前回からの変化

前回(2026-10-18、1週間前)との比較である。毎週日曜の週報のため、前回は1週間前になる。

変わったこと(変化・新規)

  • 前回の山場は米大手テックの決算(メタ・テスラ)と日本の全国CPI(23日)だった。今週は、FOMC・ECB・日銀の3つの政策会合が重なり、決算の中心もアルファベット、マイクロソフト、アマゾンのハイパースケーラー(大規模なクラウド・AI基盤の運営企業)に移る(財経新聞(Fisco))
  • 前回予告した23日の全国CPIは、コアが前年比2.1%と予想と一致し、9か月ぶりに2%を超えた。前回予想の「2.1〜2.2%」の範囲内だった(経済指標・為替レポートで扱い済み)
  • 前回予告したメタの決算(21日)は、売上高が前年同期比26%増と好調だった一方、フリーキャッシュフローが約21億ドルの赤字になったと整理されている(外為どっとコム)
  • 前回は追加利上げの是非が焦点だったが、今回は、10月の米雇用統計が予想を大きく下回ったことなどで、28日のFOMCでは据え置きが9割超と見込まれている(みんかぶFX)

昨日と同じこと(継続)

  • 追加利上げの是非が焦点の構図は続く。外為どっとコムは、市場が12月のFRB利上げを8割程度織り込む一方、日銀の年内利上げ観測は6割程度へ後退したと整理している(外為どっとコム)
  • FRBは29日まで発言を控える期間(ブラックアウト)が続く。前回と同じ構図である(前回レポートの記載)
  • 米中関税休戦(2027年1月10日まで)とつなぎ予算(12月11日まで確保済み)は、前回から変わらず、今週に新たな期限は確認できない(前回レポートの記載)

要因の連続性

  • 継続要因: AI関連企業の資金繰りへの不安。前回に続き、先週の日経平均は4.03%下落した。中東情勢を背景にした原油高も続いている(ブレント原油は16日の109.86ドルから23日は116.72ドルへ上昇)(外為どっとコム)
  • 新規要因: 米国の利上げ観測の後退(据え置きが9割超)と、フランスの国債利回りの上昇(10年債が5%台)による欧州の財政不安が加わった(外為どっとコム)
  • 解消した要因: 前回の山場だった日本の全国CPI、米PMI速報値、メタ・テスラの決算は通過した

1. 今週の要点

  • 山場は28日(水)から29日(木)に集中する。28日のFOMC(日本時間29日午前3時に結果、続く記者会見)と、米引け後のアルファベット・マイクロソフトの決算が重なり、29日はECB理事会、米GDP速報値(7〜9月期)、米PCE価格指数(9月)、アマゾンの決算が続く(みんかぶFX、みんかぶFX)
  • 30日(金)は日銀の金融政策決定会合の結果と展望リポート、東京都区部CPI(10月)、日本の雇用統計(9月)が出る。日銀が「基調的な物価上昇率が2%目標に到達したか」の判断をどう示すかが、12月の利上げ観測を左右する(外為どっとコム)
  • 週明けは、25日(日)のブラジル大統領選の結果と、米国のイランへの攻撃の有無(為替・国際政治経済レポート参照)が出発点になる。27日にはイスラエルの総選挙がある。
  • 日経平均は先週、AI投資の収益性への警戒で4.03%下落し、62,693.16円で引けた。予想レンジは6万円から6万5,000円とされる(外為どっとコム)

2. 曜日別カレンダー

日時はすべて日本時間。時刻が確認できなかったものは「時刻未確認」と書く。予想値は24日時点の各媒体による値で、週内に変わりうる。

日付(JST) 国・地域 イベント 前回/予想 注目度
10/25(日) ブラジル 大統領選の決選投票 世論調査は接戦 中
10/26(月) 独・米・中 ドイツIfo景況感(10月)、米2年債入札(690億ドル)、中国共産党の中央委員会総会(〜29日) 時刻未確認 中
10/27(火) 日・米・中 日本の月例経済報告、米耐久財受注(9月)・消費者信頼感(10月)、米5年債入札(700億ドル)、中国工業利益(9月) 時刻未確認 中
10/27(火) イスラエル 総選挙 - 中
10/28(水) 豪・NZ・加 豪CPI(9月・第3四半期)、NZ中銀・カナダ中銀の政策金利 時刻未確認 中
10/28(水) 英国 秋季予算案(ヒーリー財務相) 時刻未確認 中
10/29(木) 3:00 米国 FOMC政策金利(米国時間28日の発表) 据え置き予想9割超。12月利上げの織り込みは8割程度 高
10/29(木) 欧州 ECB理事会(政策金利、据え置き予想) 時刻未確認 高
10/29(木) 米国 7〜9月期GDP速報値、9月PCE価格指数(コアも) 予想値は確認できず 高
10/30(金) 日本 日銀会合の結果・展望リポート、植田総裁の記者会見 据え置き予想 高
10/30(金) 日・欧・米 東京都区部CPI(10月)、日本の雇用統計(9月)、ユーロ圏GDP速報値(7〜9月期)、米シカゴ購買部協会景気指数(10月) 時刻未確認 中

