前回からの変化
前回(2026-10-20、前日)との比較である。
変わったこと(変化・新規)
- 前回は「ラブロフ外相がイランを訪れる予定と報じられている」段階だった。今回は、ラブロフ氏がテヘランでアラグチ外相、ペゼシュキアン大統領と会談したことが確認できた。ラブロフ氏はホルムズ海峡の不安定は米国とイスラエルの「軍事侵略」の結果だと述べ、6月の米イラン合意への復帰を支持した。地域の「集団安全保障」の枠組みも提案した(新規、Al Jazeera)。
- 前回は日程のみ触れたブラジル大統領選の決選投票について、世論調査の数字が確認できた。CNT/MDAはボルソナーロ氏46.8パーセント、ルラ氏45.9パーセント、ケスト(Quaest)は46パーセント対44パーセント、データフォーリャは47パーセント対45パーセントで、いずれも誤差の範囲内である(新規、Al Jazeera)。
- 前回の「イランが再開案を維持し米国の回答を精査中」から、今回はイランが6月の米イラン覚書への復帰と、ホルムズ海峡の領海をめぐるオマーンとの合意を米国が尊重することを求めている点が加わった。一方、米国は独自の航路を設け、イランとオマーンの合意に反対している(進展、同上Al Jazeera)。
昨日と同じこと(継続)
- イランが示した7日間の停戦案と海峡再開案は、前回に続いて交渉のテーブルに残っており、実現したという報道はない。
- EU首脳会議で確認された対ロ制裁の維持と、米国の制裁停止への反発は、前回に続く論点である(Al Jazeera)。
- 11月3日の米中間選挙、27〜28日のFOMC、29〜30日の日銀会合という日程は変わらない。
要因の連続性
- 継続要因: 中東のエネルギー供給不安と米国とイランの対立。ロシア制裁をめぐる米欧の温度差。
- 新規要因: ロシアが仲介役ではなくイランの後ろ盾として前面に出てきたこと。ブラジルの選挙結果という新たな不確実性。
- 解消した要因: なし。前回挙げた中国のGDP発表は発表済みで、今回は新しい材料がない。
今日の要点
| 地域 | 出来事 | 日本への影響 | 段階 |
|---|---|---|---|
| 中東 | ラブロフ外相がイラン訪問 | 原油、海運 | 協議中 |
| 中南米 | ブラジル決選投票は25日 | 資源・食料の調達 | 投票前 |
| 欧州 | EUが対ロ制裁維持を確認 | 対露制裁の足並み | 首脳会議で確認 |
中東・アフリカ・中南米
イランとロシア: ラブロフ外相は、湾岸協力会議(GCC)の閣僚らとバーレーンで会った後、イランを訪れた。ロシアはイランと20年間の戦略的パートナーシップ条約を結んでいると強調した。イラン側は6月の米イラン覚書への復帰と、オマーンとの領海に関する合意の尊重を求めている。トランプ大統領は「まもなく仕上げる」とイランに警告したと伝えられている。6月の合意は完全停戦と海峡の再開を定めたが、数週間で崩れたとされる。仲介はパキスタンとカタールが担っている(Al Jazeera、Washington Times)。
ブラジル: 25日の決選投票は、第1回投票で首位だったフラビオ・ボルソナーロ上院議員(得票率47.03パーセント)と、現職のルラ大統領(45.16パーセント)の争いである。3社の調査はいずれもボルソナーロ氏が先行するが、差は誤差の範囲内で、専門家は接戦とみている。争点は治安と生活費で、ボルソナーロ氏は政府事業の財源となる税の削減を掲げ、ルラ氏は労働者の週2日の有給休暇化を議会で通した実績を訴えている(Al Jazeera)。
日本への影響: ロシアがイランを後押しする構図が強まれば、停戦の合意形成が難しくなり、ホルムズ海峡の混乱が長引くおそれがある。原油や液化天然ガスの調達コストは高止まりしやすく、日本の電気・ガス料金やガソリン価格に響きうる。ブラジルは鉄鉱石、穀物、飼料の調達先で、決選投票の結果は通商や為替を通じた影響が考えられる(いずれも筆者の整理)。
米国
米国のロシア産石油製品への制裁一時停止と、ウクライナ軍の製油所攻撃をめぐるトランプ大統領とゼレンスキー大統領の対立は、前回に続く論点である。今回、新たな決定は確認できなかった(Al Jazeera)。
日本への影響: 日本は対露制裁を米欧と協調して続けてきた。米国の制裁停止で足並みが乱れれば、日本政府が立場の説明を迫られる可能性がある(筆者の整理)。
欧州
15〜16日のEU首脳会議で、コスタ欧州理事会議長は「ロシアへの制裁を緩める時ではない」と述べ、支援と圧力を強める方針を示した。長期予算の交渉は難航しており、11月26日の首脳会議までに新しい妥協案が示される予定である。首脳らは中国との貿易赤字を理由に、新たな貿易防衛策の検討も欧州委員会に求めた(Euronews)。
日本への影響: EUの対中防衛策が強まれば、中国製品が日本や第三国へ向かう流れが強まる可能性がある。現時点で日本を名指しした措置は確認できていない(筆者の整理)。
今後数日の注目日程
- 21〜24日: イランをめぐるロシア・仲介国の協議の行方(具体的な会合日程は確認できず)
- 24日まで: エティハド航空のアブダビとサウジ各都市の間の欠航(前回既報)
- 25日(日): ブラジル大統領選の決選投票
- 27〜28日: 米FOMC。29〜30日に日銀会合
- 11月3日: 米中間選挙
- 11月26日: EU首脳会議(長期予算の妥協案が焦点)(Euronews)

