前回からの変化
前回(2026-10-21、前日)との比較である。
変わったこと(変化・新規)
- 前回はラブロフ外相がイランで会談したことが中心だった。今回は、イラン側が米国との交渉に悲観を強めた。アラグチ外相は米国が「理解に達する意思を示していない」と述べ、ペゼシュキアン大統領は封鎖と軍事的な威嚇を続けながら対話を求めることはできないと主張した(進展、Al Jazeera)。同ページの見出しは、米国側も合意は極めて難しいと警告したとしている(詳細は本文の確認が及ばず、見出しによる)
- 新たに、フランスのマクロン大統領がサウジアラビアを突然訪問し、軽油の追加供給を取り付けた。ホルムズ海峡の混乱が、欧州の燃料と国内の生活費の問題に直結している(新規、Al Jazeera)
- 新たに、英国がサウジアラビアへ戦闘機ユーロファイター・タイフーンなどを派遣すると20日に発表した。国防省は「防衛的な役割」で、イエメンのフーシ派への攻撃は行わないと説明している(新規、Al Jazeera)
- 新たに、国連総会のキューバ禁輸解除決議が27〜28日ごろに採決される見通しとなり、キューバ側は米国が各国に圧力をかけていると主張した(新規、Al Jazeera)
昨日と同じこと(継続)
- ブラジル大統領選の決選投票(25日)は、前回に続いてボルソナーロ氏がわずかに先行する接戦である。前回の3社の調査(46.8パーセント対45.9パーセントなど)から新しい調査結果は確認できなかった(Al Jazeera)
- イランが示した海峡再開案と、6月の米イラン覚書への復帰を求める立場は続いており、実現したという報道はない
- 27〜28日のFOMC、29〜30日の日銀会合、11月3日の米中間選挙という日程は変わらない
要因の連続性
- 継続要因: ホルムズ海峡の混乱と米国・イランの対立によるエネルギー供給不安。ロシアがイランの後ろ盾として動く構図
- 新規要因: 欧州が燃料を確保するため、湾岸の産油国と個別に取引する動き。フーシ派の攻撃を受けるサウジの防衛に、英仏が加わったこと。ブラジルの選挙に、プラットフォーム企業の対応が争点として加わったこと
- 解消した要因: なし
今日の要点
| 地域 | 出来事 | 日本への影響 | 段階 |
|---|---|---|---|
| 中東 | イラン外相が米国の姿勢を批判 | 原油・LNGの調達 | 交渉停滞 |
| 欧州・中東 | 仏がサウジなどから軽油を確保 | 燃料の取り合い | 供給の取り決め |
| 中南米 | ブラジル決選投票は25日 | 資源・食料の調達 | 投票前 |
| 国際機関 | 国連でキューバ禁輸解除決議の採決へ | 日本の投票行動 | 27〜28日に採決見通し |
中東・アフリカ・中南米
イランと米国: イランのアラグチ外相は、19日にテヘランでラブロフ外相と共同記者会見を開き、ホルムズ海峡の緊張の原因は米国とイスラエルの戦争と経済封鎖にあると主張した。外国軍の関与しない域内の共通の安全保障の枠組みを呼びかけている。21日にはアラグチ氏が、米国は「理解に達する意思を示していない」と述べ、ペゼシュキアン大統領は、封鎖と威嚇を続けながら対話は期待できないと語った(The Star、Al Jazeera)。4月の停戦と6月の米イラン覚書の後も、海峡周辺では敵対行為が続いており、機雷に触れたとされるタンカーの火災も伝えられている。
サウジアラビアと英仏: マクロン大統領は、フーシ派の攻撃が強まって以降に西側の首脳として初めてサウジアラビアを訪れ、軽油の追加供給で合意した。サウジは「必要な限り」追加で供給し、アラブ首長国連邦とバーレーンがそれぞれ月に約10万トンを出す。合計は月に約29万5千トンで、フランスの消費量の1割強にあたる。国内の物価高と社会の不安に対応する狙いである。フランスは紅海側の港ヤンブーを守る軍事力も送る。英国も戦闘機を送る(Al Jazeera、Al Jazeera)。
ブラジル: 25日の決選投票を前に、ソーシャルメディアの扱いが争点になっている。ブラジルは選挙でのAI生成の候補者描写を禁じ、政治広告を公式の陣営に限る。選挙の最高機関である高等選挙裁判所には、Metaがルラ氏の投稿を抑えボルソナーロ氏の投稿を優遇したとの指摘が寄せられている。Metaは2026年の選挙関連に約2億8,800万レアル(約5,700万ドル)を支出し、2022年の倍になった(Al Jazeera)。
日本への影響: 米国・イランの交渉が行き詰まるほど、ホルムズ海峡の混乱が長引き、原油と液化天然ガスの調達コストは高止まりしやすい。欧州が湾岸の軽油を個別に確保する動きは、日本を含むアジアの精製品の調達競争を強める可能性がある(筆者の整理)。ブラジルは鉄鉱石、穀物、飼料の調達先で、選挙結果は通商や為替を通じて影響しうる(筆者の整理)。
国際機関・多国間の動きと、日本を名指しした動き
国連総会は、米国によるキューバへの禁輸の解除を求める決議を、例年のとおり27〜28日ごろに採決する見通しである。同決議は1992年以降ほぼ毎年、圧倒的な賛成で採択されてきた。キューバのロドリゲス外相は、トランプ政権が関税やビザの拒否、選挙への介入をほのめかして各国に反対を求めていると主張し、米国のウォルツ国連大使は、決議を「宣伝の道具」と批判して欧州に働きかけているとする。両国の説明は食い違っている(Al Jazeera)。
日本への影響: 日本がどう投票するのかが注目される。同記事に日本の立場への言及はなく、現時点で日本を名指しした措置は確認できていない(筆者の整理)。
今後数日の注目日程
- 22〜24日: イランをめぐる米国・イラン・仲介国の動き(具体的な会合日程は確認できず)
- 25日(日): ブラジル大統領選の決選投票
- 27〜28日: 米FOMC。同じころ国連総会でキューバ禁輸解除決議の採決の見通し
- 29〜30日: 日銀会合
- 11月3日: 米中間選挙
- 11月26日: EU首脳会議(長期予算の妥協案が焦点)

