前回からの変化
前回(2026-10-11)との比較。毎週日曜の週報のため、前回は1週間前である。
変わったこと(変化・新規)
- 前回の山場だった米9月CPI(14日)は、総合が前年比3.7%、コアが2.6%と予想を上回って終わった。今週は物価指標が日本の全国CPI(23日)と英CPI(21日)に移り、企業決算の比重が大きい週になる。
- 前回は「米大手銀とTSMC、ASMLの決算」が中心だった。今週はメタ、テスラ、ネットフリックス、IBMなど米大手テックの決算が本格化する(財経新聞)。
- 前回予告した16日のウォーシュFRB議長の対談は、10月27〜28日の会合での利上げの是非を示さずに終わった。17日から29日まではFRBの発言自粛期間(ブラックアウト)に入り、新しい手がかりは物価・景況感の指標に限られる(みんかぶFX)。
- 前回は無かった項目として、ECBも22日から29日までブラックアウトに入る。
昨日と同じこと(継続)
- 追加利上げの是非が焦点である構図は前回から続く。BNN Bloombergによると、12月のFRB利上げ確率は74.3%で、1か月前の50.2%から高まった(BNN Bloomberg)。
- 日銀の追加利上げ時期への関心は継続し、12月の会合での利上げが意識されている(外為どっとコム)。
- 米中関税休戦(2027年1月10日まで)とつなぎ予算(12月11日まで確保済み)は、前回の記載から変わっていない(今週の新たな期限は確認できていない)。
要因の連続性
- 継続要因: 中東情勢を背景とした原油高と長期金利の高止まり。米10年債利回りは16日に5.09%だった。
- 新規要因: AI関連企業の資金繰りへの不安。コアウィーブの債券利回り上昇などを受け、先週の日経平均は5.4%下落した。メタの決算がこの不安を和らげるかが注目される(株探ニュース)。
- 解消した要因: 米CPI、小売売上高、ウォーシュ議長対談、IMF・世界銀行総会(18日閉幕)は通過した。
1. 今週の要点
- 山場は21日(水)の米引け後(日本時間22日朝)のメタとテスラの決算。メタの内容が「AI過剰投資への懸念を払拭できるか」が焦点とされる(財経新聞)。
- 23日(金)は日本の9月全国CPI(午前8時30分)、英・独・ユーロ圏・米の10月PMI速報値、米10月PMI(午後10時45分)が重なる。日本のCPIは予想が前年比2.1〜2.2%(前回1.9%)で、強ければ12月の日銀利上げ観測が強まるとの見方がある。予想値は媒体によって異なる。
- 19日(月)午前11時には中国の7〜9月期GDPが出る。予想は前年比4.4%(前回4.3%)、前期比1.0%(前回0.9%)(財経新聞)。
- 中東では、ホルムズ海峡での船舶被害が続いており、原油相場が週明けの材料になる(詳しくは国際政治経済と為替のレポートを参照)。
2. 曜日別カレンダー
日時はすべて日本時間。時刻が確認できなかったものは「時刻未確認」と書く。予想値は17日時点の各媒体による値で、週内に変わりうる。
| 日付(JST) | 国・地域 | イベント | 前回/予想 | 注目度 |
|---|---|---|---|---|
| 10/19(月) 11:00 | 中国 | 7〜9月期GDP(同日に9月の小売売上高・鉱工業生産・住宅価格) | 予想+4.4%(前回+4.3%) | 高 |
| 10/19(月) 21:30 | カナダ | 9月CPI | 予想+3.2%(前回+3.0%) | 中 |
| 10/20(火) | 日本 | 20年利付国債の入札(7,000億円程度) | - | 中 |
| 10/20(火) | 米国 | 9月住宅着工(時刻未確認) | 前月超過の予想 | 中 |
| 10/20(火) | 欧州 | 独ZEW景況感(10月)、英雇用統計 | - | 中 |
| 10/21(水) | 日本 | 9月貿易収支(時刻未確認) | - | 中 |
| 10/21(水) | 英国 | 9月CPI(時刻未確認) | 予想+3.4%(前月+3.1%) | 高 |
| 10/22(木) | トルコ | 中央銀行の政策金利 | 100bp利下げで36%の予想 | 低 |
| 10/22(木) | 米国 | 景気先行指数(9月)、新規失業保険申請件数 | - | 中 |
| 10/23(金) 8:30 | 日本 | 9月全国CPI | 予想+2.1〜2.2%(前回+1.9%) | 高 |
| 10/23(金) 22:45 | 米国 | 10月製造業・サービス業PMI速報値 | 予想 製造業55.5、サービス業57.9 | 高 |
出所: みんかぶFX、財経新聞、財経新聞、外為どっとコム。22日のトルコ中銀の予想は外為どっとコムによる。日本の全国CPIの予想は、財経新聞の2本の記事で2.1%と2.2%に分かれている。
3. 中央銀行
- FRB: 今週は政策会合なし。次回FOMCは10月27〜28日で、17日から29日までは高官の政策発言を控える期間に入った(みんかぶFX)。外為どっとコムは、10月の利上げ観測は最近の発言で後退したとみている(外為どっとコム)。
