前回からの変化
前回(2026-10-13、10月12日の値)との比較である。値はいずれも各ページの10月13日時点の表示値で、確定終値ではない。
変わったこと(変化・新規)
- 金は前回の4,171.42ドルから4,160.77ドルへ(10.65ドル安)小幅に下げ、4,200ドルへの戻りは遠のいた(TradingEconomics: Gold)
- 銀は前回の60.30ドルから59.16ドルへ(1.14ドル安)下げ、前回「下値の目安」とした60.30ドルを割り込んだ(TradingEconomics: Silver)
- 天然ガスは前回の3.18ドルから3.32ドルへ(0.14ドル高、4.81%高)急伸し、9月24日以来の高値となった。ハリケーンの影響で全米生産が落ち込んだことが背景とされる(TradingEconomics: Natural gas)
- ブレントは105.99ドルから106.37ドルへ(0.38ドル高)、WTIは93.10ドルから94.75ドルへ(1.65ドル高)。ブレントは当日0.27%安の表示で、WTIは1.08%高と動きが分かれた(TradingEconomics: Brent oil、TradingEconomics: Crude Oil)
- 小麦は6.7275ドルから6.6825ドルへ(0.045ドル安)下げ、8月18日以来の安値圏となった(TradingEconomics: Wheat)
- メキシコ湾の海上生産で停止中の割合は、前回の約59%から約25%へ縮小した(TradingEconomics: Natural gas)
昨日と同じこと(継続)
- サウジアラビアとフーシ派の衝突によるエネルギー施設・空港への攻撃が、原油の供給不安として続いている
- FRBの追加利上げ観測は継続している。10月の利上げ確率は20%未満、12月は85%超とされ、前回と同水準である
- 金は4,100ドルの支持線と4,200ドルの抵抗線の間で推移する構図が続く
要因の連続性
- 継続要因: 中東の供給不安、米利上げ観測、ロシアからのディーゼル供給が価格上昇を抑えるとの見方、小麦の黒海情勢(休戦期待が価格の重し)
- 新規要因: 天然ガスでは米国の生産減(Lower 48の10月生産が日量110.6億立方フィート)が上昇要因として加わった。小麦ではトランプ米大統領の発言をきっかけに黒海休戦への期待が強まった
- 解消した要因: ハリケーン・イザイアスによる海上生産の停止は約59%から約25%へ縮小し、供給面の懸念は後退している。前回の金・銀の重しだったドル高は、本日の出典ではドルがやや弱含んだとされ、一服した
価格サマリー
| 商品 | 価格(2026年10月13日) | 騰落率(前日比) |
|---|---|---|
| 金(スポット) | 1オンス4,160.77ドル | 0.27%安 |
| 銀 | 1オンス59.16ドル | 1.89%安 |
| WTI原油 | 1バレル94.75ドル | 1.08%高 |
| ブレント原油 | 1バレル106.37ドル | 0.27%安 |
| 天然ガス(Henry Hub) | 1MMBtu 3.32ドル | 4.81%高 |
小麦は1ブッシェル6.6825ドル(668.25セント、0.60%安)。値は各ページの10月13日の表示値で、取得時刻は確認できていない。限月は各ページの代表値(期近)に基づく。
商品別動向
金・銀
TradingEconomics: Goldによると、金は4,160.77ドルで0.27%安、月間では3.22%安、前年比では0.42%高である。米消費者物価(CPI)などの発表を待つ姿勢が強く、4,180ドル前後で比較的落ち着いた動きとなった。市場は12月の利上げ確率を85%超、10月は20%未満と織り込む。
銀はTradingEconomics: Silverによると59.16ドルで1.89%安、月間では6.44%安、前年比では15.07%高である。ドルがやや弱含み、原油が3日続伸を終えた中でも、米インフレ指標を待つ中で売りが優勢だった。
Kitco: Latest Newsは、ドル高と米債利回りの上昇が金の重しになっている一方、中央銀行の動きでは、カザフスタンが2026年に金の買い手から売り手へ転じる計画だと伝えている。
原油
TradingEconomics: Brent oilによると、ブレントは106.37ドルで0.27%安、月間では0.65%高、前年比では70.49%高である。サウジアラビアとフーシ派の衝突による供給不安で、一時下げ幅を縮めて106.5ドル超まで戻した。フーシ派はエネルギー施設と空港への攻撃を強めている一方、ロシアのディーゼル輸出の可能性が上昇を抑えている。
WTIはTradingEconomics: Crude Oilによると94.75ドルで1.08%高、月間では6.55%安、前年比では61.42%高である。TradingEconomics: Crude Oilは、ゴールドマン・サックスが、追加のロシア産ディーゼル供給が世界の燃料価格の圧力を大きく和らげる可能性は低いと述べたと伝えている。
