前回からの変化
前回(2026-10-20)との比較である。前回は19日の動きを扱い、今回は20日の動きを扱う。
変わったこと(変化・新規)
- ドル円は19日NY終盤の158円55銭から、21日午前4時に158円20銭前後へ35銭下げた(-0.2%)。20日の値幅は157円83銭〜158円60銭で、前回挙げた上値の目安158円75銭には届かなかった(ザイFX!: NY為替概況・4時)
- 前回「米長期金利の上昇でドル買い」だった流れが逆転した。米10年債利回りは5.14%から5.11%へ低下し、午前4時時点でも5.13%前後にとどまり、前日の水準を超えなかった(みんかぶ FX、ザイFX!)
- 米9月の住宅着工件数は122.1万戸で予想の130.5万戸、前回の128.8万戸を下回った。中古住宅販売成約指数も前月比-7.3%(予想-0.5%)と悪化した(みんかぶ FX)
- 前回の注目イベントだった英雇用統計は予想を上回り、失業率も予想外に改善した。日本の国債入札は需要が強く、円を買う動きの支えになった(みんかぶ FX)
- ユーロドルは前回の1.1202ドルから1.1237ドルへ上昇した(+0.3%)
昨日と同じこと(継続)
- ドル円は158円台前半から半ばのもみ合いが続き、新たな為替介入の事実は確認されていない
- フランスの政治不安によるユーロの重しが続いた。ベッセント米財務長官は「フランスで起きている事態が他国に波及するとは予想しない」と述べた(みんかぶ FX)
- 中東情勢への警戒から、原油は高水準が続いた
要因の連続性
- 継続要因: 日米金利差の高止まりと、中東情勢を背景とした原油の高止まり。ドルを下支えしている
- 新規要因: 米住宅指標の悪化で、10月FOMC(米連邦公開市場委員会)での追加利上げ観測が後退した。米イランの合意が近いとの報道も原油安とドル売りを促した(財経新聞)
- 解消した要因: 前回の円安要因だった米長期金利の上昇は一服した。米イラン報道は後に否定されたため、ドル売りの勢いも弱まった
為替サマリー
| 通貨ペア | 21日午前4時 | 20日の値幅 | 19日NY終盤 |
|---|---|---|---|
| ドル円 | 158円20銭 | 157円83銭〜158円60銭 | 158円55銭 |
| ユーロドル | 1.1237ドル | 1.1205〜1.1261ドル | 1.1202ドル |
| ユーロ円 | 177円77銭 | 177円14銭〜177円92銭 | 177円78銭 |
| ポンドドル | 1.3381ドル | 1.3340〜1.3409ドル | 1.3299ドル |
水準は日本時間21日午前4時時点(ザイFX!: NY為替概況・4時)。ポンドドルの現在値は同3時台の報道(みんかぶ FX)、値幅は財経新聞による。なお別の報道ではNY時間の値幅を157円82銭〜158円25銭としており、集計時間帯により値幅の記載が異なる。ドル指数と人民元は信頼できる数値を確認できなかった。
ドル円の動き
東京時間は、アジアのハイテク株安によるリスク回避の動きと、日本の国債入札の強さを受けて円が買われ、朝方の高値から押し戻された。ドル円は157円50銭〜159円のレンジで推移するとの見方が出ていた(みんかぶ FX)。市場では日米当局の円安けん制姿勢が意識され、159円を超える積極的な買いは出にくいとの見方もあった(みんかぶ FX)。
欧州時間は米10年債利回りが5.14%から5.11%へ低下し、ドルが売られやすくなった。NY時間の午後9時30分に発表された米9月住宅着工件数が予想を下回ると、米債が反発してドル円は158円16銭から157円85銭まで下げた(財経新聞)。その後、米中古住宅販売成約指数も悪化し、追加利上げ観測が後退してドル売りに拍車がかかった(財経新聞)。
さらに、米イランの合意が今週にも発表される可能性があるとの報道で原油が下げ、ドル売りが強まった。ただし24時過ぎに関係筋が「協議は続く、合意が近いとの報道は誤り」と否定し、原油が下げ止まるとドル売りも弱まった。午前4時時点は158円20銭前後で、反発が一巡した形となっている(ザイFX!: NY為替・原油概況、ザイFX!: NY為替概況・4時)。
円安・円高の影響は両面ある。円安は輸入物価の上昇を通じて家計の負担を増やす一方、輸出企業の業績や海外資産の円換算額を押し上げる。円高はその逆に働く(筆者の整理)。
その他の主要通貨
- ユーロ: ユーロドルは1.1205〜1.1261ドルで、前日終盤の1.1202ドルから上昇した。フランス資産の売りがユーロの上値を抑えた(ザイFX!)
- ポンド: 英雇用者数が予想を上回り、失業率も予想外に改善したため、英中銀の11月利上げを織り込む買いが強まった。ポンドドルは1.3409ドルまで上昇し、ポンド円は211円66銭だった。英中銀のグリーン委員は「3%の賃金上昇率は2%インフレと整合的」と述べた。28日には英秋季予算が発表され、財政の信認が焦点になるとの指摘がある(みんかぶ FX: 英雇用統計、みんかぶ FX: 発言・ニュース)
- ドルスイス: 0.8223〜0.8263フランで上昇した(財経新聞)
- アジア通貨・新興国通貨: 新しい信頼できる数値は確認できなかった
当局の姿勢と介入
20日に新たな為替介入の事実は確認されていない。財務省・日銀による為替に関する新しい発言も、今回の出典では確認できなかった。市場では日米当局の円安けん制姿勢が引き続き意識されている(みんかぶ FX)。
米側では、ベッセント財務長官がフランスの混乱について「他国に波及するとは予想しない」と述べた。為替への直接の言及ではないが、欧州の信用不安への警戒を和らげる発言として市場に伝わった(みんかぶ FX)。
ポジションと相場観
IMM通貨先物の投機筋ポジション(CFTCが毎週公表する、大口投機家の持ち高)について、今回は信頼できる最新値を確認できなかった。
相場観では、みんかぶFXが当面157円50銭〜159円のレンジ取引を想定し、来週の主要な金融政策会合まで方向感が出にくいとした(みんかぶ FX)。円安派・円高派それぞれの新しい主張は、発言者と根拠が分かる形では確認できなかった。
テクニカル分析(ドル円)
20日の高値158円60銭は、前回挙げた上値の目安(レジスタンス)158円75銭の手前で止まった。心理的な節目である159円も意識される。下値の支え(サポート)は20日の安値157円83銭と、前回挙げた先週安値157円55銭である。移動平均線とRSIの最新値は確認できなかった。ポンド円は日足で二番底の形を作り、200日移動平均線が213円付近にあるとされる(みんかぶ FX)。