- 日銀: 政策決定会合は10月29〜30日で、今週は会合なし。23日に金融システムリポート(10月)が公表され、同日の全国CPIが12月の利上げ観測の手がかりになる(財経新聞、みんかぶFX)。
- BOE: 今週は政策会合なし。21日の英CPIが焦点で、11月会合での利上げが約92%織り込まれていると伝えられている(みんかぶFX)。
- ECB: 今週は政策会合なし。22日から29日まで発言を控える期間に入る(ECB理事会は27〜29日の見込みと報じられているが、日程は確認が取れていない)。
- その他: スイス中銀は22日に9月24日開催分の議事録を公表する予定である。
4. 主要決算
日付は米国現地の日付で、引け後の発表は日本時間では翌朝になる。時刻が確認できないものは「時刻未確認」とした。
| 企業 | 発表日(米国) | 寄り前・引け後 | 注目点 |
|---|---|---|---|
| ネットフリックス | 10/20(火) | 引け後 | 予想EPS0.82ドル。16日に経営陣の交代と人員削減で2.9%下落した後の初の決算(TheStreet) |
| GM | 10/20(火) | 時刻未確認 | 自動車大手の通期見通し |
| メタ・プラットフォームズ | 10/21(水) | 引け後 | AI投資の過剰感を和らげる内容になるか(財経新聞) |
| テスラ | 10/21(水) | 引け後 | 新型ロードスターの発表後の決算。16日に2.1%下落 |
| IBM、テキサス・インスツルメンツ | 10/21(水) | 時刻未確認 | 業績見通し |
| ニューモント、P&G | 10/22(木) | 時刻未確認 | 業績見通し |
| ファナック | 10/23(金) | 国内 | 先に好決算を出した安川電機に続くか |
今週の米国の決算発表は約350社で、金融が最多、木曜が最も多いとされる(決算カレンダーの記載)。個別の発表時刻は、各社のIRで確認が必要である。
5. 政治・政策の日程と期限
- IMF・世界銀行年次総会とAPEC財務相会合: IMF・世界銀行の総会は18日(日)にバンコクで閉幕する。APEC財務相会合は20〜21日に開かれる(みんかぶFX)。
- 米財務長官の講演: ベッセント財務長官が21日、ニューヨークの投資家会議で講演する予定で、発言内容が市場の材料になりうる(ザイFX!)。
- 中国の金融フォーラム: 19日から22日まで、金融40人論壇(CF40)と中国の金融年次会議が開かれる(みんかぶFX)。
- 欧米の抗議デモ: フランスで物価高への全国デモが続いており、米国でも全国で抗議デモ「No Kings」が予定されている(みんかぶFX)。
- 米国の制裁: トランプ大統領が17日、ロシアへの新たな制裁の発動を見送る大統領令に署名した。今週のEUや日本の反応が焦点になる。
- 期限もの: 今週に期限を迎える関税や予算の期限は、確認できた範囲では見当たらなかった(米中関税休戦は2027年1月10日、つなぎ予算は12月11日まで)。
6. 需給・市場イベント
- 国債入札: 日本の20年利付国債(20日)、米国の20年債(21日、130億ドル)と5年物価連動債(22日、260億ドル)の入札がある(みんかぶFX)。長期金利の高止まりの中で、需要の強さが注目される。
- 在庫統計: 米週間石油在庫統計は21日。原油相場がホルムズ海峡の情勢で動いている中での確認材料になる(みんかぶFX)。
- OPECプラス: 次回の有志産油国の会合は11月1日の見込み(前回レポートの記載)で、今週は定例の会合なし。
- IPO・暗号資産のアンロック・SQ: 今週の主要な日米IPO、大型トークンアンロック、日本のSQは、確認できた範囲では見当たらなかった。
7. 休場日
- 今週(19〜24日)は、日本・米国・中国・欧州のいずれも休場なし。
- 25日(日)に英国と欧州が夏時間から冬時間に移る(米国は11月1日)。26日の週は、欧州と日本の時差が変わり、欧州の指標の日本時間の発表時刻が1時間ずれる(みんかぶFX)。今週の日程には影響しない。
8. 先週からの持ち越し論点
- 米9月CPIは総合が前年比3.7%、コアが2.6%と予想を上回り、PPIも前月の0.5%、予想の0.6%を大幅に上回って2022年3月以来の上昇率になった。12月の利上げ観測が高まり、米10年債利回りは5%台が続く(財経新聞)。
- 16日のウォーシュFRB議長の対談は、10月27〜28日の会合の方向性を示さなかった。以後は発言自粛期間に入る。
- 日経平均は先週、AI投資を巡る信用不安で3,706円(5.4%)下落し、6万5,324円で引けた。15日の下げ幅は3,000円超で、史上3番目と伝えられる。TSMCが過去最高の売上高と純利益を出し、ASMLも良好だったが、反応は限定的だった(株探ニュース)。6万5,000円が支持線とされる(外為どっとコム)。
- 前回予告した12日の東証・米債券市場の休場、16日の日銀総裁挨拶(内田副総裁の代読)は予定どおり通過し、為替では新味のない内容と受け止められた。
- 前回予告した14日のOPEC月報、15日の米小売売上高の結果は、今回確認していない。

