア・ゲームが買われた一方、香港ではグロース系のハンセンテックが大きく上げ、銀行は下げた。買われた中身は、市場ごとに異なっていた。

当局・政策の動き

2日、人民銀行、国家金融監督管理総局、証監会は、資本市場を支援する2つの政策ツールの座談会を開いた。人民銀行の邹澜副総裁、金融監管総局の丛林副局長、証監会の刘浩凌副主席が出席し、証券・ファンド会社23社と銀行26行が参加した(新浪財経)。決定された内容は次のとおり(新華網)。

  • 株式買い入れ・増持向け再貸付(上場企業の自社株買いや大株主の増持のための資金を、銀行を通じて低利で貸し出す制度): 期限付きの措置から恒久的な制度に改めた。再貸付の金利は1.25%から1%へ下げた。契約額は約4,400億元、累計の貸出額は2,800億元超である
  • 証券・ファンド・保険会社の互換便利(SFISF。保有する資産を国債などと交換して、株式の購入資金を調達できる仕組み): 参加機関の拡大と手数料の引き下げを進める。現在の残高は1,050億元である

これらは当局の公表した決定であり、観測ではない。国家隊(国有系ファンド)による買い支えの公表や観測、人民銀行のLPR・預金準備率の変更、CSRCの新たな規制措置は、2日は確認できなかった。

経済指標

10月の製造業PMI(購買担当者景気指数。50が拡大と縮小の分かれ目)は、公式と民間で方向が割れた。

  • 国家統計局(公式): 49.3で、前月から0.8ポイント低下し、50を割った。大企業は50.2、中企業は48.4、小企業は47.5で、規模が小さいほど弱い。生産指数は49.8、新規受注指数は49.4である(中新網)。一部の英語の報道は49.5と伝えており、数字は出典により異なる
  • RatingDog(旧財新、2日発表): 52.0で、市場予想の51.6を上回り、前月の52.1からはわずかに低下した。拡大は11か月連続である(investingLive)

公式は大企業・国有企業の比重が高く、民間調査は輸出企業の比重が高い。この乖離自体が材料で、どちらかを正しいと断定できない。2日の本土株には、景況感の悪化が追加の経済対策への期待につながったと伝えられている(Fisco)。

米中関係と注目銘柄

米中間の新たな規制措置は、2日は確認できなかった(未確認)。中国ADRは米国時間の取引中に、ナスダック・ゴールデンドラゴン中国指数が約3%上昇したと中国メディアが伝えた。取引中の数字で、引け値は確認できなかった。個別では、ビリビリと小鵬汽車が7%超、小米集団が6%超、アリババとピンドゥオドゥオが5%超、テンセント、BYD、美団が3%超の上昇だった。背景として、米国とイランの交渉への期待による米ハイテク株の戻りが挙げられている(新浪財経)。

注目銘柄は、香港でテンセント、アリババ、美団、CATL、小米集団が上昇し、本土では巨人網絡集団がストップ高となった。

強気派 vs 弱気派

氏名と所属が明示された強気・弱気の主張は、今回の出典でも確認できなかった。報道ベースでは次のとおり。

  • 強気側の材料(政策): 当局が再貸付の金利を下げて恒久化したことと、公式PMIの悪化を受けた追加対策への期待(Fisco)。バリュエーションでは、前週末の約1年3か月ぶりの安値からの値ごろ感が買いを誘った(OANDA ラボ)
  • 弱気側の材料: 公式PMIが50を割り、中小企業の景況感が弱いこと。銀行株と石炭株が売られ、上昇がメディア・ゲームなどの一部に偏ったこと

いずれも相場観であり、事実ではない。バリュエーションの議論と政策リスクの議論を、発言者付きで確認することはできなかった。3サイト以上の調査には至っていない。

テクニカル分析(上海総合・ハンセン指数)

上海総合指数は3,638.03で、前週末に割れた心理的な節目の3,600を回復した。ただし、昨年8月以来の安値圏からの戻りの初日で、下げ止まったとは断定できない。ハンセン指数は23,393.32で、前回回復した2万3000の上にとどまった。50日・200日移動平均線とRSIの数値、南向き資金(香港ストックコネクトを通じた本土からの資金流入)、AH株プレミアム指数(同一企業のA株とH株の価格差を示す指数)の最新値は取得できなかった(未確認)。売買の推奨ではない。

本日の注目点

3日(火)は本土・香港とも通常どおり開場する見込みである。日本は文化の日で休場、米国は中間選挙の投開票日である。注目点は、2日の支援策の拡充を受けた本土株の続伸の有無と、米国市場の動き(2日のNYはS&P500が0.51%安、ナスダック総合が1.07%安で引けた)への反応である(Yahoo Finance)。中国の個別の経済指標や決算の日程は、今回の出典では確認できなかった。