前回からの変化

前回(2026-10-24、前日)との比較である。24日は土曜で市場が休場だったため、新しい値動きは無く、23日のNY終値の確定値と週末の材料が中心になる。

変わったこと(変化・新規)

  • 前回は24日午前0時時点の156円78銭を扱った。23日の日足終値は156円81銭で、わずか3銭の差であり、ほぼ横ばいで週を終えた(Yahoo Financeの日足終値。Yahoo Finance)
  • 前回「週末の注目」とした中東情勢では、週末に新しい材料が出た。米国のトム・バラク大使は「今週末に攻撃の可能性がある」と示唆したが、トランプ大統領は発言を知らないと距離を置いたうえで、交渉が決裂すれば「もう一度、小さな作戦をやるかもしれない」と述べた。一方、イランはパキスタンを通じ、米国が港の封鎖を解くなら交渉を再開しホルムズ海峡を再開すると提案したとTASSは伝えている(イラン政府は未確認)(The Tribune、TASS)
  • 原油は上げ幅が広がった。ブレント原油は22日に3.99%高の113.17ドル、23日にさらに3.14%高の116.72ドルとなり、前週末(16日)の109.86ドルから6.2%上昇した(Yahoo Finance)
  • 前回は来週の日程を簡単に触れただけだった。今回は、28日にFOMCの結果(日本時間29日午前3時)、29日にECB理事会、30日に日銀会合と、日程が具体的に確認できた(みんかぶFX)

昨日と同じこと(継続)

  • 「円高が上値を抑える」構図は変わらない。ドルは底堅いが、AIへの過剰投資への懸念や米国債への買いが円高圧力となり、ドル円は200日移動平均線を下回る状態が続いている(みんかぶFX)
  • 為替介入の事実は、確認できた範囲では見当たらない。前回の「物価・デフレ脱却に慎重」との財務相発言の報道も、一次情報では確認できていない

要因の連続性

  • 継続要因: 中東情勢と原油高。前回に続き、週末の攻撃リスクが円相場の材料として残っている。AI過剰投資への警戒によるリスク回避の円買いも続く
  • 新規要因: 原油の上昇が加速した(22〜23日で約7.3%)。また、週間の整理で日銀の利上げ時期が12月へ向かう見方(外為どっとコム)が示され、来週の日銀会合が焦点として前面に出た(外為どっとコム)
  • 解消した要因: 前回の新規要因だった日本の全国CPIとミシガン大学指数の上振れという材料は一巡し、来週は政策会合が中心になる

為替サマリー

通貨ペア 水準 23日の動き 備考
ドル円 156円81銭(23日日足終値) 156円07銭〜157円16銭 前日比0.02%高。前週末(16日)は158円14銭
ユーロドル 1.1204ドル 1.1185〜1.1226ドル 24日午前0時時点(前回レポートと同じ値)
ユーロ円 175円65銭 175円10銭〜176円22銭 24日午前0時時点。昨年10月以来の安値圏
ブレント原油 116.72ドル 前日比3.14%高 参考。円相場の材料

ドル円の値は23日のYahoo Finance日足終値と日中レンジ(Yahoo Finance)、ユーロ関連は前回レポートの24日午前0時時点の値である。ドル指数と人民元は、今回も信頼できる数値を確認できなかった。

ドル円の動き

今週の日足終値は、16日の158円14銭から、19日157円81銭、20日158円52銭、21日158円27銭、22日158円13銭と158円前後で推移したあと、23日に156円81銭まで下がった。上げ下げの幅が大きかったのは22〜23日である。みんかぶFXは、22日に米ラム・リサーチの決算を受けた時間外の株価急落でリスク回避の円買いが強まり、157円06銭まで1円超下げたと整理している(みんかぶFX)。

23日は、東京時間に全国CPIの発表と日米の株安で156円07銭まで下げたが、その後は買い戻され、NY時間は米PMIの上振れでドル買いが入る一方、円高も上値を抑えた(みんかぶFX)。NY序盤にはドル円のピボット(当日の値動きの目安となる中心水準)が156円58銭付近と指摘された(同上)。

