前回からの変化
前回(2026-10-23、前日)との比較である。前回は22日の動き、今回は23日の動きを扱う。
変わったこと(変化・新規)
- 前回は158円台前半から156円台後半への急落だったが、23日は156円08銭〜157円16銭の狭い範囲で推移した。前回の156円86銭(23日午前5時ごろ)に対し、24日午前0時は156円78銭で、ほぼ横ばいである(ザイFX!)
- 前回「今夜の注目」だった日本の9月全国CPIは、コア(生鮮食品を除く)が前年比2.1%と前月の1.7%から加速し、コアコアも2.4%と前月の1.9%から上昇した(マネックス証券(myFX))
- 前回注目した株式市場の反応では、日経平均は214円68銭安の6万2693円16銭と、前日の1713円安に比べ小幅な下げにとどまった(同上)
- 米10月製造業PMI速報値は56.0と予想の55.5を上回り、ミシガン大学消費者態度指数(確報値)も48.0と予想の46.3を上回った。これで米長期金利が上昇し、NY時間にドル買いが優勢となった(財経新聞)
昨日と同じこと(継続)
- 中東情勢の緊迫と原油高が為替の材料となる構図は続いた。週末の米国によるイラン攻撃リスクが警戒され、原油価格の上昇で米長期金利が上がった(財経新聞)
- フランスの政局・財政不安でユーロが上値を抑えられる展開は継続した。為替介入の事実は、確認できた範囲では見当たらない
要因の連続性
- 継続要因: 中東情勢を背景にした原油高と、AI投資への警戒によるリスク回避の円買い圧力は前回に続いて働いた。フランスの政局不安もユーロの重しとして継続した
- 新規要因: 日本の全国CPIの加速、米PMIとミシガン大指数の上振れ、財務相の物価・デフレに関する発言が、日銀の追加利上げに慎重な姿勢と受け止められた点が加わった(みんかぶFX)
- 解消した要因: 前回の新規要因だった日経平均の1700円超の急落による円買いは、23日は下げ幅が縮小して一服した
為替サマリー
| 通貨ペア | 24日午前0時ごろ | 23日の動き | 前回値(23日午前5時) |
|---|---|---|---|
| ドル円 | 156円78銭 | 156円08銭〜157円16銭 | 156円86銭 |
| ユーロドル | 1.1204ドル | 1.1185〜1.1226ドル | 1.1231ドル |
| ユーロ円 | 175円65銭 | 175円10銭〜176円22銭 | 175円95銭 |
| ポンドドル | 1.3361ドル | 〜1.3389ドル(高値) | 1.3407ドル |
ドル円・ユーロドル・ユーロ円は24日午前0時時点と23日のレンジ(ザイFX!)。ポンドドルはNY時間の報道値(財経新聞)。ドル指数と人民元は信頼できる数値を確認できなかった。
ドル円の動き
東京時間は、全国CPIの発表と日米の株安を背景に円が買われ、午前に日中安値の156円08銭を付けた。その後は買い戻しが入り、東京の取引終了時点は156円88銭(前日のNY終値比11銭高)だった。財務相が物価とデフレ脱却について「慎重な判断が必要」という趣旨の発言をしたと報じられ、日銀の早期利上げ観測が弱まるとの受け止めから、ロンドン時間には157円16銭まで戻した。ただ上値は限られ、前日のNY終値(156円77銭)付近でもみ合った(マネックス証券(myFX)、みんかぶFX)。
NY時間は、米製造業PMIとミシガン大指数が予想を上回ったことと、原油高による米長期金利の上昇でドル買いが優勢となり、24日午前0時時点は156円78銭となった(ザイFX!)。一方で、AIを巡る過剰投資への懸念が円高材料として意識され、157円台に乗せたあとは再び156円台へ戻る動きだった(みんかぶFX)。
円安・円高の影響は両面ある。円高は輸入物価の低下を通じて家計の負担を和らげる一方、輸出企業の業績や海外資産の円換算額を押し下げる。円安はその逆に働く(筆者の整理)。
その他の主要通貨
- ユーロ: ユーロドルは1.1190ドルへ下落し3日続落となった。ユーロ圏10月PMI速報値でフランスが48.4と落ち込み、総合PMIも前月の53.1から51.9に低下した。21日移動平均線(1.1240ドル付近)が上値を抑えている。ユーロ円は一時175円10銭と昨年10月以来の安値圏をつけた(みんかぶFX、みんかぶFX)
- ポンド: ポンドドルは1.3389ドルまで上げたが、1.3361ドルで伸び悩んだ(財経新聞)
- アジア通貨・新興国通貨: 新しい信頼できる数値は確認できなかった
当局の姿勢と介入
23日に為替介入が行われたという報道・当局の認否は、確認できた範囲では見当たらない。財務相は物価とデフレを巡り「慎重な判断が必要」という趣旨の発言をし、市場では日銀の追加利上げに慎重なシグナルと受け止められた(みんかぶFX)。これは報道による市場の解釈であり、会見録などの一次情報では確認できていない。
ポジションと相場観
IMM通貨先物の投機筋ポジション(CFTCが毎週公表する、大口投機家の持ち高)の最新値は、信頼できる出典で確認できなかった。
円高側の見方として、みんかぶFXは、ドル円が200日移動平均線を下回った状態が続き、155円を割り込めば「160円を目指す流れから150円を目指す流れに逆転しそうな気配」と指摘し、オプション市場でも円高を見込む動きが強まっていると伝えた(みんかぶFX)。外為どっとコムは、米FRBの12月利上げをおよそ8割織り込む一方、日銀の年内利上げ確率は6割に低下したと整理している(外為どっとコム)。円安側の主張は、発言者と根拠が分かる形では確認できなかった。
テクニカル分析(ドル円)
外為どっとコムによると、上値の目安は200日移動平均線がある158円付近、下値の目安は直近の上昇に対する50%戻しの156円付近で、155円を割ると売りが強まりやすいとされる(「〜とされる水準」であり、売買の推奨ではない)(外為どっとコム)。23日の安値156円08銭は、この156円の近くで下げ止まった形である。RSIの最新値は今回の出典では確認できなかった。
今夜の注目イベント
24日(土)は市場が休場で、定例の指標発表はない。週明けの材料は次のとおり。
- 来週はFRBの連邦公開市場委員会(27〜28日)、ECB理事会(29日)、日銀の金融政策決定会合(29〜30日)が続く(前回レポートの日程。外為どっとコム)
- 週末の中東情勢、とくに米国によるイラン攻撃リスクの行方が、週明けの原油と円相場の方向を左右する可能性がある

