前回からの変化

前回(2026-10-24、前日)との比較である。25日(日)は新しい決算発表がなく、前営業日である23日の決算の続報と、来週の予定が中心になる。

変わったこと(変化・新規)

  • 前回は確認できなかったSLBの株価反応が分かった。通常取引の終値は前日(49.55ドル)比7.08%高の53.06ドルで、出来高は約1,910万株と直近3日間で最も多かった(Yahoo Finance)
  • 前回「通常取引で3%超下落」と書いたアメックスの終値が確定した。前日(325.17ドル)から11.95ドル安の313.22ドル(3.68%安)である(Yahoo Finance)
  • 前回「発表直後の時点で確認できなかった」ファナックの株価反応は、国内の次の取引日である26日(月)に初めて分かる。今回も確認できていない
  • 前回は日程が不確かだったインテルの決算が、Fiscoの日程では米国時間29日と整理された。前回の「次週(28〜29日)」より日付が絞られたが、情報源により異なる(財経新聞(Fisco))

昨日と同じこと(継続)

  • 「好決算でも株価が素直に上がらない」構図は、アメックスについて続いた。増収増益と通期見通しの引き上げがあっても、人員削減の発表や費用増が焦点になった(前回の整理を再掲)
  • 決算シーズンの進捗(S&P500の発表済み比率・EPSのサプライズ率)のFactSet集計は、新しい版を今回も確認できていない

要因の連続性

  • 継続要因: 原油高とAI関連の資金繰り不安という、市場全体の2つの重し。23日のブレント原油は3.1%高の116.72ドルへ上がり、S&P500は0.52%安の7,623.68で終えた(Yahoo Finance)
  • 新規要因: 原油高がSLBのようなエネルギー関連の株価を押し上げた可能性がある。ただし、出典に理由の記載はなく、筆者の推測にとどまる
  • 解消した要因: 前回「確認できなかった」とした、SLBの株価反応の不明点は解消した

1. 本日のハイライト

企業名 会計期間 決算の主な数字 22日終値→23日終値 備考
SLB 2026年7〜9月期 売上高94.5億ドル(前年同期比6%増) 49.55ドル→53.06ドル(7.08%高) 通常取引の終値
アメックス 2026年7〜9月期 売上高201億ドル(9%増) 325.17ドル→313.22ドル(3.68%安) 通常取引の終値
ファナック 2026年4〜9月期 純利益1126億円(41%増) 反応は26日以降に確認 日本時間23日に発表

SLBの数字は同社の8-K、アメックスの数字は前回レポートの8-Kに基づく。決算内容の詳細は前回(24日)の記事を参照。

2. 個別決算

SLB — 2026年7〜9月期(続報)

同社の8-Kによると、売上高は94.5億ドルで前期比5%増・前年同期比6%増、GAAPの希薄化後EPSは0.49ドル、一過性要因を除く調整後EPSは0.64ドルである。純利益は7.35億ドル、調整後EBITDAは20.7億ドル、フリーキャッシュフローは8.28億ドルだった。第3四半期は1290万株(6.56億ドル)を買い戻し、四半期配当は1株0.295ドルとした(SLB 8-K)。

株価は23日の通常取引で7.08%上昇した。前日は3.04%下落して49.55ドルだったため、下げの大半を取り戻し、21日の終値51.10ドルも上回った形である(Yahoo Finance)。上昇の理由は、今回確認できた出典には書かれていない。市場予想(コンセンサス)との差も確認できていない。

アメリカン・エキスプレス — 2026年7〜9月期(続報)

決算内容は前回のとおり、売上高201億ドル(9%増)、調整後EPS4.68ドル(13%増)で、通期の調整後EPS見通しを引き上げた。同時に約5%の人員削減も発表した(American Express 8-K)。

株価は23日の通常取引で3.68%下落した。終値は313.22ドルで、前日の325.17ドルに対し11.95ドル安である(Yahoo Finance)。EPSが予想を上回っても株価が下げた「数字と反応のねじれ」の例になる。理由として、前回は人員削減の発表と費用の増加が嫌気されたと整理した(今回の出典では追加確認なし)。

3. 経営陣が語ったこと

今回新たに確認できた経営陣の発言は見当たらない。前回のアメックス(階層の削減と業務の自動化)とSLB(地域を問わない売上増)の説明を参照。

4. 業界トレンド

  • 同じ日の決算で株価の反応が分かれた。アメックスは増収増益でも売られ、SLBは売上高が増えた中で買われた。決算の数字そのものより、先行きや費用への見方が株価を左右している可能性がある(筆者の整理)
  • 原油高(ブレント原油は22〜23日で約7.3%上昇)は、エネルギー関連には追い風、航空運賃の上昇を通じてカード決済額には追い風、一方で消費全般にはコスト増の面もある(筆者の整理)
  • 市場全体はAI関連企業の資金繰り不安が重しで、来週のハイパースケーラー(大規模なクラウド・AI基盤を運営する企業)の決算で、AI投資の収益性が確認できるかが焦点とされる(外為どっとコム)

5. 決算シーズンの進捗

S&P500の発表済み比率や上振れ比率の新しい集計は、今回も確認できなかった。前々回までに紹介したFactSetの10月16日版(発表済み9%、EPS上振れ比率84%)以降の更新を待つ。来週は米国の決算発表が最も集中する週で、Fiscoの整理では、主要企業の発表が28日と29日に集まる。

6. 次の注目決算

日付は特記しない限り米国時間である。発表が寄り前か引け後かは、各社のIRで確認が必要である。

  • 26日(月): ベライゾン、ニューコア(財経新聞(Fisco))
  • 27日(火): ボーイング、UPS、ビザ、コカ・コーラ、ノバルティス、コーニング、テラダイン、フリーポート・マクモラン、シーゲイト、ユニバーサル・ヘルス(同上)
  • 28日(水): アルファベット、マイクロソフト、サービスナウ、フォード。AI投資の収益性が焦点とされる(同上、外為どっとコム)
  • 29日(木): アマゾン、キャタピラー、インテル、イーライリリー、マスターカード、メルク、ギリアド・サイエンシズ、スターバックスなど。インテルは情報源により日付が異なる(同上)
  • 30日(金): シェブロン、エクソンモービル。エクソンモービルは30日発表の予定である(ExxonMobil)
  • 日本企業: 信越化学工業、アドバンテスト、ルネサスエレクトロニクス、イビデン、東京エレクトロン、キオクシア、レーザーテック、SCREENホールディングスなど半導体関連の決算が予定されている。外為どっとコムは、アドバンテストと日立製作所が28日、キオクシアが29〜30日と整理しているが、個別の日付はIRで要確認(財経新聞(Fisco)、外為どっとコム)