円安・円高の影響は両面ある。円高は輸入物価の低下で家計の負担を和らげ、今週のように原油が上がる局面で円建て価格の上昇を抑える。一方、輸出企業の業績や海外資産の円換算額は下押しされる。円安はその逆に働く(筆者の整理)。

その他の主要通貨

  • ユーロ: ユーロドルは1.12ドル台前半で3日続落した。ユーロ円は一時175円10銭と昨年10月以来の安値圏を付けた。外為どっとコムは、フランスの財政悪化と来年の大統領選での右派伸長への懸念で仏国債の利回りが上がっていることを、来週のユーロの焦点に挙げている(みんかぶFX、外為どっとコム)
  • ポンド・豪ドル・アジア通貨: 今回は新しく信頼できる数値を確認できなかった。来週は28日に豪の9月・第3四半期CPI、英国の秋季予算案が予定されている(みんかぶFX)

当局の姿勢と介入

24〜25日に、財務省・日銀による為替の発言や介入の実施・認否は、確認できた範囲では見当たらない。前回レポートの片山財務相の「物価・デフレ脱却に慎重」との趣旨の発言は、報道を通じた市場の受け止めであり、一次情報では確認できていない。

財務省の月次「外国為替平衡操作の実施状況」は、10月30日前後に公表されるのが通例である(日付は未確認)。介入があったかどうかの確認材料になるが、現時点で介入を示す報道は見当たらない。

ポジションと相場観

IMM通貨先物の投機筋ポジション(CFTCが毎週公表する、大口投機家の持ち高)の最新値は、今回も信頼できる出典で確認できなかった。

円高側の見方: みんかぶFXは、ドル円が200日移動平均線を下回っており、155円を割り込めば「160円を目指す流れから150円を目指す流れに逆転しそうな気配」と指摘している。1週間物のオプション(リスクリバーサル、円高・円安のどちらに傾いた取引が多いかを示す指標)は10月6日以来の円高優勢の水準になったとも伝えている(みんかぶFX)。

円安・ドル高側の見方: 外為どっとコムは、市場が米FRBの12月利上げを8割程度織り込む一方、日銀の年内利上げ観測は6割程度へ後退していると整理している。日米の金利差が縮みにくい状況は、ドル円の下値を支えうるとされる(「〜との見方」であり、売買の推奨ではない)(外為どっとコム)。来週の予想レンジは、ドル円が155円から159円、ユーロドルが1.11ドルから1.13ドルとされる(外為どっとコム)。

テクニカル分析(ドル円)

外為どっとコムは、200日移動平均線(長期の平均的な水準で、売買の目安として使われる線)が158円付近にあり上値の目安、直近の上昇に対する50%戻し(上昇幅の半分を下げた水準)の156円付近が下値の目安で、155円を割ると売りが強まりやすいとしている(外為どっとコム)。23日の安値156円07銭は、この156円付近で下げ止まった形である。RSIの最新値は今回の出典では確認できなかった。

今夜の注目イベント

25日(日)は定例の指標発表はなく、週明けの材料は次のとおり。

  • 25日(日): ブラジル大統領選の決選投票が行われる(結果は本稿の時点で未確認)。ユーロ圏は夏時間から冬時間へ移り、26日以降の欧州の指標の日本時間の発表は1時間遅くなる(みんかぶFX)
  • 26日(月): ドイツのIfo景況感指数(10月)、米2年債入札(690億ドル)、中国の中央委員会総会(29日まで)がある(同上)
  • 週明けの中東情勢: 米国によるイランへの攻撃の有無とホルムズ海峡の動きが、原油とドル円の方向を左右する可能性がある
  • 来週の山場: 28日のFOMC(日本時間29日午前3時に結果)、29日のECB理事会と米GDP速報値・PCE価格指数、30日の日銀会合・東京都区部CPI・日本の雇用統計(同上、みんかぶFX)