天然ガス
TradingEconomics: Natural gasによると、Henry Hubは3.32ドルで4.81%高、月間では14.62%高、前年比では9.62%高である。ハリケーン・イザイアスの停止とパイプラインの障害で、全米(Lower 48)の生産は10月に日量110.6億立方フィートと、8〜9月の113.3億立方フィートから減った。メキシコ湾の海上生産は徐々に回復し、停止中は約25%まで縮小した。米国のLNG(液化天然ガス)向け原料ガス供給は10月に日量174億立方フィートで、9月の179億立方フィートを下回る。温暖な天気予報が上値を抑えるとされる。
農産物
TradingEconomics: Wheatによると、小麦は1ブッシェル6.6825ドルで0.60%安、月間では7.44%安、前年比では33.58%高である。トランプ米大統領の発言で黒海の休戦期待が高まり、8月18日以来の安値となった。ロシアとウクライナは世界の小麦輸出の4分の1超を占める。アジアの製粉業者は価格上昇と黒海の混乱から、12月分までの短期の手当てにとどめている。
急変動の特集
特集なし。ただし天然ガスの4.81%高は目安(1日±3%超)を超えた動きなので、商品別動向で扱った。要因は米国の生産減で、短期的な価格の振れとみられる。生活への波及は、冬の暖房需要期に向けて都市ガス・電気料金の燃料費調整に影響し得るが、今回の上昇幅では限定的とみられる(推測)。前回フォローした原油は、ブレントが105.99ドルから106.37ドルと高止まりで、前年比70.49%高の水準が続く。
強気派 vs 弱気派
銀(強気): Sprottのケニー・ズー氏は、銀は供給が限られるため、投資家が資金を振り向けると「金にはまず起こりにくい形で放物線的に上がり得る」と述べている(Kitco: Latest News)。
金(強気): スチュワート・トムソン氏は金が5,400ドルまで上昇し得ると見る。CPMグループは、次の大きな上昇は再び売りが出た後に来る可能性があると指摘する(Kitco: Latest News)。
銀(弱気): ブルームバーグのマクグローン氏は、歴史的な上昇のあと、銀は支えを見つける前に1オンス50ドルまで戻り得ると指摘する(Kitco: Latest News)。
金(弱気・短期): バンク・オブ・アメリカは、金が下落基調を反転させるにはFRBのハト派転換か通貨価値の希薄化懸念が必要とする。インベスコも第4四半期の逆風は残ると見る(Kitco: Latest News)。
原油・天然ガス・農産物: 今回、発言者と根拠が確認できる強気・弱気の見解は、ゴールドマン・サックスの「ロシア産ディーゼルは燃料価格の圧力を大きく和らげない」との見方のみだった(やや強気寄り、TradingEconomics: Crude Oil)。
地政学・物価関連ニュース
中東では、サウジアラビアとイランが支援するフーシ派の衝突が続き、エネルギー施設と空港が攻撃の標的となっている。原油の供給不安の中心で、ガソリン・軽油・運賃を通じた物価の押し上げ圧力が残る(TradingEconomics: Brent oil)。
米国では、ハリケーン・イザイアスの影響で停止していたメキシコ湾の海上生産が回復に向かい、停止割合は約25%まで縮小した。一方で全米の生産は落ち込み、天然ガス価格を押し上げた(TradingEconomics: Natural gas)。
黒海では休戦期待から小麦が8月18日以来の安値圏にある。小麦安は製粉・食品価格に時間をおいて波及する可能性がある(推測。TradingEconomics: Wheat)。
テクニカル分析(金・銀・原油・天然ガス・農産物)
移動平均線(50日・200日)とRSIの当日値は、今回の出典で確認できなかった。確認できた範囲で解説する。断定的な売買判断ではない。
金: Kitco: Latest Newsによると、金は4,100ドルの支持線を保ち、4,200ドルの上抜けを試している。4,160ドルはその間にあり、4,100ドルを割り込むかが焦点とされる水準である。
銀: 59.16ドルは、前回の下値の目安だった60.30ドルを下回った。Kitco: Latest Newsでは、50ドルまで下げるとの弱気な見方も出ている。
原油(WTI): 94.75ドルは、前回挙げた50日移動平均線(87.03ドル、当日の再確認はできていない)を上回る水準である。月間では6.55%安にとどまる。
天然ガス: 3.32ドルは、前回挙げた200日移動平均線(2.841ドル前後、当日の再確認はできていない)を上回る。月間では14.62%高で、上昇基調が強まった。
小麦: 6.6825ドルは8月18日以来の安値圏にあり、月間で7.44%下落した。上値の目安としては、前回挙げた8月の高値7.67ドルがある。