出所: みんかぶFX、みんかぶFX、財経新聞(Fisco)。FOMCの結果は米国時間28日の発表で、日本時間では29日午前3時になる。

3. 中央銀行

  • FRB: FOMCは27〜28日。結果は日本時間29日午前3時で、ウォーシュ議長の記者会見が続く。みんかぶFXは、政策金利は据え置かれる見込み(9割超)で、焦点は声明の文言と、AI関連の信用不安など最近の市場の動揺への議長の発言だと伝えている。12月の利上げは8割程度が織り込まれている(みんかぶFX、外為どっとコム)
  • 日銀: 金融政策決定会合は29〜30日で、結果は30日。展望リポートと植田総裁の記者会見がある。据え置きが見込まれ、12月会合への見通しが関心の的である(財経新聞(Fisco))
  • ECB: 理事会は29日。政策金利は据え置きの見通しで、フランスの国債利回りの上昇を受けた伝達保護措置(TPI、国債利回りの急騰を抑える仕組み)の協議が焦点とされる(外為どっとコム)
  • その他: 28日にNZ中銀とカナダ中銀が政策金利を発表する。BOEは今週は政策会合がなく、28日に財務相が秋季予算案を発表する(みんかぶFX)

4. 主要決算

日付は米国現地の日付で、引け後の発表は日本時間では翌朝になる。発表が寄り前か引け後かは、各社のIRで確認が必要である。

企業 発表日(米国) 寄り前・引け後 注目点
アルファベット 10/28(水) 時刻未確認 クラウドとAIの設備投資、投資の収益性
マイクロソフト 10/28(水) 時刻未確認 AI基盤への投資額と収益
アマゾン 10/29(木) 時刻未確認 AWSの成長とAI関連の設備投資
インテル 10/29(木)の見込み 時刻未確認 AI向けインフラ需要。情報源により日付が異なる
ボーイング、UPS、ビザ 10/27(火) 時刻未確認 業績見通し
キャタピラー、マスターカード、イーライリリー 10/29(木) 時刻未確認 業績見通し
エクソンモービル、シェブロン 10/30(金) 時刻未確認 原油高の利益への反映

日本では、アドバンテストと日立製作所が28日、キオクシアが29〜30日と整理されている。信越化学工業、ルネサスエレクトロニクス、イビデン、東京エレクトロン、レーザーテック、SCREENホールディングスなど半導体関連も予定されているが、個別の日付はIRで要確認である(財経新聞(Fisco)、外為どっとコム)。

5. 政治・政策の日程と期限

  • ブラジル大統領選(25日): 決選投票。世論調査は接戦で、結果は週明けの資源・新興国通貨の材料になりうる(詳しくは国際政治経済のレポート参照)
  • 中国共産党の中央委員会総会(26〜29日): 内容は未確認だが、会期中の発表が市場の材料になりうる(みんかぶFX)
  • イスラエル総選挙(27日): 中東情勢の不確実性が高い中での選挙で、結果が地域情勢に影響しうる(同上)
  • 英国の秋季予算案(28日): ヒーリー財務相が発表する予定である(同上)
  • 米国とイラン: 週末の攻撃の有無と交渉の行方が、日程とは別の不確実要因である(為替・国際政治経済のレポート参照)
  • 期限もの: 今週に期限を迎える関税や予算の期限は、確認できた範囲では見当たらない。米中関税休戦は2027年1月10日、つなぎ予算は12月11日まで確保済みで、11月3日には米中間選挙がある(前回レポートの記載)

6. 需給・市場イベント

  • 米国債入札: 26日に2年債(690億ドル)、27日に5年債(700億ドル)、28日に2年変動利付債(300億ドル)、29日に7年債(440億ドル)がある。米長期金利が高い中で、需要の強さが注目される(みんかぶFX)
  • 在庫統計: 米週間石油在庫統計は水曜(28日)に出るのが通例だが、今回の日付は確認できていない。原油が1バレル116ドル台と高い中で確認材料になる
  • OPECプラス: 有志の産油国7か国の次回会合が11月1日(日)に予定されている。10月4日の会合で11月の生産水準の据え置きを決めた経緯がある(OPEC)
  • IPO・トークンアンロック・SQ: 今週の主要な日米IPO、大型トークンアンロック、日本のSQは、確認できた範囲では見当たらない

7. 休場日

  • 今週(25〜31日)は、日本・米国・中国・欧州の主要市場で休場はない。NYSEは10月に休場がなく、次の短縮取引は11月27日(感謝祭の翌日)である(NYSE)。日本の祝日は、来週の11月3日(火、文化の日)に東証が休場となる見込み(祝日法に基づく)。
  • 時差の変更: 欧州は25日に夏時間から冬時間へ移り、今週の欧州の指標・会合の日本時間の時刻は1時間遅くなる。米国は11月1日に冬時間へ移る(今週の米国の日程には影響しない)(みんかぶFX)

8. 先週からの持ち越し論点

  • AI投資の収益性への不安: 先週の日経平均は4.03%下落して62,693.16円、米国ではS&P500が7,659.44から7,623.68へ0.5%、ナスダックが26,140.03から25,955.34へ0.7%下げた。メタは売上高が26%増でも約21億ドルのフリーキャッシュフロー赤字となり、今週のハイパースケーラーの決算で投資効率が確認できるかが持ち越された(外為どっとコム、Yahoo Finance)
  • 円相場: ドル円は158円14銭(16日)から156円81銭(23日)へ下がり、200日移動平均線を下回った。155円を割るかが焦点で、日銀会合とFOMCの結果が材料になる(外為どっとコム)
  • 中東情勢と原油: ブレント原油は116.72ドルに上昇し、週末の米国の攻撃の有無が持ち越された。結果によって、原油と為替の方向が変わりうる(為替レポート参照)
  • フランスの財政不安: 10年債利回りが5%台に上昇し、ECB理事会でTPIの協議が行われるかが焦点として持ち越された(外為どっとコム)
  • 前回予告した19日の中国GDP、21日の英CPIは、今回の出典で結果を確認していない。